扁桃

曖昧さ回避 この項目では、リンパ上皮性器官について説明しています。他の用法については「扁桃 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
1 、2 口蓋扁桃 (tonsil)、3 口蓋垂、4 口蓋。3と4の間が軟口蓋である。

扁桃(へんとう)は、二次リンパ器官に分類されるリンパ上皮性器官である。従来は扁桃腺(へんとうせん)と呼ばれていたが、真の意味ではではないため扁桃に改められた[1]

概要

口腔鼻孔から吸引した異物が咽頭に到る前に免疫応答できるような配置をなす。単なるリンパ節の集合体ではなく、粘膜上皮直下の密なリンパ小節の集まりと、表面の亀裂と陥没によって特徴づけられる。亀裂は上皮を伴っており、特に口蓋扁桃では盲管状となり深部に至る。盲管内では、上皮内へのリンパ球と顆粒白血球の遊走が見られることが特徴。

アーモンド種子の形に似ているためアーモンドの別称である「扁桃」と命名された。口蓋弓の中間にある陥没に位置する口蓋扁桃(こうがいへんとう、右図)と舌根にある舌扁桃(ぜつへんとう)、咽頭円蓋にある咽頭扁桃(いんとうへんとう)は輪を描くので、まとめてワルダイエル咽頭輪と呼ばれる[2]。このほか、耳管への異物の侵入を防ぐと考えられている耳管内口周辺粘膜下の耳管扁桃や、咽頭上部に咽頭扁桃が存在する。

臨床について

医師が診察時に患者の口を開けさせ診察するいわゆる扁桃は口蓋扁桃で、アデノイドと称して耳鼻科で切除するものは咽頭扁桃が増殖したものである[2]。口を開けただけで見ることができるのは口蓋扁桃のみである。

脚注

  1. ^ 藤田 恒太郎『人体解剖学』南江堂、2003年。ISBN 978-4-524-22246-9。 
  2. ^ a b 寺田 春水、藤田 恒夫『解剖実習の手びき』南山堂、2004年。ISBN 978-4-525-10311-8。 

関連項目

上気道
(上気道感染(英語版)含む
風邪)
頭部(英語版)
副鼻腔
副鼻腔炎
(英語版)
鼻炎
血管運動性鼻炎
臭鼻症
アレルギー性鼻炎
鼻茸
鼻漏(英語版)
鼻中隔
鼻中隔弯曲(英語版)
鼻中隔穿孔
鼻中隔血腫(英語版)
扁桃
扁桃炎
アデノイド顔貌
扁桃周囲膿瘍
咽頭
咽頭炎
レンサ球菌咽頭炎
咽喉頭反射(英語版) (LPR)
咽頭後壁膿瘍
喉頭
クループ
喉頭軟化症(英語版)
喉頭蓋囊胞(英語版)
喉頭炎
喉頭痙攣(英語版)
声帯
声帯結節(英語版)
声帯麻痺(英語版)
声帯機能不全(英語版)
喉頭蓋
急性喉頭蓋炎
気管
気管炎
喉頭気管狭窄(英語版)
下気道
(下気道感染(英語版)を含む)
気管支(英語版)/
閉塞性肺疾患
急性
急性気管支炎(英語版)
慢性
COPD
慢性気管支炎
COPD急性増悪(英語版))
気管支喘息 (喘息重積発作(英語版)
アスピリン喘息
運動誘発性喘息(英語版)
気管支拡張症
嚢胞性線維症
急性・慢性
気管支炎
細気管支炎
閉塞性細気管支炎
びまん性汎細気管支炎
間質性肺炎/
拘束性肺疾患
(肺線維症(英語版))
外因曝露/
職業病
職業性肺疾患(英語版)
塵肺
アルミニウム肺(英語版)
石綿症
バリウム肺(英語版)
ボーキサイト線維症(英語版)
ベリリウム肺
カプラン症候群 (英語版)
石肺症(英語版)
炭坑夫塵肺症(英語版)
鉄肺症(英語版)
珪肺
滑石肺(英語版)
線肺症(英語版)
過敏性肺炎
サトウキビ肺症(英語版)
鳥飼病(英語版)
農夫肺(英語版)
ホコリタケ症(英語版)
その他
閉塞性肺疾患 /
拘束性肺疾患
肺炎/
肺臓炎(英語版)
病原別分類
感染した場所
病変の分布
IIP(英語版)
  • UIP(英語版)
  • DIP(英語版)
  • BOOP-COP(英語版)
  • NSIP(英語版)
  • RB(英語版)
その他
胸膜腔(英語版)/
縦隔
胸膜疾患(英語版)
胸水
血胸
水胸
乳び胸
膿胸
悪性胸水(英語版)
線維胸(英語版)
縦隔疾患
  • 縦隔炎(英語版)
  • 縦隔気腫(英語版)
その他/一般
  • 表示
  • 編集
典拠管理データベース ウィキデータを編集
国立図書館
  • フランス
  • BnF data
  • イスラエル
  • アメリカ
  • 日本
  • チェコ
その他
  • Terminologia Anatomica