台中市役所

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曖昧さ回避 この項目では、台湾の台中市西区にある初代市庁舎について説明しています。戦後の台湾省台中市政府として使われた建築物については「台中州庁」を、現在の市政府組織・庁舎については「台中市政府(中国語版)」をご覧ください。
台中市役所
情報
旧名称 台中庁公共埤圳聯合会事務所
用途 カフェ、アートスペース
旧用途 市役所庁舎、市政府庁舎
設計者 台中州土木課
事業主体 台中市政府文化局
管理運営 古典玫瑰園文創公司
構造形式 鉄筋コンクリート
建築面積 424.5 m²
延床面積 911.48 m²
階数 3
着工 1910年
竣工 1911年
改築 1921年
所在地 403
中華民国の旗 台湾台中市西区民権路97号
位置 北緯24度08分18.38秒 東経120度40分44.65秒 / 北緯24.1384389度 東経120.6790694度 / 24.1384389; 120.6790694座標: 北緯24度08分18.38秒 東経120度40分44.65秒 / 北緯24.1384389度 東経120.6790694度 / 24.1384389; 120.6790694
特記事項 台中市の市定歴史建築
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台中市役所
中華民国の旗 中華民国 文化資産
日本統治時代の市役所
台中市役所の位置(台湾内)
台中市役所

登録名称臺中市役所
その他の呼称台中廳公共埤圳聯合會事務所
台中故事館
種類衙署(官公署
等級台中市歴史建築
位置中華民国の旗 台湾台中市西区民権路97号
建設年代大日本帝国の旗 明治44年(1911年)
開放年代10:00 - 21:00
観覧費無料
ウェブサイト#外部リンク参照

台中市役所(たいちゅうしやくしょ)は台湾台中市西区にある辰野式のバロック建築様式による建築物。1911年に台中地区で最初の鉄筋コンクリート建築として落成、「台中庁公共埤圳聯合会事務所」として使われ、1920年9月1日廃庁置州に伴い台中州台中市 (州轄市)(中国語版)となってからは市役所となり、翌年に増築工事も竣工した。現存している建物はこのときのものを引き継いでいる。以降は初代台中市尹(現在の台中市長に相当)の金子恵教の弁公室(執務室)として使われた。

1945年台湾光復後、市政府は元台中州庁庁舎に移ったために、旧台中市役所は様々な用途で使われ、文化財として登録後に修復作業が進められた。日本統治時代に由来するため文化資産上の名義も「市役所」のままである。(中国語では「市政府」)

市役所裏には公設質舖倉庫(公益質屋)として建造された、同じく辰野式の2階建ての建物3棟があり、総督府鉄道部台北鉄道工務課の技師だった中村與松がデザインした当時の台中市章があしらわれている。戦後は台中市選挙委員会、市政府主計処、市政府環境保護局環境検査大隊(繁体字中国語: 環境稽查大隊)などが使用していた。 現在は修復が完了し、2016年からは両方の建物の間にガラス張りのエントランスが設けられ、古典玫瑰園(ローズハウス)が運営するカフェ(CAFE1911)とアートスペースに、公設質舗も「昭和沙龍(昭和サロン)」という飲食店として再利用されている。

沿革

  • 1910年(明治43年):起工
  • 1911年(明治44年):現在地に完工。市役所前身の組織で1908年設立の「台中庁公共埤圳聯合会事務所」として使用された。周辺は台中州庁、台中女中(中国語版)、郡役所など公共施設が多く、台中駅からもさほど離れていなかった。
  • 1920年(昭和20年):台中州台中市の市庁舎(「台中市役所」)として使われることになり、翌年まで増築工事がなされる。
  • 1945年:日本の敗戦により中華民国政府が接収。市役所組織を受け継いだ「台中市政府」は台中州庁に移転。その後「台湾省政府日産処理委員会台中弁事処」、「陸軍第54軍司令部」「台中市二二八事件処理委員会」などが使用する。
  • 1972年:「中国国民党台中市党支部」となる。
  • 1986年:党支部が移転し、台中市政府に権利が戻る。「台中市政資料館」「計画室延展股」、「台中市政府新聞室」、「台中市政府社会局」と用途が変遷していく。
  • 1999年9月21日921地震により建物が損壊
  • 2000年:「台中市政府交通旅遊局」が入居。
  • 2002年7月1日 - 台中市政府文化局が市定歴史建築登録を公告。
  • 2003年11月20日:第1期修復事業着手[1]
  • 2004年11月:修復事業竣工。
  • 2005年:「台中故事館」として市民の文物故事をテーマにした展示スペースとなる。
  • 2012年1月:台中市政府文化局が第2期修復事業着手。
  • 2013年7月:第2期修復事業起工。
  • 2014年
    • 5月:民間運営者を公募[2]
    • 9月:第2期修復事業竣工。
  • 2016年2月27日:公設質舖倉庫とともにリノベーションされて「台中市役所文創園区」として再オープン。1階がカフェと飲食店、2階より上はアートスペース、後方の倉庫はレストランと売店となっている[3][4][5][6]
  • 2017年2月23日:公設質舗倉庫も市定歴史建築登録の公告がなされる[7]

建築特色

日本統治時代の大型官公署建築。完工時は「回」の字型の地上2階建だった。レンガ塀と木造、鋼材、鉄筋コンクリートを組み合わせている[8]。その後増築により「L」字型となる。角にあたる部分は2層吹き抜けのプロスタイル形式で2本の柱が支えるギリシャ建築のプロナオス(pronaos、前室)様式となっている。

妻屋根部分にはカルトューシュ(英語版)(紋章などを記す装飾額用のデザイン[9])が施されている。 屋根は窓つきの小部屋がある古典式のドームになっている。ファサード外観は石膏に赤レンガを積み重ねたイオニア式が採用されている。

  • 台中州庁と台中市役所
    台中州庁と台中市役所
  • 2014年修復前の台中市役所外観
    2014年修復前の台中市役所外観
  • 2014年修復中の台中市役所
    2014年修復中の台中市役所
  • 台中市役所の「oeil de boeuf(牛の目を意味する円形の小窓)」
    台中市役所の「oeil de boeuf(牛の目を意味する円形の小窓)」
  • 元公設質舖、前台中市環保局環境検査大隊庁舎(2014年8月)
    元公設質舖、前台中市環保局環境検査大隊庁舎(2014年8月)

交通

台中州庁#交通を参照

参考文献

  • 《歷史建築簡介 台中市役所》,台中市文化局
  • 歷史建築臺中市役所OT委外可行性評估(摘要版) 2014年1月,台中市政府

出典

  1. ^ (繁体字中国語)副市長視察台中市役所修復工程 關切建築修復細節2004-04-29,台中市政府
  2. ^ (繁体字中国語)公共建設法以OT(營運-移轉)方式供廠商投資開發 台中市政府文化局
  3. ^ (繁体字中国語)〈中部〉台中市役所重開張 餐廳文創迎賓2016-02-23,自由時報
  4. ^ 編集長のニュースに肉迫! 第51回 日本統治時代の建築物、復活ブームの背景2016-04-08,ワイズニュース
  5. ^ 日本統治時代の「台中市役所」をカフェとして利用 日銀本店など手がけた辰野金吾氏の作品=台湾2016-03-03,サーチナ
  6. ^ 日本統治時代の台中市役所、カフェに変身 地域活性化に期待/台湾2016-03-01,フォーカス台湾
  7. ^ (繁体字中国語)百年市徽現原貌!公設質舖倉庫見證臺中當舖史2017-04-19,台中市文化資産処
  8. ^ 《台中市管內概況》,1934年
  9. ^ カルトゥーシュ cartouche コトバンク

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、台中市役所に関連するカテゴリがあります。
  • 臺中市役所 台中市文化資産処 (繁体字中国語)
    • 公設質舖倉庫 台中市文化資産処 (繁体字中国語)
  • 台中市役所 文化部文化資産局国家文化資産網 (繁体字中国語)
  • 古典玫瑰園・台中市役所文創園區 (繁体字中国語)
    • 台中市役所 Taichung Shiyakusho (taichungshiyakusho) - Facebook (繁体字中国語)
  • 台中市役所台中観光旅遊網 (日本語)
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