現在の君主の一覧

本記事では、現在の君主の一覧(げんざいのくんしゅのいちらん)を示す。

君主主義
Heraldic royal crown
種類
世襲君主制 · 選挙君主制
絶対君主制 · 制限君主制 · 立憲君主制 · 非主権君主制(英語版) · 象徴君主制 · 摂政

独立国における一覧

以下の一覧は、国際連合加盟国国際連合総会オブザーバーにおける君主を即位順に記載したものである。イギリスの君主英連邦王国諸国の王位も兼ねているため、イギリスを除く14ヶ国については別表で記載する。また、アフガニスタンのほぼ全域を実効支配しているアフガニスタン・イスラム首長国については国際連合の代表権を保持している政府ではないため、ここでは紹介しない。

内訳は国王が20名(うちマリクが4名、スルターンが2名)、天皇が1名(議論はあるが、ここでは君主として扱う)、教皇が1名、アミール(首長)が2名、大公が1名、が4名(アンドラ共同公であるフランス大統領とウルヘル司教を含む)、大統領が1名、オ・レ・アオ・オ・レ・マーロー(サモア独立国元首)が1名の計31名が在位している。

敬称については国王、天皇については「陛下」が用いられる。大公、公については「殿下」が用いられ、ローマ教皇については「台下」、オ・レ・アオ・オ・レ・マーローについては2024年時点では、日本外務省においては「閣下」が用いられている[注釈 1]。また、アラブ首長国連邦大統領(アブダビ首長国首長の敬称「殿下」)、アンドラの共同公(フランス大統領は「閣下」、ウルヘル司教は「猊下」)など、兼摂している職位の敬称が優先されることもある[2]

君主名 国名 君主号 年齢 即位年月日 政体 地域

ハサナル・ボルキア
ブルネイの旗 ブルネイ 国王(スルターン) 77歳 1967年10月4日 立憲君主制[3] アジア

カール16世グスタフ
 スウェーデン 国王 77歳 1973年9月15日 立憲君主制(象徴君主制) ヨーロッパ

ムスワティ3世
エスワティニの旗 エスワティニ 国王 55歳 1986年4月25日 絶対君主制 アフリカ

ハンス・アダム2世
リヒテンシュタインの旗 リヒテンシュタイン [注釈 2] 79歳 1989年11月13日 立憲君主制[4] ヨーロッパ

ハーラル5世
 ノルウェー 国王 87歳 1991年1月17日 立憲君主制 ヨーロッパ

レツィエ3世
レソトの旗 レソト 国王 60歳 1996年2月7日 立憲君主制 アフリカ

アブドゥッラー2世
ヨルダンの旗 ヨルダン 国王(マリク) 62歳 1999年2月7日 立憲君主制 アジア

ハマド
バーレーンの旗 バーレーン 国王(マリク) 73歳 1999年3月6日 立憲君主制 アジア

ムハンマド6世
モロッコの旗 モロッコ 国王(マリク) 60歳 1999年7月23日 立憲君主制 アフリカ

アンリ
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク 大公 68歳 2000年10月7日 立憲君主制 ヨーロッパ

ジュアン・エンリク
アンドラの旗 アンドラ 共同公ウルヘル司教[注釈 3] 74歳 2003年5月12日 立憲君主制 ヨーロッパ

ノロドム・シハモニ
カンボジアの旗 カンボジア 国王 70歳 2004年10月29日 立憲君主制 アジア

アルベール2世
モナコの旗 モナコ 66歳 2005年4月6日 立憲君主制 ヨーロッパ

ジグミ・ケサル・
ナムゲル・ワンチュク
ブータンの旗 ブータン 国王(龍王[注釈 4] 44歳 2006年12月14日 立憲君主制 アジア

トゥポウ6世
トンガの旗 トンガ 国王 64歳 2012年3月18日 立憲君主制 オセアニア

フランシスコ
バチカンの旗 バチカン 教皇[注釈 5] 87歳 2013年3月13日 絶対君主制[5] ヨーロッパ

ウィレム=アレクサンダー
オランダの旗 オランダ 国王[注釈 6] 56歳 2013年4月30日 立憲君主制 ヨーロッパ

タミーム
カタールの旗 カタール 首長(アミール) 43歳 2013年6月25日 半絶対君主制 アジア

フィリップ
ベルギーの旗 ベルギー 国王 63歳 2013年7月21日 立憲君主制 ヨーロッパ

フェリペ6世
スペインの旗 スペイン 国王[注釈 7] 56歳 2014年6月19日 立憲君主制(議会君主制) ヨーロッパ

サルマーン
サウジアラビアの旗 サウジアラビア 国王(マリク) 88歳 2015年1月23日 絶対君主制 アジア

ラーマ10世
タイ王国の旗 タイ 国王 71歳 2016年10月13日[注釈 8] 立憲君主制 アジア

エマニュエル・マクロン
アンドラの旗 アンドラ 共同公(フランス大統領)[注釈 3] 46歳 2017年5月14日 立憲君主制 ヨーロッパ

スアラウヴィ2世
サモアの旗 サモア オ・レ・アオ・オ・レ・マーロー[注釈 9] 76歳 2017年7月20日 議論あり[注釈 10] オセアニア

徳仁
日本の旗 日本 天皇 64歳 2019年5月1日 象徴天皇制 アジア

ハイサム
オマーンの旗 オマーン 国王(スルターン) 69歳 2020年1月11日 絶対君主制 アジア

ムハンマド
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 大統領[注釈 11] 63歳 2022年5月14日 絶対君主制 アジア

チャールズ3世
イギリスの旗 イギリス 国王[注釈 12] 73歳 2022年9月8日 立憲君主制 ヨーロッパ

ミシュアル
クウェートの旗 クウェート 首長(アミール) 83歳 2023年12月16日 半絶対君主制 アジア

フレゼリク10世
 デンマーク 国王 55歳 2024年1月14日 立憲君主制 ヨーロッパ

イブラヒム
マレーシアの旗 マレーシア 国王(アゴン)[注釈 13] 65歳 2024年1月31日 立憲君主制 アジア

イギリスの君主を国王とする国家

英連邦王国」も参照

イギリスの君主と同一人物を君主とする(英連邦王国)独立国の一覧は以下の通りである。いずれの国も立憲君主制国家であり、イギリスの君主の統治権は形式的なものである。敬称はいずれも陛下となる[2]

国名 その国におけるチャールズ3世の称号
アンティグア・バーブーダの旗 アンティグア・バーブーダ Charles the Third, by the Grace of God, King of Antigua and Barbuda and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、アンティグア・バーブーダならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
アンティグア・バーブーダ国王
オーストラリアの旗 オーストラリア Charles the Third, by the Grace of God, King of Australia and Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、オーストラリアならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
オーストラリア国王
バハマの旗 バハマ Charles the Third, by the Grace of God, King of the Commonwealth of the Bahamas and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、バハマならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
バハマ国王
ベリーズの旗 ベリーズ Charles the Third, by the Grace of God, King of Belize and of Her Other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、ベリーズならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
ベリーズ国王
カナダの旗 カナダ Charles the Third, by the Grace of God, of the United Kingdom, Canada and Her other Realms and Territories King, Head of the Commonwealth, Defender of the Faith
フランス語: Charles Trois, par la grâce de Dieu Roi du Royaume-Uni, du Canada et de ses autres royaumes et territoires, Chef du Commonwealth, Défenseur de la Foi
神の恩寵による、連合王国、カナダならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、信仰の擁護者、チャールズ3世
カナダ国王
グレナダの旗 グレナダ Charles the Third, by the Grace of God, King of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland and of Grenada and Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国、グレナダならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
グレナダ国王
ジャマイカの旗 ジャマイカ Charles the Third, by the Grace of God, King of Jamaica and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、ジャマイカならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
ジャマイカ国王
ニュージーランドの旗 ニュージーランド Charles the Third, by the Grace of God, King of New Zealand and Her Other Realms and Territories, Head of the Commonwealth, Defender of the Faith
神の恩寵による、ニュージーランドならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、信仰の擁護者、チャールズ3世
ニュージーランド国王[注釈 14]
パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア Charles the Third, King of Papua New Guinea and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
パプアニューギニアならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
パプアニューギニア国王
セントクリストファー・ネイビスの旗 セントクリストファー・ネイビス Charles the Third, by the Grace of God, King of Saint Christopher and Nevis and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、セントクリストファー・ネイビスならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
セントクリストファー・ネイビス国王
セントルシアの旗 セントルシア Charles the Third, by the Grace of God, King of Saint Lucia and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、セントルシアならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
セントルシア国王
セントビンセント・グレナディーンの旗 セントビンセント・グレナディーン Charles the Third, by the Grace of God, King of Saint Vincent and the Grenadines and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、セントビンセント・グレナディーンならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
セントビンセント・グレナディーン国王
ソロモン諸島の旗 ソロモン諸島 Charles the Third, by the Grace of God, King of the Solomon Islands and of Her other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、ソロモン諸島ならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
ソロモン諸島国王
ツバルの旗 ツバル Charles the Third, by the Grace of God, King of Tuvalu and of Her Other Realms and Territories, Head of the Commonwealth
神の恩寵による、ツバルならびに他のレルムや領域の国王、コモンウェルス首長、チャールズ3世
ツバル国王

その他の君主

国家構成領邦の君主

現在の領邦君主の一覧(英語版)」も参照

かつてのドイツ帝国における領邦君主や、インド・ビルマにおける藩王国マハーラージャなど、独立国家内にも、領邦を持つ君主が存在する場合がある。

アラブ首長国連邦を構成する7つの首長国にはそれぞれ首長(アミール)が存在し、各国家内での強い統治権力を持っている。マレーシアでは9つの州に君主が存在し、国王を互選で選出するが、各州において君主はマレーシア憲法160条により、「当該州の憲法に従い統治者の機能を持つ」と認められている[6]。またヌグリ・スンビラン州にはウンダン(英語版)と呼ばれる伝統的首長がおり、州の王(英語版)を互選で選出する制度を持っている。これは現在のマレーシア国王選出制度と同じものである。ウンダンもマレーシア憲法160条により、統治者と認められている[6]

デンマーク領のフェロー諸島グリーンランドは自治領であるが、本国であるデンマークと対等の存在であり、独自の外交権を持つなど特殊な地位を占めている。これらの地域は同君連合という形でデンマーク王を君主としている。またイギリスにおいてスコットランドウェールズ北アイルランドは個別の議会を持ち、それぞれイギリスの君主である「連合王国国王」を君主とする。

独自の君主を持つ国家構成領邦

構成領邦名 君主 称号
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 アブダビ
ムハンマド・ビン・ザイード
アミール
アジュマーン
フマイド・ビン・ラーシド・アル=ヌアイミー3世(英語版)
ハーキム
フジャイラ
ハマド・ビン・ムハンマド・アッ=シャルキー(英語版)
ハーキム
シャールジャ
スルターン・ビン・ムハンマド・アル=カースィミー(英語版)
ハーキム
ドバイ
ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム
アミール
ラアス・アル=ハイマ
サウード・ビン・サクル・アル=カースィミー(英語版)
ハーキム
ウンム・アル=カイワイン
サウード・ビン・ラーシド・アル=ムアッラー(英語版)
ハーキム
マレーシアの旗 マレーシア ジョホール州の旗ジョホール州
イブラヒム・イスカンダル
スルターン(英語版)
ケダ州の旗 ケダ州
サールフッディーン(英語版)
スルターン(英語版)
クランタン州の旗 クランタン州
ムハンマド5世
スルターン(英語版)
パハン州の旗パハン州
アブドゥラ
スルターン(英語版)
ペラ州の旗ペラ州
ナズリン・シャー(英語版)
スルターン(英語版)
セランゴール州の旗セランゴール州
シャラフディン(英語版)
スルターン(英語版)
トレンガヌ州の旗トレンガヌ州
ミザン・ザイナル・アビディン
スルターン(英語版)
ヌグリ・スンビラン州の旗 ヌグリ・スンビラン州
ムフリズ(英語版)
ヤン・ディ=ペルトゥアン・ベサール(Yang di-Pertuan Besar)(英語版)
プルリス州の旗プルリス州
サイドシラジュディン・サイドプトラ・ジャマルライル
ラージャ[注釈 15]
インドネシアの旗 インドネシア ジョグジャカルタ特別州
ハメンクブウォノ10世
知事[注釈 16]

特殊な地位の地域における君主

基本的には君主国が持つ海外領土・自治領においては、本国と同じ形で君主を持つ。

チャンネル諸島マン島は、独立した国家とはみなされていないが、イギリス国家の構成部分ではなく、自治権を持ったイギリスの王室属領である。これらの国の君主はイギリスの君主であるが「イギリス国王」としての統治ではない。公式な称号としては、マン島においては「マン島領主たる王/女王(King, Lord of Man、Queen, Lord of Man)」[7]と呼ばれている。チャンネル諸島においては「ノルマンディー公たる王/女王(Duck of Normandy,Our King、Duck of Normandy,Our Queen)」となる[8]

ニウエおよびクック諸島は、複数の国家が国家承認を行っている国であるが国際連合に非加盟である。両国はニュージーランドと自由連合関係にあるニュージーランド王国を形成しており、君主はニュージーランド国王としてのイギリスの君主が兼ねている。

ターリバーンによって2021年8月15日に成立が宣言された「アフガニスタン・イスラム首長国」は、アフガニスタンのほぼ全域を実効支配している政権であり、ターリバーンのアミール・アル=ムウミニーン(信徒の長)であるハイバトゥラー・アクンザダは最高指導者として事実上の君主的な地位にある。ただし、この政権は国際的に承認されておらず、国際連合ではアフガニスタン・イスラム共和国政府が代表権を保持している[9]

国家内の集団の君主

カノ首長(Emir of Kano)は、ナイジェリア北部のイスラム教徒の間で、ソコト皇帝に次ぐ権威を有している
有力なナイジェリア伝統的君主の一人、イフェ王(Ooni of Ife)
セネガル国内のアニミズムの王国ウスイ(フランス語版)では、精霊との交信者とされる王だけが赤い服を着る[10]

フランス海外準県であるウォリス・フツナでは、ウヴェア王国(フランス語版)アロ王国(フランス語版)シガヴェ王国(フランス語版)の諸王が法的存在として認められている。

ウガンダには、トロ王国ブニョロ王国ブガンダ王国ブソガ王国の伝統的な地方王国が存在している。これらはウガンダの法的な行政区分ではないが、1967年に一度廃止されたものが1990年代に復活したものであり、諸王は「文化的指導者」と位置づけられ、政治的な力を持たない儀礼的な存在となっている。2008年には、廃止以前には存在していなかったルウェンズルル王国(英語版)が共和国政府の承認を受けて新設された。

ガーナには、絶大な影響力を有するアシャンティ王などがいる。

カメルーンには、「フォン(英語版)」という称号の酋長(王)が数多くいる。

ナイジェリアには、ソコト皇帝ンネウィ王(英語版)ベニン王(英語版)ラゴス王(英語版)ボニー王(英語版)ワリ王(英語版)など、数多くの伝統的君主が存在する。

ナイジェリアの伝統的君主(英語版)」も参照

マラウイには、トゥンブカ族の大首長家であるチクラマイェンベ朝(英語版)などの伝統的君主がいる。

南アフリカ共和国においては、ズールー王室(英語版)雨の女王(英語版)などの伝統的君主が政治的存在として公認されている。

南米ボリビアには、アフリカ系ボリビア人(英語版)の間で尊敬を集めているアフロ・ボリビア王室(英語版)が存在し、2007年に共和国政府から部族王として公認を受けている[11]。この王家は、奴隷として連行されてきたアフリカの王族が、アフリカ出身奴隷たちの間で丁重に扱われたのが始まりだとされる[11]

オーストリアの旧帝室であるハプスブルク家は今でも各国政府から各国君主と同等の待遇を受けている。

エチオピアでは法律上は帝位は存在しないが、帝室当主のゼラ・ヤコブ氏が称号上、形式的に皇帝を名乗っている。詳細はエチオピア帝室評議会ゼラ・ヤコブを参照されたい。

また国家から公認された地位ではないが、特定の民族・部族の間で「王」としての権威を有する者も存在する。ニュージーランドマオリ族におけるマオリ王などがその例である。2008年まで存続したムスタン王国の首都ローマンタンの人々は、今なお旧王家に対し尊崇の念を抱き続けている[12]。ローマンタンの文化によると、王とは祭りを開催する許可を与える存在であり、人々は今日でも旧王家の裁可を得ることなしに祭りを行わない[12]

モンテネグロでは、2011年7月12日にペトロヴィチ=ニェゴシュ王朝の子孫の地位に関する法律(英語版)が制定され、旧王家が政府代表として儀礼的役割を果たすことが認められたが、これは国家によってモンテネグロ、もしくはその中の領邦等の君主として承認を受けたものではない。

称号としての君主

ヨーロッパでは、複数の君主号を兼ねる伝統があり、スペイン国王が兼ねるアラゴン王カスティーリャ王のように、統治域内の領土の君主号を別に持つことがある。また同様にスペイン国王が持つエルサレム王のように主権を持たないものも存在する。また旧王家の末裔がこうした君主号を儀礼的に称する事も行われている。またジャコバイトの王のように、本人の意志とは関係なく支持者によって君主とされることもある。

ミクロネーションの君主

これらの君主とは別に、いわゆる「自称国家・政権(ミクロネーション)」にも君主を名乗る者が存在する。

脚注

注釈

  1. ^ 2024年3月時点では、国家元首の英語肩書としては殿下に相当する「His Highness」を用いているが、日本語訳は「閣下」となっている[1]
  2. ^ リヒテンシュタイン公
  3. ^ a b 日本外務省訳では「共同元首」。アンドラ公国の元首はフランス大統領とウルヘル司教の二人が共同公(Co-Prince)となる。
  4. ^ ドゥク・ギャルポ(英語版)
  5. ^ 公式な称号
  6. ^ 正式な称号についてはオランダ君主の称号(英語版)を参照。
  7. ^ 正式な称号についてはスペイン王の称号と栄典(英語版)を参照。
  8. ^ 父王ラーマ9世の崩御後、しばらくは即位の手続きを取らなかった。実際に即位を受諾したのは2016年12月1日。遡って父王の崩御後ただちに王位を継承したことにして、約1か月半の空位期間は存在しないものとされた。
  9. ^ 「オ・レ・アオ・オ・レ・マーロー」は立法議会議員の中から互選で選ばれる任期制の国家元首。伝統的にサモアの有力首長タマ・ア・アイガ(フランス語版)の中から選ばれる慣習となっている。日本外務省では「殿下」の敬称で呼ばれる。
  10. ^ サモア憲法の規定では政体は明示されていない。立憲君主制であるとする意見(田邊誠 「試訳 西サモア独立国憲法(一) <資料>」<1989>)が存在する一方で、ヤシ・ガイ(英語版)やJ・コットレルのように共和制とみなす見解もある。アメリカ国務省は「議会制民主主義とファア・サモア(サモアの伝統的慣習)の混合形態」と表現し、イギリス・ニュージーランド・オーストラリアの文書では「議会制民主主義」と表現されている。日本外務省は基礎情報において「選挙により国家元首を選ぶ制度」と表現している(「140-サモアの政体についての一考察 | 一般社団法人太平洋協会」)。
  11. ^ 正式にはアラブ首長国連邦の「大統領」であるが、大統領職はアブダビ首長国アミールであるナヒヤーン家が世襲により継ぐのが慣例化しているため、君主に含めた。また日本外務省でも「殿下」の敬称で呼ばれる。
  12. ^ 連合王国における正式称号は「神の恩寵による(英語版)、グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国および他のレルム領域の王、コモンウェルス首長信仰の擁護者であるチャールズ3世」。詳細はイギリス君主の称号を参照
  13. ^ マレーシア国王は国内9つの州の君主の互選で選ばれる。
  14. ^ ニュージーランドと「ニュージーランド王国」を構成するクック諸島ニウエの君主も兼ねる。
  15. ^ 王家はジャマルライル家(英語版)
  16. ^ ジョグジャカルタのスルターン(英語版)が世襲することが定められている。

出典

  1. ^ “サモア基礎データ”. 外務省. 外務省. 2024年3月3日閲覧。
  2. ^ a b “各国の元首名等一覧表”. 外務省. 2024年3月3日閲覧。
  3. ^ “ブルネイ基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年1月14日閲覧。
  4. ^ “リヒテンシュタイン基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年1月14日閲覧。
  5. ^ “バチカン基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年1月14日閲覧。
  6. ^ a b 鳥居高「マレーシア連邦憲法 (解説と翻訳)」(1996)
  7. ^ 弥久保宏「英国王室保護領マン島の統治システムについて--世界最古の議会Tynwaldの構造を中心に」『駒沢女子大学研究紀要』第17巻、駒沢女子大学、2010年、311頁、NAID 110008091492。 
  8. ^ 弥久保宏「英国チャネル諸島、グァンジー代官管轄区の統治システム : もう一つの英国統治スタイル」『駒沢女子大学研究紀要』第20巻、駒沢女子大学、2013年、122頁、NAID 110009823046。 
  9. ^ “タリバン、広がらぬ国際承認代表権問題で国連も静観―アフガン”. 時事通信社 (2022年8月13日). 2022年9月16日閲覧。
  10. ^ “Discover Oussouye, an animist kingdom in Senegal”. Daily Sabah(英語版). (2019年4月9日). https://www.dailysabah.com/life/2019/09/04/discover-oussouye-an-animist-kingdom-in-senegal 2020年1月11日閲覧。 
  11. ^ a b Camilla Landbö (2019年1月5日). “Bolivien und der König, der nicht König sein will”. ルツェルン新聞(ドイツ語版). https://www.luzernerzeitung.ch/international/der-konig-der-nicht-konig-sein-will-ld.1082667 2020年1月11日閲覧。 
  12. ^ a b Dhan Basnet (2019年9月21日). “King’s presence still in Mustang”. Republica(英語版). https://myrepublica.nagariknetwork.com/mycity/news/king-s-presence-still-in-mustang 2020年1月11日閲覧。 

関連項目

アフリカ
アジア
ヨーロッパ
両アメリカ
  • アンティグア・バーブーダの旗 バハマの旗 ベリーズの旗 カナダの旗 グレナダの旗ジャマイカの旗 セントクリストファー・ネイビスの旗 セントルシアの旗 セントビンセント・グレナディーンの旗 チャールズ3世
オセアニア
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各国の君主制
  • 現在の君主の一覧
  • 現在の領邦君主の一覧(英語版)
種別
大陸別
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アメリカ
§ イギリス国王が兼ねる。