チャタヌーガ・チュー・チュー

曖昧さ回避 この項目では、グレン・ミラー楽団の楽曲について説明しています。同名の映画については「お色気SL大暴走! アメリカ横断ウルトラハイホー」をご覧ください。

チャタヌーガ・チュー・チュー」または「チャタヌガ・チュー・チュー」(Chattanooga Choo Choo)は、1941年(録音は5月7日)にグレン・ミラーが率いるビッグ・バンドが発表した楽曲。同年封切りされた、このバンドが主演した最初の映画である『銀嶺セレナーデ(英語版)』の主題歌として作られた[1]。現在でもジャズ、ビッグ・バンドのスタンダードナンバーの一つとして、しばしば演奏される。

楽曲について

作詞はマック・ゴードン(英語版)、作曲はハリー・ウォーレン(英語版)のコンビ(このコンビは「セレナーデ・イン・ブルー」や「カラマズーの娘」なども手がけた)。冒頭に「A列車で行こう」の序奏をほとんどそのまま引用したあと、楽しい汽車の旅を連想させる前奏が続く。駅の靴磨きと乗客との軽快なやり取りから、歌詞は次第に意外な結末へと変化してゆく。

最初のアレンジはジェリー・グレイ (Jerry Gray) が行っており、クラリネットを持ち替えで登場させるなど、いわゆる「ミラーサウンド」が味わえる。また、ヴォーカルが入る(男性・女性のソロに男声カルテットが加わるのが一般的)のも特徴的で、結果的にグレン・ミラーの曲としてはかなり大編成なものとなった。この楽曲は発表後たちまち大ヒットとなり、映画もアカデミー賞にノミネートされた。レコードはおよそ120万枚販売され、これを記念して1942年にはRCAレコードからゴールドディスクが授与された。これがゴールドディスク第1号とされる。

曲名にもなっている「チャタヌーガ・チュー・チュー」とは、シンシナティ市が初めて建設した公共鉄道であるシンシナティ・サザン鉄道(英語版)1880年に運行を開始した、シンシナティ発チャタヌーガ行きの旅客列車の愛称である。「チュー・チュー」とは、赤ちゃん言葉で「汽車ぽっぽ」といった意味である[2]。歌詞中では「ペンシルベニア駅の29番線」から「4時15分前(3時45分)頃に発車」ということになっているが、ペンシルバニア駅には21番線までしかなく、全体としては架空の列車ということになる。

この曲はグレン・ミラーを代表する楽曲の一つとして、グレン・ミラーの死後も長く愛されることとなった。チャタヌーガ市の再開発事業で建設されたホテルとショッピングモールの複合施設にもこの曲名が冠されるほどで、今では観光都市として有名になったチャタヌーガ市の知名度向上にも一役買っている。

ハーパース・ビザールが1967年にカバーしたバージョン[3]は、ビルボードのイージーリスニング・チャートの1位を記録した。

脚注

  1. ^ キネマ旬報映画データベース:銀嶺セレナーデ (洋画)
  2. ^ 『ジーニアス英和辞典』(大修館書店 1994年版)の「choo-choo」の項目より。
  3. ^ 45cat - Harpers Bizarre - Chattanooga Choo Choo / Hey, You In The Crowd - Warner Bros. - USA - 7090
先代
ジョン・ゲイリー
「コールド」
Billboard Easy Listening 1位
(ハーパース・ビザール・バージョン)

1968年1月6日 - 1月13日(2週)
次代
ディーン・マーティン
「イン・ザ・ミスティ・ムーンライト」
グレン・ミラー楽団(英語版)
ヒット曲
1939年
1940年
  • 「タキシード・ジャンクション」
  • 「ウッドペッカー・ソング」
1941年
  • ヴォルガの舟歌
  • 「チャタヌーガ・チュー・チュー」
  • 「エルマーズ・チューン」
1942年
  • 「真珠の首飾り」
  • 「ムーンライト・カクテル」
  • 「カラマズーの娘」
1943年
  • 「ザット・オールド・ブラック・マジック」
アルバム
  • シカゴのジャズクラブ (1943年)
  • アップスイング (1944年)
  • スモーク・リング (1944年)
  • グレン・ミラー (1945年)
  • グレン・ミラー傑作集2 (1947年)
  • 映画「グレン・ミラー物語」よりグレン・ミラーの演奏セレクション (1954年)
  • グレン・ミラー物語 (1954年)
  • グレン・ミラー・カーネギーホール・コンサート (1958年)
  • 純金 (1975年)
  • イン・ザ・デジタル・ムード (1983年)
メンバー
ボーカリスト
ミュージシャン
  • アル・クリンク
  • アル・マストレン
  • ポール・タナー
  • トビー・タイラー
  • トミー・マック
  • フランク・ダンノルフォ
  • ハワード・ギベリング
  • ジミー・プリディ
  • ウィルバー・シュウォーツ
  • スタンレー・アロンソン
  • ハル・マッキンタイヤー
  • テックス・ベネキー
  • アーニー・カセレス
  • ジミー・アバト
  • ゲイブ・ガリーナス
  • ハル・テニス
  • ベニー・フェマン
  • ベーブ・ラッシン
  • ロイド・バーノン・スキップ・マーティン
  • ジョニー・オースティン
  • ルイス・ムッチ
  • ボブ・プライス
  • チャーリー・ヒル
  • レグ・ノウルズ
  • ミッキー・マクミクル
  • クライド・ハーレイ
  • ジョニー・ベスト
  • ジーク・ザルヒー
  • チャールズ・フランクハウザー
  • ビリー・メイ
  • レイ・アンソニー
  • アレック・フィラ
  • ビル・グラハム
  • スティーブ・リプキンス
  • アラン・ロイス
  • アーサー・エンス
  • ディック・フィッシャー
  • ジャック・ラスロップ
  • ボビー・ハケット
  • ビル・コンウェイ
  • チャミー・マグレガー
  • ボブ・スパングラー
  • コーディー・サンディファー
  • フランキー・カールソン
  • モーリス・パーティル
  • ロリー・バンドック
  • トニー・カールソン
  • トリガー・アルパート
  • ドク・ゴールドバーグ
編曲者
  • ジェリー・グレイ
  • ビル・フィネガン
  • グレン・ミラー
  • ビリー・メイ
作曲家
  • グレン・ミラー
  • ハリー・ウォーレン
  • マック・ゴードン
アメリカ陸軍航空軍
バンドメンバー
  • クルーチーフ
  • ジュニア・コリンズ
  • ジョニー・デズモンド
  • ピーナッツ・ハッコー
  • ジャック・ラスロップ
  • ノーマン・ライデン
  • レイ・マッキンリー
  • アーティ・マルヴィン
  • ラルフ・パット
  • メル・パウエル
  • ジョージ・シラヴォ
  • チャーリー・スピヴァク
メディア
映画
  • 1936年の大放送 (1935年)
  • 銀嶺セレナーデ (1941年)
  • オーケストラの妻たち (1942年)
  • アップビート・イン・ミュージック (1943年)
  • グレン・ミラー物語 (1954年)
  • グレン・ミラー アメリカンズ・ミュージカル・ヒーロー (1990年)
出版物
  • トロンボーンのための125のブレイク・ジャズ (1927年)
  • グレン・ミラーのオーケストラ・アレンジ・メソッド (1943年)
関連項目
  • グレンミラーによって作詞された曲のリスト
  • ドーシー・ブラザーズ
  • RCAレコード
  • アメリカ陸軍航空軍
  • グレン・ミラー物語 (サウンドトラック) (1954年)
  • ニュー・グレン・ミラー・オーケストラ
  • グレン・ミラー・タイム (1961年)
典拠管理データベース ウィキデータを編集
  • MusicBrainz作品