パレスチナの法

パレスチナの法(パレスチナのほう、アラビア語: القانون الفلسطيني‎、英語: Palestinian law)では、パレスチナ国の法制度の概要について論じる。

概要

パレスチナ国の統治機構は、暫定的憲法と位置付けられる基本法(パレスチナ基本法)が定めている。基本法は、立法行政司法をそれぞれ別の国家機関が担う三権分立とした上、各国家機関が法の支配の下にあるとしている。そして、主権は国民にあるとし、立法評議会を構成する132名の議員と行政の長である大統領国民の選挙によって決める民主主義システムを採っている[1]。また、裁判所としては、2013年の時点で、8つの第一審裁判所、3つの控訴裁判所、1つの破棄院のほか、宗教・家庭裁判所が設置されている[2]

パレスチナ基本法4条は、その国教イスラム教であるとした上で、イスラム法(シャリーア)の原理がパレスチナにおける主な法源であると定めている。だが、パレスチナはオスマン帝国イギリスなど様々な帝国の支配を受けてきた歴史があるため、現状のパレスチナ法の実態は幾重もの法律慣習法が重なり合った複雑なものと理解される。そのため、法的な予見可能性・透明性は低い状態にあり、これをどのように整理していくかが法整備上の課題とされている[2][3][4]

脚注

  1. ^ 横田貴之「パレスチナ政治を読み解く鍵(2)―基本法から読む政治制度」
  2. ^ a b Jamil Salem, Ilona-Margarita Stettner ‘Informal Justice in the Palestinian Legal System – Conflict or Coexistence between Legal Orders?’
  3. ^ http://www.vub.ac.be/IERE/backup/fmilh.html
  4. ^ Tobias Kelly ‘ACCESS TO JUSTICE: THE PALESTINIAN LEGAL SYSTEM AND THE FRAGMENTATION OF COERCIVE POWER’

関連項目

外部リンク

  • Palestine Basic Law - パレスチナ基本法やその改正案の英訳。同法は、パレスチナ国の暫定的憲法と位置付けられている。
  • 駐日パレスチナ常駐代表部「投資の始め方」
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