情報セキュリティスペシャリスト試験

情報セキュリティスペシャリスト試験
英名 Information Security Specialist Examination
略称 SC、セキスペ、セスペ
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 コンピュータ・情報処理
試験形式 筆記
認定団体 経済産業省
認定開始年月日 2009年(平成21年)
認定終了年月日 2016年(平成28年)
根拠法令 情報処理の促進に関する法律
公式サイト https://www.jitec.ipa.go.jp/
特記事項 実施は情報処理技術者試験センターが担当
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情報セキュリティスペシャリスト試験(じょうほうセキュリティスペシャリストしけん、Information Security Specialist Examination、略称セキスペ、略号SC)は、情報処理技術者試験にかつて存在した区分。2016年10月21日の情報処理技術者試験規則改正により廃止された。

廃止前の情報セキュリティスペシャリスト試験合格者は、後継資格の情報処理安全確保支援士RISS)の有資格者となり、支援士制度開始から2年間の経過措置期間に情報処理安全確保支援士登録簿に登録することにより、情報処理安全確保支援士となることができる。

試験制度のスキルレベル4(スキルレベルは1~4が設定されている。)に相当し、高度情報処理技術者試験に含まれた。

概要

情報セキュリティの技術的な専門性を有することを認定する国家試験であった。試験対象者には、情報セキュリティの専門家として、情報システムの開発プロジェクトや運用プロセスにおける技術面の支援および、企業の情報セキュリティ管理の品質を維持・向上する情報セキュリティマネジメントの実践能力も求められた。暗号化技術やサイバー攻撃対策といった情報セキュリティの一般知識に加えて、セキュアプログラミング、ネットワークといった要素技術も問われた。

情報セキュリティ対策の需要と比例する形で試験の人気も上昇傾向が続き、春季・秋季試験いずれにおいても、高度情報処理技術者試験の中で最も受験者数が多かった。

2017年春以降は「情報処理安全確保支援士(RISS)」の試験開始に伴い、情報セキュリティスペシャリスト試験は情報処理技術者試験から情報処理安全確保支援士試験へ移行した[1][2]

沿革

  • 2001年(平成13年)情報セキュリティアドミニストレータ試験(情報セキュアド)が秋期から年一回実施。
    • 利用者側としてのスキルを試験するものとされた。
  • 2006年(平成18年)テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験が春期から年一回実施。
    • 開発者側としてのスキルを試験するものとされた。
  • 2009年(平成21年)両者を統合して春期と秋期の年二回実施。なお、当試験はテクニカルエンジニア試験を母体として、情報セキュアドの範囲を吸収した形となっている。
    • 高度情報処理技術者試験の区分中唯一、年二回実施された。他の区分は春期または秋期の年一回実施。
    • 平成25年春期の受験者に対する合格率は13.1%[3]

試験の難易度

形式

ウィキブックスに情報セキュリティスペシャリスト試験関連の解説書・教科書があります。
午前I

試験時間50分。四肢択一式(マークシート使用)で30問出題され全問解答。他の高度情報処理技術者試験と共通のスキルレベル3相当で、情報セキュリティと関連の薄い「情報化と経営」、「アルゴリズムとプログラミング」等も含む問題が出題される。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前I試験通過となった。基準点に達しなかった場合は不合格で、午前II・午後I・午後IIは採点されなかった。

午前II

試験時間40分。四肢択一式(マークシート使用)で25問出題され全問解答。情報セキュリティネットワーク関連のスキルレベル4相当が中心であるが、「データベース」「開発技術」「サービスマネジメント」のスキルレベル3相当も対象であった。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前II試験通過となった。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後I・午後IIは採点されなかった。

分野ごとの出題比率としては、例年、セキュリティ分野から15問程度、ネットワーク分野から5問程度、その他関連領域から5問程度出題されていた。なお、出題内容に類似性があるネットワークスペシャリスト試験の午前IIで過去に出題されたことのある問題がこの試験で再出題されることが時々あった。

出題範囲については、

午後I

試験時間90分。中規模の問題が3問出題され、2問を選択して解答する。満点の60%を基準点とし、基準点以上で午後I試験通過となった。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後IIは採点されなかった。

3題のうち1題はセキュアプログラミングの問題である。言語C++JavaECMAScriptのいずれかである[4]。言語を選択できる基本情報技術者試験と異なり、受験者はいずれの言語にも対応できなければならない。一般的にプログラミング未経験者がセキュアプログラミングの問題を選択することは推奨されない。そのため、セキュアプログラミングを回避する場合は実質2問が必須解答となる。ECMAScriptは2012年度春期から出題対象となった。2011年度秋期まではPerlが出題対象に含まれていたが削除された。

午後II

試験時間120分。情報漏洩対策、公開鍵基盤アクセス制御などを扱う事例解析問題が2問出題され、1問を選択して解答する。満点の60%を基準点とし、基準点以上で最終的に合格となった。基準点に達しなかった場合は不合格。

科目免除

下記の試験に合格または基準点を得れば2年間、午前Iの科目免除が受けられた。

合格者の特典

その他

区分 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
情報セキュリティアドミニストレータ 186,398 24,796 13.3
テクニカルエンジニア(情報セキュリティ) 46,442 4,904 10.6
情報セキュリティスペシャリスト 300,011 44,201 14.7

統計資料の応募者・受験者・合格者の推移表[3]において、情報セキュリティアドミニストレータ試験およびテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験の数値は本試験に計上されている。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 情報セキュリティスペシャリスト合格者は「情報処理安全確保支援士」試験免除へ - 日経コンピュータ、2016年5月1日閲覧。
  2. ^ “情報処理安全確保支援士制度(案)”. 経済産業省 情報処理振興課 (2016年1月). 2016年6月17日閲覧。
  3. ^ a b 情報処理技術者試験 推移表 (PDF) (IT人材育成センター国家資格・試験部)
  4. ^ 試験形式と合格基準|情報処理安全確保支援士.com

関連項目

外部リンク

  • 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験
    • 平成21年度春期から平成28年度秋期まで(新着情報)
    • 情報セキュリティスペシャリスト試験(SC)(情報処理技術者試験制度 - 制度の概要)
  • デジタル大辞泉『情報セキュリティスペシャリスト試験』 - コトバンク
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現行の試験
スキルレベル1

IP ITパスポート試験 (旧初級システムアドミニストレータ試験の一部)

スキルレベル2

SG 情報セキュリティマネジメント試験  FE 基本情報技術者試験 (旧第二種情報処理技術者試験、旧基本情報情報技術者試験及び初級システムアドミニストレータ試験の統合)

スキルレベル3

AP 応用情報技術者試験 (旧第一種情報処理技術者試験ソフトウェア開発技術者試験

スキルレベル4
(高度情報処理技術者試験)

ST ITストラテジスト試験 (旧システムアナリスト試験、旧上級システムアドミニストレータ試験の統合)
SA システムアーキテクト試験 (旧特種情報処理技術者アプリケーションエンジニア
PM プロジェクトマネージャ試験
NW ネットワークスペシャリスト試験 (旧オンライン情報技術者試験テクニカルエンジニア(ネットワーク)
DB データベーススペシャリスト試験 (旧オンライン情報技術者試験テクニカルエンジニア(データベース)
ES エンベデッドシステムスペシャリスト試験 (旧マイコン応用システムエンジニア試験テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験
SM ITサービスマネージャ試験 (旧システム運用管理エンジニア試験
AU システム監査技術者試験 (旧情報処理システム監査技術者

過去の試験

PE プロダクションエンジニア試験 2000年(平成12年)春期試験まで)
SV テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験 2008年(平成20年)春期試験まで)(現情報処理安全確保支援士試験
SW ソフトウェア開発技術者試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
SU 情報セキュリティアドミニストレータ試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
AN システムアナリスト試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
SD 上級システムアドミニストレータ試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
AD 初級システムアドミニストレータ試験 2009年(平成21年)春期試験まで)
SC 情報セキュリティスペシャリスト試験 2016年(平成28年)秋期試験まで)(現情報処理安全確保支援士試験

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日本商工会議所主催
中央職業能力開発協会認定
文部科学省後援
全国商業高等学校協会主催
全国工業高等学校長協会主催
経済産業省推進資格
マイクロソフト
サーティファイ
その他民間資格
シスコ技術者認定
試験実施団体
IPA
関連分野
情報セキュリティ
プログラミング
表計算
  • 表計算 (情報処理技術者試験)
  • マクロ
コンピュータシステム
ITマネジメント
関連項目