男の敵

男の敵
The Informer
監督 ジョン・フォード
脚本 ダドリー・ニコルズ
製作 ジョン・フォード
出演者 ヴィクター・マクラグレン
音楽 マックス・スタイナー
撮影 ジョセフ・H・オーガスト
編集 ジョージ・ハイヴリー
製作会社 RKO
配給 RKO
公開 アメリカ合衆国の旗 1935年5月1日(プレミア)
大日本帝国の旗 1935年10月
上映時間 91分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 243,000ドル
興行収入 455,000ドル(北米配収)
495,000ドル(海外配収)[1]
テンプレートを表示

男の敵』(原題:The Informer)は、1935年RKOによるドラマ映画。1922年のアイルランド独立戦争をプロットとしている。原作はリーアム・オフラハティの小説『The Informer』。

あらすじ

「ユダは後悔した―
そして30枚の銀貨を捨てて死んだ―」

1922年、イギリス統治下のアイルランドダブリンのある夜。ジポ・ノーラン(ヴィクター・マクラグレン)は、アイルランド独立を目指す組織の裁定に従わず処刑役を拒んだため組織からあぶりだされ、金に困る生活を送っていた。そんな折、警察から指名手配されているフランキー・マクフィリップ(ウォーレス・フォード)がジポの前に訪れる。そこでジポは、旧知の仲であるフランキーに実家に戻るタイミングをアドバイスをするが、その直後に、ジポの恋人ケイティ(マーゴット・グラハム)が、金に困った挙句金持ちをひっかけようとする姿を目の当たりにして、懸賞金20ポンドを目当てに、警察にフランキーの居場所を売ってしまう。その結果、フランキーは警察から逃亡しようとして射殺されてしまうのだった。

一方、独立をめざす組織の隊長、ダン・ギャラガー(プレストン・フォスター)は、仲間を売ったこの事件を、組織を壊す行為として重くとらえ、密告者をその晩じゅうに捕まえるように指示する。そして、フランキーの親友であったジポも、密告者を見つけるという条件で組織に復帰することになる。

しかし、20ポンドを得て多くの貧しいダブリン市民に椀飯振舞するジポの姿を見て、組織の幹部バートレー(ジョセフ・ソーアス)らは徐々にジポへの疑いを深めていく。そして、その疑いはジポがケイティに最後の5ポンドを手渡したときには、確固たるものになっていた。その結果、1時から始まった組織の査問で、ジポはついに自分が密告したことを告白してしまう。

ダンの恋人メリー・マクフィリップ(ヘザー・エンジェル)によって、ジポがその場で処刑されるのはひとまず避けられたが、すぐ間もなく処刑されるという直前になってジポは牢から脱出する。そして、彼が逃れ逃れに行き着いた先は、恋人ケイティのところだった。彼が安心してまもなく眠ったのを見て、ケイティはダンのもとへ向かう…。

考察

リーアム・オフラハティの同名小説の最初の映画化であり、本作のオリジナル版が1929年、イギリスでアルツール・ロビソン監督、ラルス・ハンソンリア・デ・プッティ主演で作られた「密告」(原題は本作と同じくThe Informer)である。内容は活劇仕立てのスリラーであり、それ程名作と言う訳ではなかった。因みにこの作品は日本でも公開された。

キャスト

俳優 役名
ヴィクター・マクラグレン Gypo Nolan
ヘザー・エンジェル Mary McPhillip
プレストン・フォスター Dan Gallagher
マーゴット・グレアム Katie Madden
ウォーレス・フォード Frankie McPhillip
ユーナ・オコナー Mrs. McPhillip
J・M・ケリガン テリー
ジョセフ・ソーアス Bartly Mulholland
ニール・フィッツジェラルド Tommy Connor
ドナルド・ミーク Peter Mulligan
D'Arcy Corrigan 盲目の男
Leo McCabe ドナヒュー
Steve Pendleton Dennis Daly
フランシス・フォード "Judge" Flynn
May Boley Madame Betty

主な受賞歴

アカデミー賞

受賞
アカデミー監督賞ジョン・フォード
アカデミー主演男優賞ヴィクター・マクラグレン
アカデミー脚色賞ダドリー・ニコルズ
アカデミー作曲賞マックス・スタイナー
ノミネート
アカデミー作品賞RKO
アカデミー編集賞:ジョージ・ハイヴリー

ニューヨーク映画批評家協会賞

受賞
作品賞
監督賞:ジョン・フォード

ヴェネツィア国際映画祭

  • 受賞:脚本賞

ナショナル・ボード・オブ・レビュー

  • 作品賞

  1. ^ RKO Feature Film Ledger, 1929-51, p110

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、男の敵に関連するカテゴリがあります。
ジョン・フォードのフィルモグラフィ
1910年代
1920年代
  • A街の貴公子
  • 二十九号室
  • 西方の勇者
  • 野人の勇
  • The Big Punch
  • 熱血の焔
  • 疾風の如く
  • 吹雪の道
  • 雷電児
  • 百発百中
  • ジャッキー
  • 嘆くな乙女
  • 銀色の翼 (エドウィン・カリューと共同)
  • 村の鍛冶屋
  • The Face on the Bar-Room Floor
  • Three Jumps Ahead
  • 侠骨カービー
  • 意気天に沖す
  • 豪雨の一夜
  • アイアン・ホース
  • オーロラの彼方
  • Lightnin'
  • 香も高きケンタッキー
  • サンキュー
  • 雪辱の大決戦
  • 誉れの一番乗
  • 三悪人
  • Upstream
  • 四人の息子
  • ナポレオンと理髪師
  • 名物三羽烏
  • 黒時計聯隊
1930年代
1940年代
1950年代
1960年代
テレビ
  • Fireside Theater (1949)
  • The Bamboo Cross (1955)
  • Screen Director's Playhouse (1955)
  • Wagon Train (1957-1965)
製作
  • アイアン・ホース (1924)
  • 青鷲 (1926)
  • マザー・マクリー (1928)
  • 血涙の志士 (1928)
  • 赤毛布恋の渦巻 (1928)
  • 最敬礼 (1929)
  • 肉体 (1932)
  • マルコ・ポーロの冒険 (1938)
  • 若き日のキャシディ (1965)
ドキュメンタリー
  • Torpedo Squadron
  • Sex Hygiene (1942)
  • ミッドウェイ海戦 (1942)
  • 真珠湾攻撃 (1943)
  • We Sail at Midnight (1943)
  • This Is Korea! (1951)
  • Korea (1959)
  • Chesty: A Tribute to a Legend (1976)
カテゴリ カテゴリ
1932-1940年
1941-1960年
  • 市民ケーン(1941)
  • 軍旗の下に(1942)
  • 牛泥棒(1943)
  • 孤独な心(1944)
  • The True Glory(1945)
  • ヘンリィ五世(1946)
  • 殺人狂時代(1947)
  • 戦火のかなた(1948)
  • 自転車泥棒(1949)
  • サンセット大通り(1950)
  • 陽のあたる場所(1951)
  • 静かなる男(1952)
  • ジュリアス・シーザー(1953)
  • 波止場(1954)
  • マーティ(1955)
  • 八十日間世界一周(1956)
  • 戦場にかける橋(1957)
  • 老人と海(1958)
  • 尼僧物語(1959)
  • 息子と恋人(1960)
1961-1980年
1981-2000年
2001-2020年
2021-現在
1935–1940
1941–1960
1961–1980
1981–2000
2001–2020
2021–現在
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • VIAF
国立図書館
  • スペイン
  • フランス
  • BnF data
  • ドイツ
  • アメリカ