ハロルド・ホルト

オーストラリアの政治家 ハロルド・ホルト Harold Edward Holt
ハロルド・ホルト（1966年）
生年月日	(1908-08-05) 1908年8月5日
没年月日	(1967-12-17) 1967年12月17日（59歳没）
所属政党	オーストラリア自由党
第17代首相
内閣	ホルト内閣
在任期間	1966年1月29日 - 1967年12月19日
元首	女王エリザベス2世
テンプレートを表示

ハロルド・エドワード・ホルト（Harold Edward Holt、1908年8月5日 - 1967年12月17日）は、オーストラリアの政治家。第17代オーストラリア首相。

人物

メルボルンのクイーンズ大学で法律を学ぶ。後に首相となるロバート・メンジーズと知り合ったのをきっかけに政界を目指すようになり、1935年に自由党から立候補し、当選した^[1]。

その後移民大臣を務めるなど順調に政治家としてのキャリアを積んだホルトは^[2]、1966年に首相に就任した^[3]。その後は冷戦下において同盟国のイギリスやアメリカと綿密な関係を築き、ベトナム戦争への自国軍の派兵などを行った^[4]。

1967年12月17日に、友人達と共にビクトリア州メルボルン南方のビーチに出かけ、泳いでいる最中に行方不明になる^[5]。その後、6日間に渡って捜索がなされたが、ホルト本人はおろか遺留品すら発見されなかった。主要国の首相が行方不明になる事例は、少なくとも第二次世界大戦以降では類を見ない^[6]。

しかし、一国の首相が唐突に行方不明になったため、世間では首相の失踪ということで、「中華人民共和国のスパイであり、潜水艦で連れ去られた」、「護衛にボートに乗せられた後に国外逃亡して愛人と暮らした」といった諸説が出て、大きなミステリーとされていた^[7]。

38年後の2005年9月2日に、地元のビクトリア州の検視官が他の水難行方不明者の事例と共に、「ホルト首相は荒波にさらわれて水死した」と最終判断をした^[8]。

この事件は誰かが急にいなくなったときや逃げるときに使うオーストラリアの俗語「（do a）Harold Holt /（do the）Harry(ハロルド・ホルトをする/ ハリーをする)」の語源となった^[9]。

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ハロルド・ホルトに関連するカテゴリがあります。

• 陰謀論^[7]
• ハロルド・E・ホルト (フリゲート)

表 話 編 歴 オーストラリアの首相
エドモンド・バートン  / アルフレッド・ディーキン  / クリス・ワトソン  / ジョージ・リード  / アルフレッド・ディーキン  / アンドリュー・フィッシャー  / アルフレッド・ディーキン  / アンドリュー・フィッシャー  / ジョゼフ・クック  / アンドリュー・フィッシャー  / ビリー・ヒューズ  / スタンリー・ブルース  / ジェームズ・スカリン  / ジョゼフ・ライオンズ  / アール・ペイジ  / ロバート・メンジーズ  / アーサー・ファデン  / ジョン・カーティン  / フランク・フォード  / ベン・チフリー  / ロバート・メンジーズ  / ハロルド・ホルト  / ジョン・マッキュエン  / ジョン・ゴートン  / ウィリアム・マクマホン  / ゴフ・ホイットラム  / マルコム・フレーザー  / ボブ・ホーク  / ポール・キーティング  / ジョン・ハワード  / ケビン・ラッド  / ジュリア・ギラード  / ケビン・ラッド  / トニー・アボット  / マルコム・ターンブル  / スコット・モリソン  / アンソニー・アルバニージー
カテゴリ

脚注

参考文献

• 怪奇ミステリー研究会『呪われた世界地図』彩図社、2008年、34-38頁。ISBN 9784883926664。OCLC 675256983。国立国会図書館書誌ID:000009934431。https://books.google.co.jp/books?id=HsFdDAAAQBAJ&pg=PT34#v=onepage&q&f=false。2023年10月8日閲覧。 
• 生尾和弘「オーストラリアとコモンウェルスの変容 : 南アフリカ脱退の衝撃」『英語文化研究』第49号、獨協大学大学院外国語学研究科、2016年、77-114頁、CRID 1050564288241305728、NAID 120006243466、OCLC 835556713、国立国会図書館書誌ID:000004364368、2023年10月8日閲覧。 
• 陶山宣明「オーストラリア二大政党制の変化 : 2016年連邦選挙の分析」『オーストラリア・アジア研究紀要』第1号、追手門学院大学オーストラリア・アジア研究所、2017年、11-21頁、CRID 1050001202476900736、ISSN 03853446、NAID 120006249534、OCLC 1295079896、国立国会図書館書誌ID:028030384、2023年10月8日閲覧。 
• 小堀眞裕「上下両院同日選挙・別時期選挙に関する日豪理解の違い : 解釈主義によるビリーフの考察」『立命館法学』387・388、立命館大学法学会、2019年、1881-1911頁、CRID 1010286980807227648、doi:10.34382/00013092、hdl:10367/00013092、ISSN 04831330、NAID 120006825759、OCLC 9883692012、国立国会図書館書誌ID:030408214、2023年10月8日閲覧。 
• 陶山宣明「オーストラリアの首相交代のパターンの変化」『オーストラリア・アジア研究紀要』第4号、追手門学院大学オーストラリア・アジア研究所、2020年、27-32頁、CRID 1050002212668962944、ISSN 24328898、NAID 120006821890、OCLC 1295079896、国立国会図書館書誌ID:028030384、2023年10月8日閲覧。 
• 小坂町役場総務課「ブレットさんの国際コーナー」『広報こさか』第1165号、小坂町役場総務課、2023年、11頁、2023年10月8日閲覧。