プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館

プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館
プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館の位置(カリフォルニア州内)
プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館
カリフォルニア州内の位置
施設情報
専門分野 航空機
開館 1957年
所在地 カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡チノ
アリゾナ州ココニノ郡ヴェイル
位置 北緯33度58分53秒 西経117度38分23秒 / 北緯33.981388888889度 西経117.63972222222度 / 33.981388888889; -117.63972222222座標: 北緯33度58分53秒 西経117度38分23秒 / 北緯33.981388888889度 西経117.63972222222度 / 33.981388888889; -117.63972222222
プロジェクト:GLAM
テンプレートを表示

プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館(プレーンズ・オブ・フェイムこうくうはくぶつかん、Planes of Fame Air Museum)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡チノ[1][2][3]およびアリゾナ州ココニノ郡ヴェイル[4]にある航空博物館1957年に開館した。

歴史

1957年1月12日、エドワード・トーマス・マロニーが貴重な歴史的航空機を保護するための施設としてカリフォルニア州クレアモントに設立した[3]。設立時の名称はThe Air Museum。現館長のスティーヴ・ヒントンら少数のボランティアによって航空機を飛行可能な状態に維持していた。

1962年、オンタリオ国際空港の敷地内に移転[5]。1970年、空港の拡張工事に伴い博物館は再度移転。静態展示機はブエナパークナッツベリーファーム近くにあるMovie World: Cars of the Stars and Planes of Fame Museumに移動し、飛行可能機はチノ空港に移設された[5]。チノ空港にはかつてアメリカ陸軍航空軍の訓練部隊が所在しており、約1万人の兵士がパイロット訓練を受けた。

1973年のMovie World閉館に伴い、所蔵機は全てチノ空港に移され名称も現在のプレーンズ・オブ・フェイムとなった[5]

1995年、コレクションの増加に伴いアリゾナ州ヴェイルに別館が建設された。

2004年から2008年にかけてコレクションの充実が図られ、朝鮮戦争期以降のジェット機も展示されるようになった。

展示機

第2次世界大戦期の日本軍機のコレクションがよく知られている。特に有名な収蔵品として、1944年にサイパン島鹵獲され、現在まで飛行可能な状態を保っている零式艦上戦闘機五二型61-120号機がある。これ以外にも一式陸上攻撃機九九式艦上爆撃機、雷電、彗星、桜花、秋水などを収蔵・展示している。また2024年現在知覧特攻平和会館に展示されている四式戦闘機は元々この博物館の所有機だった。

ギャラリー

・機体名表記は公式サイトに準拠。

  • A6M5 零式艦上戦闘機五二型 製造番号 中島第5357号、尾翼番号 61-120。唯一栄エンジン[6]を搭載して飛行できる零戦。
    A6M5 零式艦上戦闘機五二型
    製造番号 中島第5357号、尾翼番号 61-120。唯一栄エンジン[6]を搭載して飛行できる零戦。
  • J2M3 雷電二一型 製造番号 三菱第3014号、尾翼番号 81-124であるが、現在尾翼番号はヨD-1158の塗装となっている。
    J2M3 雷電二一型
    製造番号 三菱第3014号、尾翼番号 81-124であるが、現在尾翼番号はヨD-1158の塗装となっている。
  • J8M1 秋水 製造番号 三菱第403号。
    J8M1 秋水
    製造番号 三菱第403号。
  • D3A2 九九式艦上爆撃機二二型 番号など詳細は不明。現在飛行可能な状態へ向けて復元作業中。
    D3A2 九九式艦上爆撃機二二型
    番号など詳細は不明。現在飛行可能な状態へ向けて復元作業中。
  • G4M1 一式陸上攻撃機一一型 製造番号 三菱第1280号、尾翼番号 ?-321。
    G4M1 一式陸上攻撃機一一型
    製造番号 三菱第1280号、尾翼番号 ?-321。
  • MXY7 桜花一一型 製造番号 空技廠1049号。
    MXY7 桜花一一型
    製造番号 空技廠1049号。
  • F4U-1A 製造番号 3884、機体番号 17799。現存する飛行可能なF4Uの中で最も初期に生産された機体である。
    F4U-1A
    製造番号 3884、機体番号 17799。現存する飛行可能なF4Uの中で最も初期に生産された機体である。
  • F7F-3N 製造番号 C.124、機体番号 80382。
    F7F-3N
    製造番号 C.124、機体番号 80382。
  • F9F-5P 機体番号 126277。
    F9F-5P
    機体番号 126277。
  • FJ-3 製造番号 VF-73。
    FJ-3
    製造番号 VF-73。
  • SNJ-5 製造番号 88-18068。当初はAT-6D・42-86287号機として製造され陸軍に納入されたが、すぐSNJ-5・90790号機として海軍へ移管された。
    SNJ-5
    製造番号 88-18068。当初はAT-6D・42-86287号機として製造され陸軍に納入されたが、すぐSNJ-5・90790号機として海軍へ移管された。
  • J2F-6 機体番号 33594。
    J2F-6
    機体番号 33594。
  • P-12E 機体番号 32-017。
    P-12E
    機体番号 32-017。
  • P-26A-BO 製造番号 1899、機体番号 33-123。
    P-26A-BO
    製造番号 1899、機体番号 33-123。
  • P-38J-20-LO 製造番号 4318、機体番号 44-23314。愛称は23 スキドゥー(23 Skidoo)。
    P-38J-20-LO
    製造番号 4318、機体番号 44-23314。愛称は23 スキドゥー(23 Skidoo)。
  • P-39N-5-BE 機体番号 42-19027。
    P-39N-5-BE
    機体番号 42-19027。
  • P-40N-30-CU 製造番号 28954、機体番号 42-105192。
    P-40N-30-CU
    製造番号 28954、機体番号 42-105192。
  • P-51A-10-NA 製造番号 99-22354、機体番号 43-6251。愛称はミセス ヴァージニア(Mrs. Varginia)。
    P-51A-10-NA
    製造番号 99-22354、機体番号 43-6251。愛称はミセス ヴァージニア(Mrs. Varginia)。
  • P-51D-25-NT 製造番号 122-39504、機体番号 44-84961だが、かつて一度墜落する前は44-73053で、レースに出場していた。愛称はウィー・ウィリーII(Wee Willy II)。
    P-51D-25-NT
    製造番号 122-39504、機体番号 44-84961だが、かつて一度墜落する前は44-73053で、レースに出場していた。愛称はウィー・ウィリーII(Wee Willy II)。
  • P-51D-30-NT 製造番号 124-48335、尾翼番号 45-11582だが機体は44-72861の塗装がされている。愛称はドリー(Dolly)。
    P-51D-30-NT
    製造番号 124-48335、尾翼番号 45-11582だが機体は44-72861の塗装がされている。愛称はドリー(Dolly)。
  • YP-59A-BE 製造番号 27-10、機体番号 42-108777。
    YP-59A-BE
    製造番号 27-10、機体番号 42-108777。
  • P-80A-5-LO 製造番号 080-1511、機体番号 44-85488。
    P-80A-5-LO
    製造番号 080-1511、機体番号 44-85488。
  • F-84F-5-RE 機体番号 51-1374。
    F-84F-5-RE
    機体番号 51-1374。
  • RF-84K-17-RE 機体番号 52-7265。
    RF-84K-17-RE
    機体番号 52-7265。
  • F-86F-30-NA 製造番号 191-708、機体番号 52-5012.
    F-86F-30-NA
    製造番号 191-708、機体番号 52-5012.
  • F-86E-15-NA 製造番号 172-358、機体番号 51-13067.
    F-86E-15-NA
    製造番号 172-358、機体番号 51-13067.
  • QF-86H-10-NH 製造番号 203-123、機体番号 53-1351。
    QF-86H-10-NH
    製造番号 203-123、機体番号 53-1351。
  • QF-100D-70-NA 製造番号 235-239、機体番号 56-3141。
    QF-100D-70-NA
    製造番号 235-239、機体番号 56-3141。
  • F-104G 機体番号 683-9140。
    F-104G
    機体番号 683-9140。
  • B-17G-90-DL 製造番号 32325、機体番号 44-83684。愛称はピカディリー・リリーII(Piccadilly Lilly II)。現在は屋外展示による劣化の修復と、飛行可能な状態へするための修理を受けている。
    B-17G-90-DL
    製造番号 32325、機体番号 44-83684。愛称はピカディリー・リリーII(Piccadilly Lilly II)。現在は屋外展示による劣化の修復と、飛行可能な状態へするための修理を受けている。
  • B-25J-25/27-NA 製造番号 108-33698、機体番号 44-30423。
    B-25J-25/27-NA
    製造番号 108-33698、機体番号 44-30423。
  • B-50A-5-BO 製造番号 15730、機体番号 46-0010。愛称はラッキー・レディーII(Lucky Lady II)。現在は胴体のみ保存されている
    B-50A-5-BO
    製造番号 15730、機体番号 46-0010。愛称はラッキー・レディーII(Lucky Lady II)。現在は胴体のみ保存されている
  • AT-12 製造番号 483-38、機体番号 41-17529。
    AT-12
    製造番号 483-38、機体番号 41-17529。
  • CT-133/T-33A 機体番号 580-8495。
    CT-133/T-33A
    機体番号 580-8495。
  • OV-1A 機体番号 59-2604。
    OV-1A
    機体番号 59-2604。
  • N9MB 製造番号 04。2019年4月22日に墜落し、失われた。
    N9MB
    製造番号 04。2019年4月22日に墜落し、失われた。
  • X-2 レプリカ。
    X-2
    レプリカ。
  • スピットファイア PR Mk.XIX 製造番号 PS890。
  • ミーティア F Mk.IV 製造番号 VT260。
    ミーティア F Mk.IV
    製造番号 VT260。
  • DH.100 FB Mk.VI 製造番号 638。
    DH.100 FB Mk.VI
    製造番号 638。
  • Bf 109E-7 製造番号 3523。当初E-1で製造されたが、完成前にE-7へと改められた。現在は修復中。
    Bf 109E-7
    製造番号 3523。当初E-1で製造されたが、完成前にE-7へと改められた。現在は修復中。
  • He 100D-1 レプリカ。
    He 100D-1
    レプリカ。
  • He 162A-2 製造番号 120077。
    He 162A-2
    製造番号 120077。
  • HA-1112-M1L 製造番号 120、機体番号 C.4K-77。
    HA-1112-M1L
    製造番号 120、機体番号 C.4K-77。
  • MiG-15 機体番号 910-51。
    MiG-15
    機体番号 910-51。
  • Lim-5 機体番号 1C-1529。
    Lim-5
    機体番号 1C-1529。
  • Lim-5 機体番号 1C-1617。
    Lim-5
    機体番号 1C-1617。
  • Yak-18 番号など詳細は不明。
    Yak-18
    番号など詳細は不明。

展示飛行

1ヶ月に1度、特定のテーマ[1](第一次大戦期の航空機、朝鮮戦争の航空機、実験機など)を設定して小規模なエアショーを実施している。このエアショーはテーマに応じた航空機に関わる人物(パイロットなど)のセミナーから始まり、その後航空機2、3機によるデモフライトが実施される[7]

また隔年で西海岸最大のエアショーも開催されており、その際には上記の零戦など貴重な航空機の展示飛行が実施される[8]

脚注

  1. ^ a b Flight Journal, Aces of the Red Star at Planes of Fame Air Museum, Aviation in the Movies, February 2, 2008 - Chino, California, Retrieved March 5, 2011.
  2. ^ World War II Museums, Planes of Fame Air Museum, Retrieved March 5, 2011.
  3. ^ a b Exploring The Air Museum - Planes of Fame Chino, Warbird Alley, California, Retrieved March 5, 2011.
  4. ^ Planes of Fame Air Museum, AviationMuseum.eu, Retrieved March 5, 2011.
  5. ^ a b c Mormillo 1983, p. 58.
  6. ^ 元々は運用当時と同じく栄二一型を搭載していたが、劣化の為整備可能な良好な状態の三一甲型に換装された。
  7. ^ “Events Calendar”. Planes Of Fame. 2013年7月15日閲覧。
  8. ^ “Air Show 2013 Recap”. Planes Of Fame. 2013年7月15日閲覧。

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館に関連するカテゴリがあります。
  • 公式サイト
  • Racing Planes of Fame: A visit to the Planes of Fame Air Museum
  • Pacific Wrecks Database listing
  • Planes of Fame Air Museum - YouTube
現代兵器博物館
東アジア
日本の旗 日本
中華民国の旗 中華民国
中華人民共和国の旗 中国
香港の旗 香港
  • 香港海防博物館
大韓民国の旗 韓国
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
モンゴルの旗 モンゴル
  • ハルハ・ゴル村郷土博物館
東南アジア
タイ王国の旗 タイ
 ベトナム
カンボジアの旗 カンボジア
  • シェムリアップ戦争博物館
ラオスの旗 ラオス
  • ラオス軍事博物館
インドネシアの旗 インドネシア
  • サトリアマンダラ博物館
フィリピンの旗 フィリピン
  • ビラ エスクデロ プランテーション&リゾート
マレーシアの旗 マレーシア
  • マレーシア警察博物館
南アジア
インドの旗 インド
中東
イスラエルの旗 イスラエル
イランの旗 イラン
  • サアダーバード宮殿博物館
アフリカ
 エジプト
  • エル・アラメイン軍事博物館
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
  • 南アフリカ軍事歴史博物館
西欧
イギリスの旗 イギリス
フランスの旗 フランス
ベルギーの旗 ベルギー
  • ブリュッセル戦車博物館
  • ベルギー王立陸軍軍事歴史博物館
オランダの旗 オランダ
ドイツの旗 ドイツ
 オーストリア
スイスの旗 スイス
南欧
イタリアの旗 イタリア
スペインの旗 スペイン
  • ムンジュイック城
東欧
ロシアの旗 ロシア
 ベラルーシ
  • ミンスク大祖国戦争博物館
ポーランドの旗 ポーランド
  • ワルシャワ軍事博物館
  • ドゥクラ峠博物館
 チェコ
  • レシャニー軍事技術博物館
  • シジュコフ陸軍博物館
  • クベリ航空博物館
 ハンガリー
  • 軍事歴史博物館
セルビアの旗 セルビア
  • 航空博物館
北欧
 フィンランド
 スウェーデン
 ノルウェー
北米
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カナダの旗 カナダ
  • カナダ戦争博物館
  • ボーデン軍事博物館
  • カナダ航空宇宙博物館
  • 北大西洋航空博物館
  • 国立空軍博物館
  • 西部カナダ王立航空博物館
南米
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
  • 海軍航空博物館
ブラジルの旗 ブラジル
  • リオデジャネイロ航空宇宙博物館
 コロンビア
  • コロンビア航空宇宙博物館
 チリ
  • 国立航空宇宙博物館
オセアニア
オーストラリアの旗 オーストラリア
ニュージーランドの旗 ニュージーランド
グアムの旗 グアム
  • グアム戦争博物館
パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア
  • パプアニューギニア国立博物館
  • ココポ戦争博物館
  • コーストウォッチャーズ戦争記念館