ポッポの丘

ポッポの丘

地図
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施設情報
正式名称 ポッポの丘
専門分野 鉄道車両
館長 村石愛二
管理運営 有限会社ポッポの丘
法人番号:6040002102710)
開館 2011年5月1日[1]
所在地 298-0135
千葉県いすみ市作田1298
位置 北緯35度17分54秒 東経140度16分35秒 / 北緯35.29836度 東経140.27647度 / 35.29836; 140.27647座標: 北緯35度17分54秒 東経140度16分35秒 / 北緯35.29836度 東経140.27647度 / 35.29836; 140.27647
外部リンク www.popponooka.com ウィキデータを編集
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ポッポの丘(ポッポのおか)は、有限会社ポッポの丘(旧・村石養鶏場)が運営する千葉県いすみ市にある鉄道車両保存施設である。

概要

ポッポの丘は「鉄道車両保存施設」として、肉用牛を飼育する牛舎の建設予定地を転用して開設された。

有限会社ポッポの丘(旧有限会社村石養鶏場)は1948年(昭和23年)に神奈川・川崎市で創業、1968年(昭和43年)に現在地である温暖な房総地方に移転した。

2010年(平成22年)8月、当時のいすみ鉄道社長である鳥塚亮から、「鉄道車両を200万円で買わないか」と打診があり、「自動車を買う感覚で」購入したのが開園のきっかけとなったという[2]

創業から70年近くが経過した2019年(令和元年)11月15日、運営元は「台風15号の被害もあり庭先たまごの養鶏事業を撤退」することを発表した。

以後、地元地域の協力養鶏場が生産した卵を販売する業態に転換した。

2020年(令和2年)3月5日、園内の車両配置の移動を行い、新たに長野電鉄モハ1003形が搬入のうえ、車両基地のような横並びの配置に変更した。左側から「銚子電鉄デハ701形・長電モハ1003形・国鉄キハ38形」の配置となった。同年4月には国鉄クモニ83と国鉄103系が搬入された。また、3月20日からは駐車料金でバイク1台500円、乗用車1台1000円(車1台の乗車人員は問わない)を徴収し始めた。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、同年4月から7月11日まで営業を自粛した。

2023年11月より入場料が徴収され、中学生以上1人500円が必要となった。なお、車での来場の場合は駐車料金に大人1人分の入場料金が含まれている。

営業

  • 住所:〒298-0135 千葉県いすみ市作田1298
  • 営業時間は、金・土・日・月・祝の10:00 - 16:00(15:40頃から園内に蛍の光が流れる)。悪天候の日は臨時休業する日もある。
  • 卵かけご飯、カレーなどの軽食の営業時間は、11:00 - 15:00(ラストオーダー14:30)。ラストオーダー以降はソフトクリーム、かき氷程度の提供のみ。また、ご飯が売り切れた時も同様にソフトクリーム、かき氷程度のみ提供となる。

特徴

  • 一部の展示車両には自由に入れる。
  • 「直売所」では鶏卵(いすみのご近所農場のたまごの詰め放題のほか、地元の農産物プラレールトミカ、鉄道グッズなどの販売を行っている。
  • 「カフェTKG」ではコーヒーや卵かけご飯、ソフトクリームやかき氷などが楽しめる。いすみ鉄道いすみ204形、北陸鉄道モハ3752形の車内、広場のベンチで飲食は可能。その他の車両は保存維持のため食事や食べ物の持ち込みは禁止している。他にも、敷地内には飲料の自動販売機も設置されている。
  • 貨車移動機の牽引する車掌車に体験乗車することが可能。一時期機関車の故障のため中止されていたが、現在はヨ8000形車掌車1両を牽引しながら運行している[3][4]
  • ブルートレイン(国鉄24系客車)も車内が公開されている。ちなみにオハネフとオロネの室内灯、オハネフとオロネの車内放送装置と電子チャイム(ハイケンスのセレナーデ)は稼働するように整備されており、過去に録音された実際の車内放送をエンドレスで放送している。なお電子チャイムは元尾久客車区所属の北斗星用客車で使われていたオルゴールとのこと。
  • 「鶏卵牧場」には競走馬として走り、競走馬引退後は警視庁騎馬隊で活躍した「ハヤテ(競走馬名:グランスクセー)」という名前のサラブレッドが2015年から2019年まで繋養されていた。「ハヤテ」は2019年以降は御宿町内のマーサファームで繋養されている。
  • かつて使われていた踏切の警報器も設置されており、実際に装置を稼働させることもできる。
  • 国鉄時代の貴重な食堂車である国鉄583系電車サシ581-31は、旧国鉄時代に廃車されたのち青森県の個人が買い取りそのまま保管されていたが、ポッポの丘のオーナーが解体寸前となっていたことを聞きつけ、急遽クラウドファンディングを実施して輸送費用を工面し[5][6]、2024年3月21日に無事現地へと運び込まれた[7]。当初は2023年内に移送する計画であったが許認可に手間取ったこと、冬季に跨ることもあり安全を考慮して延期された。

展示車両

私鉄

  • 銚子電気鉄道デハ700形 デハ701、702(1928年製)
  • いすみ鉄道いすみ200型 いすみ204(1988年製)
  • 千葉都市モノレール1000形電車 1003、1004(1987年製)
  • 営団地下鉄丸ノ内線400形 454(1956年製) - もとは都内の幼稚園で保存されていた。片側運転席で汽笛の吹鳴体験可能。
  • 京急1000形 (初代) デハ1052(1959年~1978年の間に製造。カットボディ) - ポッポの丘に保存されるまでの経緯は、京急1000形電車 (初代)#保存車を参照。公式団体としてデハ1052保存会が存在し、公式サイトやツイッターのアカウントも個別に所有する。
  • 大山ケーブルカーたんざわ号(1965年製) - 台車がなく車体のみ。車体の構造上の関係で、急斜面に据え置く形で展示。
  • 長野電鉄モハ1000形(1949年 日本車輌東京支店製造。カットボディ) - 運輸省規格型電車として製造。1985年(昭和60年)引退後は小布施駅および信濃川田駅で保存。2019年(平成31年)3月一部解体のうえ7mのカットボディとなり2020年(令和2年)3月に搬出、同月6日に搬入され、同月中旬にはりんご色のカラーに修復されている。なお運輸省規格型の車両は、2020年時点で日本国内には2両しか保存されていない。
  • 北陸鉄道モハ3750形 モハ3752(1951年製)
  • 万葉線デ7000形 デ7052(1961年製)
  • アメリカJ・G・ブリル社鍛造軸ばね式2軸ボギー台車(Brill76E1. 軸距1,437㎜ 1920年製) - 京王電気軌道23形電車に装置。1938年(昭和13年)広島瓦斯電軌に譲渡され広島電鉄700形電車 (初代)の台車となる。1945年(昭和20年)8月6日広島への原子爆弾投下に遭遇。1948年(昭和23年)~1950年(昭和25年)頃、広電初代700形に装置。1972年(昭和47年)~1980年(昭和55年)廃車。2012年(平成24年)12月移設。原爆で被爆した大変貴重な台車である。
  • 箱根登山鉄道モハ2形電車 モハ110 - 2017年5月上旬~2018年3月末まで期間限定公開された。

国鉄・JR

  • 国鉄クモニ83形電車 クモニ83006(1946年製、1968年改造) - 数奇な経歴を持つ車両で、モハ72形として製造され1968年に現形式へ改造し1987年廃車。その後鉄道総研の実験用車両としての使用を経て、2008年に東芝に譲渡され、府中事業所で鉄道技術試験用牽引車として使用されていた。
  • 国鉄103系電車 クハ103-525(1966年製) - 京浜東北線用に投入されたグループの一両で、国鉄民営化以降はJR東日本に承継され、末期は南武線で使用されていた。1996年の廃車後は東芝に譲渡されたため、方向幕に「東芝府中」の文字を掲示している。
  • 国鉄113系電車 クハ111-1072(1973年製。カットボディ)、クハ111-2152(1981年製。カットボディ)
  • 国鉄183系電車 クハ183-21(1972年製。カットボディ)、クハ183-1527(1978年製)
  • 国鉄キハ38形気動車 キハ38 1(1986年製) - 1966年製のキハ35 152を、大宮工場で改造したという名義だが、車体は新製されている。2020年7月下旬より警笛吹鳴、ブレーキ操作、ワイパー操作ができるようになり、主に土日にボランティアによる警笛吹鳴体験(有料)が行われている。
  • 国鉄DE10形ディーゼル機関車 DE10 30(1968年製) - 船の科学館、青函連絡船羊蹄丸内で保存されていたものを移設。その時点でエンジンは下ろされている。青函連絡船の貨物の入換にも運用で入っていた。移設後は年に数回、特に三連休でボランティアによる警笛鳴らし体験が行われる。
  • 国鉄24系客車 オロネ24 2、オハネフ24 2(1973年製) - ともに、寝台特急「日本海」の最終運用に入った車両。
  • 国鉄583系電車 サシ581-31(1970年ごろ製) - 食堂車として使われた車両で、車体は腐食が目立つが車内を含めほぼ原形を留めている。当面は展示のみで、車内は一部のクラウドファンディング支援者を除き非公開だが、必要な修繕が済み次第、イートインスペースとして開放する予定。

動態保存

  • 北陸鉄道モハ3752
    北陸鉄道モハ3752
  • 万葉線デ7052
    万葉線デ7052
  • 銚子電鉄デハ701
    銚子電鉄デハ701
  • 銚子電鉄デハ702
    銚子電鉄デハ702
  • 営団地下鉄丸ノ内線454
    営団地下鉄丸ノ内線454
  • キハ38 1
    キハ38 1
  • 千葉都市モノレール1003、1004
    千葉都市モノレール1003、1004
  • DE10 30、オロネ24 2
    DE10 30、オロネ24 2
  • クハ183-21 クハ183-1527
    クハ183-21
    クハ183-1527
  • クハ111-1072 クハ111-2152
    クハ111-1072
    クハ111-2152
  • 大山ケーブルカー丹沢号
    大山ケーブルカー丹沢号

アクセス

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 「千葉県いすみ市に「いすみポッポの丘」開業」『RMニュース - 鉄道ホスピタス』2011年5月19日。 
  2. ^ YASCORN「千葉「ポッポの丘」、私設鉄博は養鶏場だった」『東洋経済』2017年11月3日。 
  3. ^ “お陰様で大勢のお客様にお出で頂きました。感謝!!”. ポッポの丘ブログ (2020年9月23日). 2020年11月16日閲覧。
  4. ^ “10t入換動車の故障と車掌車編成の運転休止のお知らせ”. ポッポの丘ブログ (2020年10月7日). 2020年11月16日閲覧。
  5. ^ “解体の危機!稀少なサシ581電車食堂車を救い出し、ポッポの丘へ - クラウドファンディング READYFOR”. readyfor.jp. 2023年6月23日閲覧。
  6. ^ “思い出の583系食堂車「サシ581」 現存車が青森から千葉へ”. NHK千葉放送局 (2023年11月1日). 2024年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月18日閲覧。
  7. ^ “【583系サシ581-31電車食堂車の展示開始日について】”. ポッポの丘 (2024年3月21日). 2024年4月8日閲覧。
  8. ^ a b c d e “アクセス”. ポッポの丘. 2020年10月3日閲覧。

外部リンク

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