姉川地震

座標: 北緯35度24分 東経136度18分 / 北緯35.4度 東経136.3度 / 35.4; 136.3 姉川地震(あねがわじしん)は、1909年8月14日15時31分、滋賀県北東部の姉川付近(北緯35度24分 東経136度18分 / 北緯35.4度 東経136.3度 / 35.4; 136.3[1])を震源として発生したM6.8の内陸直下型地震滋賀県岐阜県を中心に被害が及んだ。そのため、旧国名の近江国美濃国を取って江濃地震(こうのうじしん)とも呼ばれる。

概説

滋賀県から福井県にかけて、北北西方向にのびる柳ヶ瀬断層が活動したと考えられている。 現在の滋賀県長浜市で最大の震度6、滋賀県内全域で震度5から震度4を記録した。東北地方南部から九州地方の一部にかけての広い範囲で有感地震が観測され、被害は滋賀県と岐阜県に及んだ。

被害

滋賀岐阜両県の被害[2]
地域 死者 重傷 軽傷 家屋全壊 家屋半壊
滋賀県 35 115 528 972 2367
岐阜県 6 18 123 6 77
41 133 651 978 2444

直下型地震であったため、被害は震源に近い滋賀県と岐阜県に生じ、特に大きな被害は滋賀県に集中したが、その中でも大きな被害を出したのが東浅井郡虎姫村(旧・東浅井郡虎姫町、現・長浜市)で、人的被害は死者17名、負傷者53名。さらに、全戸数991戸のうち全壊284戸、半壊518戸を出している。

ほかに山崩れ70箇所であった。また、伊吹山の斜面の一部が崩落。姉川河口の川底が数十m沈降し、琵琶湖では高さ1.8mの波が押し寄せた。三角洲でも6個の穴から泥水が2.5m噴出するなどの地変が観測された。

被害の大きかった滋賀県の現・長浜市周辺では全半壊率が9割に達する地域が存在したが、数百m離れた別の集落において全く被害の発生状況が異なるという報告が多数残されている。これは、当該地域(柳ヶ瀬断層の南への延長上)の地盤構造の違いによるもので、「馬の背」状に浅くなっている部分と「馬の背」構造を挟んで北東側と南東側に、すり鉢状の構造が存在している事によるもので、反響した地震波が局所的に増幅された為と考えられている[3]

参考文献

  • [1] 出版社:滋賀縣彦根測候所、著者:滋賀縣彦根測候所/編、出版年:1911年(明治44年)、コンテンツID:0501485 滋賀県立図書館

脚注

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  1. ^ “20世紀前半(1901-1950)”. 日本地震学会. 2023年8月17日閲覧。
  2. ^ 近江国姉川地震報告 明治四十二年八月十四日 滋賀縣彦根測候所 1911年 p.5-27,
  3. ^ 盛川仁、駒澤正夫、澤田純男、土岐憲三、谷本雅敬、姉川地震による被害域の基盤岩構造の推定 地球惑星科学関連学会 1999 年合同大会予稿集 (PDF)

外部リンク

  • 明治四十二年姉川地震調査報告今村 明恒 震災豫防調査會報告. 第70號, 1910.11, p. 1-63
  • 被害地震 彦根地方気象台[リンク切れ]
  • 松山紀香,澤田純男,香川敬生、「姉川地震震害地域と地盤環境 日本地質学会学術大会講演要旨 第98年学術大会(91愛媛), 495, 1991-03-25, doi:10.14863/geosocabst.1991.0_495
  • 岡田篤正、「柳ケ瀬断層南部における第四紀後期の累積変位量と平均変位速度」 活断層研究 2004年 2004巻 24号 p.129-138, doi:10.11462/afr1985.2004.24_129
  • 坂井公俊,盛川仁、「姉川地震による被害地域における重力探査を用いた三次元基盤形状のモデル化」 物理探査 2005年 58巻 4号 p.331-338, doi:10.3124/segj.58.331
1885年以降に日本で発生した主な地震
 
1885年 - 1899年
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2000年 -
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2020年 -
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  • 福島県沖(2021年、M7.3)
  • 宮城県沖(2021年、M6.9)
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  • 福島県沖(2022年、M7.4)
  • 奥能登(2023年、M6.5)
  • 能登半島(2024年、M7.6)
  • 豊後水道(2024年、M6.6)