ヤマラッキョウ

ヤマラッキョウ
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
: ネギ属 Allium
: ヤマラッキョウ
A. thunbergii
学名
Allium thunbergii G.Don[2]
シノニム
和名
ヤマラッキョウ(山辣韭)[4]
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ヤマラッキョウ(山辣韭、学名:Allium thunbergii)は、ヒガンバナ科ネギ属多年草[5]

ニラの臭いは弱い[3][4]。冬季には地上部は枯れて姿を消し[3][6]、地下の鱗茎だけが越冬する[6]

特徴

地下の鱗茎は狭卵形で、長さ2 - 3センチメートル(cm)になり、外皮は灰白色で、ときに古い外皮は繊維状に残る。は、春に3 - 5個が根出状に出て、長さ20 - 50 cm、幅2 - 5ミリメートル(mm)になり、広線形で、断面は鈍三角形で中は中空、下部は葉鞘となる[3][4][5][6]

花期は9 - 11月。花茎は高さ30 - 60 cmになり、茎先に多数のが束生し、径3 - 4 cmの球状の散形花序になる。花柄は長さ10 - 15 mmになり、同属のラッキョウ A. chinense と比べると花柄は短く、花序は混み合ってみえる。花被片は離生し、6個あって平開せず、紅紫色をし、楕円形から長楕円形で長さ5 - 6 mmになる。雄蕊は6個あり、花糸は花より著しく長く突出し、花糸基部に歯牙はあるがラッキョウほど大きくはない。葯も紫色になる。花柱も細長く花から突き出る。子房は下位で3室あり、花後、倒心形の蒴果となる。蒴果は径5 mmになり、3稜あって胞背裂開し、種子は黒色になる[3][4][5][6]

分布と生育環境

日本では、本州(秋田県以南)、四国、九州に分布し、山地の草原に生育する[5]。世界では朝鮮半島中国大陸台湾に分布する[5]

名前の由来

和名ヤマラッキョウは、「山辣韭」の意で、「山に生えるラッキョウ」の意味である[3]

種小名(種形容語)thunbergii は、スウェーデンの植物学者、カール・ツンベルクへの献名[3]

下位分類

利用

地上部が枯れる前に鱗茎を掘り起こし、きれいに水洗いし、軽くゆでて、甘酢酢味噌で食べる。春から秋までの軟らかい葉は、天ぷら油炒め、麺類の薬味にする[6]

ギャラリー

  • 花糸が花被から突出する。
    花糸が花被から突出する。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Rhodes, L. & Maxted, N. (2016). Allium thunbergii. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T20666626A20694846. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T20666626A20694846.en Downloaded on 05 January 2019.
  2. ^ ヤマラッキョウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e f g 『新牧野日本植物圖鑑』p.855, p.1350
  4. ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.259
  5. ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物 1』p.241
  6. ^ a b c d e 『食べられる野生植物大事典(草本・木本・シダ)』pp.90-91
  7. ^ シロバナヤマラッキョウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献

  • 橋本郁三著『食べられる野生植物大事典(草本・木本・シダ)』、2007年、柏書房
  • 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』、2015年、平凡社
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
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