シクラメンのかほり

シクラメンのかほり
布施明シングル
初出アルバム『シクラメンのかほりから
B面 淋しい時
リリース
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル キングレコード
作詞・作曲 小椋佳
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン[2]
  • 1975年度年間2位(オリコン)[2]
  • 1976年度年間93位(オリコン)[2]
  • 布施明 シングル 年表
    愛の詩を今あなたに
    (1974年)
    シクラメンのかほり
    (1975年)
    傾いた道しるべ
    (1975年)
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    シクラメンのかほり」(シクラメンのかり)は、1975年4月10日木曜日)に発売された布施明シングルである。

    制作

    表題曲は、シンガーソングライター小椋佳第一勧業銀行赤坂支店に勤めていた際、取引先の会社で休憩していた時に見た、自身には馴染みのない花であったシクラメンをヒントに思い浮かんだものである[3]

    布施の担当マネジャーだった小坂洋二が、小椋佳の『淋しい時』というアップテンポの曲を持って来た際に「もう一曲、カップリングが欲しいから」と布施が依頼した所、小椋から出てきた楽曲が「シクラメンのかほり」だった。布施は今さらこんな古めかしいフォークソングっぽい曲が売れるわけないと感じたが、渡辺プロダクション渡辺晋井澤健らが「『シクラメン』の方がいい」と判断したためリリースとなった[4]

    歌詞の「…ほど…ものはない」は、エルヴィス・プレスリーの「マリー・イン・ザ・モーニング(英語版)」の歌詞から引用し、それに北原白秋の全集から小椋が気にいった言葉を抜き出して当てはめたものである。詩が「借り物」を中心に構成されたことを示すために、3番の歌詞に「薄紫のシクラメン」を挿入し、曲名を「シクラメンのかほり」とした[注 1]

    小椋はこうして出来上がった曲を気に入らず、また歌詞の内容が月並みな展開だったので、自身ではレコーディングせずにお蔵入りにしていた。そのために、当時はこの曲がヒットしたことが信じられなかったと後に告白している。

    今作がヒットしたことを、第一勧業銀行からメリルリンチ証券に派遣されていた小椋は米国で知らせを聞き驚くが、自身もエリート銀行マンと二足のわらじを履く異色の経歴から注目の的となり、翌1976年に帰国すると、初のテレビ出演(『NHKコンサート 小椋佳の世界』)を果たすことになる。

    記録

    布施が『第4回東京音楽祭』に本曲で出場したことがきっかけとなり大ヒットし、1975年の『第17回日本レコード大賞[1][注 2]と『FNS歌謡祭』グランプリなど、年末の音楽番組・音楽賞の大型タイトルを総なめにした。

    また、オリコンチャート上においては、布施にとって唯一のミリオンセラー(売上数・105.2万枚)を達成する[2]

    第56回NHK紅白歌合戦』の出場者選考アンケートとしてNHKが実施した『スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜』において、白組80位にランクインしている[注 3]

    「かほり」の仮名遣い

    契沖以降の「歴史的仮名遣」では「かをり」が正しいとされ、それ以前にスタンダードだった定家仮名遣では「かほり」が正しいとされていた。

    この曲は、作者の小椋が自分の妻の「佳穂里」(かほり)に宛てた愛の賛歌であり、美しいシクラメンを妻に見立て、その名を付けたと推測する説[注 4]がある。しかし一方で、小椋は「それ(妻の名前が込められていること)を聞くと家内は怒りますよ。俗説です」としている[3]

    紅白歌合戦での披露

    年末恒例の『NHK紅白歌合戦』では、1975年・第26回にトリ前で初披露された。その後も1990年第41回2000年第51回と、過去合計3回歌唱された。

    収録曲

    7インチレコード
    全作詞・作曲: 小椋佳、全編曲: 萩田光雄
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.シクラメンのかほり小椋佳小椋佳
    2.淋しい時小椋佳小椋佳
    合計時間:

    価格

    • 発売当時の値段は500円

    カバー

    脚注

    [脚注の使い方]

    注釈

    1. ^ 当時はシクラメンの花に薄紫色はなかった。また、シクラメンには香りがなく、まれにあっても極めて薄い。なお、この歌のヒットをきっかけとして、後に薄紫色のシクラメン、香りのあるシクラメンが開発されている。
    2. ^ 本曲以降、キングレコード所属歌手のレコード大賞受賞は2011年第53回AKB48「フライングゲット」まで36年間なかった。
    3. ^ ただし、2005年の紅白では、同年の布施のヒット曲「少年よ」が歌唱され、本作は歌唱されなかった。
    4. ^ 2017年2月17日放送、MX『5時に夢中!』に布施明がゲスト出演した際に「一説」として紹介された。

    出典

    1. ^ a b “第17回 日本レコード大賞”. 日本作曲家協会. 2022年1月2日閲覧。
    2. ^ a b c d オリコンランキング情報サービス「you大樹」
    3. ^ a b 2013年5月18日付『中日新聞』夕刊2面「この道 歌創り40年 小椋佳」より。
    4. ^ 【あの時・日本レコード大賞<8>】布施明「シクラメンのかほり」売れるわけないと感じた - スポーツ報知 2019年12月23日
    1950年代
    1960年代
    1970年代
    1980年代
    1990年代
    2000年代
    2010年代
    2020年代

    第32回から第34回までは演歌・歌謡曲とポップス・ロックの2部門に分けて発表された。括弧内の数字は第○回を示す。

    カテゴリ Category:日本レコード大賞受賞者・Category:日本レコード大賞受賞曲
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