タイボアン族

タイボアン族
大満/大武壠族
高雄市甲仙区小林里の夜祭りに伝統衣装で参加するタイボアン族
総人口
2万人以上
居住地域
台湾台南市高雄市花蓮県台東県

タイボアン族(TaivoanまたはTevorang)は台湾先住民に属する民族である。「タイヴォアン」と書かれることもある。漢字では、大武壠族大満族と表記される[1]台湾台南市高雄市花蓮県台東県に分布している。

平埔族の一つで、長年、すでに漢化しているとみなされ、原住民族施策の対象になってこなかったが、近年、独自に、文化や言語の(タイボアン語)の復興運動が行われつつある[2]。また、研究者にはシラヤ族の一支族に位置付けられることが多かったが、最近は独自の民族として主張して活動している[3]

2013年11月15日に台湾花蓮県富里郷の郷長により「郷定原住民」と地域には公的に存在を認められた[4]

民族の名称であるTaivoanは、タイワン(台湾)の語源と言われているいくつかの説のうちの一つである。

2009年8月8日から8月9日にかけての平成21年台風第8号以前は、現在の台湾高雄市甲仙区小林里である旧高雄県小林村がタイボアン族の最多の人口であった。

また、小林村の住民によって結成され、古老の記憶をもとに伝統歌舞を復元し、公演活動を行っている舞踊団、「大満(タイボアン)舞団」が2014年9月に岩手県山田村を訪れ、チャリティー公演を行った[5][6]

公廨

台湾高雄市六亀区頂荖濃にあるタイボアン族の祠(公廨)。神棚の屋根の左右にカラスの像がある。

タイボアン語:Kuba、Kuva、Kuma、台湾語:公廨(kong-kài)。男性の集会所と祠だった。現在はほぼ祠として立てられる。台南市白河區六重溪部落は旧暦9月14日であるが、タイボアン族は主に旧暦9月15日に公廨で祖霊祭(夜祭)を行う。mai(米食)、ビンロウ煙草、豚肉、酒、餅、ごま油入り鶏スープなどを供え、手をつないで、聖歌を唄う。

脚注

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  1. ^ 大武壠はTevorangを漢字表記したもので、大満はTaivoanを漢字表記したもの。
  2. ^ (中国語) 行走TIT68集太祖的孩子-大武壠族, https://www.youtube.com/watch?v=2wI9OhtNaJM 2020年4月19日閲覧。 
  3. ^ (中国語)『小林村大武壠族 不滿誤導歸為西拉雅族 2016-09-21 TITV 原視新聞』。https://www.youtube.com/watch?v=xlN5Oxk-qzA2020年4月19日閲覧 
  4. ^ 首例鄉定原住民富里西拉雅族正名
  5. ^ Team, Internet. “高雄・小林村の「大満舞団」が7月17日に岩手県山田町でチャリティー公演”. 台北駐日経済文化代表処. 2020年4月19日閲覧。
  6. ^ 原英子「小林村大満舞踊団がやって来た」

外部リンク

  • 大滿舞團
  • 中央研究院南島語數位典藏
  • 中央研究院語言學研究所
  • 看見小林!Mahanru Taivoan!
  • 甘治士的《台灣略記》:17世紀西拉雅族的人類學報告書
伝統的な区分
公認されている原住民族
タイヤル語群

タイヤル族(泰雅族) - タロコ族(太魯閣族) - セデック族(賽德克族)

パイワン語群

アミ族(阿美族) - パイワン族(排灣族) - ブヌン族(布農族) - プユマ族(卑南族) - サイシャット族(賽夏族) - サオ族(邵族) - クバラン族(噶瑪蘭族) - サキザヤ族(撒奇萊雅族)

ツォウ語群

ツォウ族(鄒族) - カナカナブ族(卡那卡那富族) - サアロア族(拉阿魯哇族)

ルカイ語群

ルカイ族(魯凱族)

バタニック語群

タオ族(達悟族)

公認されていない原住民族
パイワン語群

バブザ族(巴布薩族) - ホアンヤ族(和安雅族) - ケタガラン族(凱達格蘭族) - ルイラン族(雷朗族) - クーロン族(亀崙族) - バサイ族(巴賽族) - パポラ族(巴布拉族) - パゼッヘ族(巴宰族) - カハブ族(噶哈巫族) - カウカット族(猴猴族) - タオカス族(道卡斯族) - シラヤ族(西拉雅族) - タイボアン族(大満族) - マカット族(馬卡道族)

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