2030年冬季オリンピック

日本オリンピック委員会 (JOC) から大会名の正式発表があるまで、記事名は変更しないでください。ノートもご覧ください。
2030年冬季オリンピック
第26回オリンピック冬季競技大会
XXVI Olympic Winter Games
開会式 2030年2月8日
閉会式 2030年2月24日
冬季
夏季
オリンピックの旗 Portal:オリンピック
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2030年冬季オリンピック(にせんさんじゅうねんとうきオリンピック)は、2030年に開かれる予定の第26回オリンピック冬季競技大会

招致プロセス

2019年にローザンヌで開催された第134回IOC総会において、新しいIOC招致プロセスが承認された。「オリンピック・アジェンダ2020」の関連提言を受けた主な提案は以下の通りである[1][2]

  • あらゆるオリンピックイベントについて、都市/地域/国と国内オリンピック委員会の間で招致の意向を探り、創造するための恒久的で継続的な対話を確立する。
  • 将来のオリンピックイベントの招致の意向を監視してIOC執行委員会に報告する、夏季大会と冬季大会の2つの将来開催地委員会(Future Host Commission)を設立する。
  • 将来開催地委員会の一部を非執行理事にすることで、IOC総会の影響力を高める。

また、IOCはオリンピック憲章の柔軟性を高めるために、「大会の7年前」とした選挙の期日を削除し、開催地を「単一の都市・地域・国」から「複数の都市・地域・国」に変更した。

この招致プロセスの変更は、ドイツの招致メンバーから「不可解」であり、「非透明性の点で」超えることは難しいと批判された[3]

2022年12月6日、国際オリンピック委員会(IOC)は理事会後にオンラインで記者会見を開き、2030年冬季オリンピックの開催都市決定について、当初予定していた2023年10月の第141次IOC総会インドムンバイ)からさらに延期することを明らかにした[4]。新たな決定時期については2024年7月にフランスパリで行われる第142次IOC総会をメドにしている。

2023年6月、同年10月の理事会で2030年大会と同時に2034年大会の同時決定や持ち回り開催の実現可能性を報告するとした[5]

2023年11月29日、IOC理事会は、2030年大会の「最優先候補地」としてフランスオーヴェルニュ=ローヌ=アルププロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール両地域圏を選んだ。2024年の総会で正式に決定される見込み[6]

将来開催地委員会

招致の意向のある地域や、IOCが関心を持たせたい地域候補を監視する夏季大会の将来開催地委員会の全構成は以下の通りである[7]

2030年冬季大会の将来開催地委員会
IOC委員(4名) その他の委員(4名)
  • ルーマニアの旗 Octavian Morariu (chair)
  • スウェーデンの旗 Gunilla Lindberg
  • オーストリアの旗 Karl Stoss
  • アフガニスタンの旗 Samira Asghari
  • 中華人民共和国の旗 Zhang Hong (Athletes)
  • イタリアの旗 Ivo Ferriani (AIOWF)
  • チリの旗 Neven Ilic (NOCs)
  • オランダの旗 Rita van Driel (IPC member)

立候補を検討している都市

  • カナダの旗 カナダ
    • バンクーバー/ウィスラー
過去2010年冬季オリンピックを開催。実現すれば20年ぶり2回目の開催となる。しかしブリティッシュコロンビア州は、2022年10月27日、直接費用だけで数十億ドルの開催コストを理由に招致を支持しないと発表した[8]。市は立候補継続を表明。
過去2002年冬季オリンピックを開催。実現すれば28年ぶり2回目の開催となる。ただ、同国内では2028年にロサンゼルスにて夏季オリンピックが開催されることから、2034年開催が望ましいとする意見も出ている[9]。米国オリンピック・パラリンピック委員会は2023年9月に2034年大会立候補を正式承認したが、2030年大会も開催可能としている[10]。2023年11月29日のIOC理事会において、2034年大会の「最優先候補地」に選ばれた[6]
実現すれば同国初の五輪開催となる。過去に2014年の冬季五輪開催都市に立候補したものの、一次選考で落選し、2022年冬季五輪にも立候補したが、北京に僅か4票差で落選し、2026年大会への立候補を報じられていたが市長は否定したため、本大会の開催都市を目指す。
過去1988年冬季オリンピックを開催。実現すれば42年ぶり2回目の開催となる。
過去1984年冬季オリンピックを開催。実現すれば46年ぶり2回目の開催となる。
  • ドイツの旗 ドイツ
    • シュマルカルデン
  • フランスの旗 フランス
  •  スウェーデン
    • スウェーデン・オリンピック委員会は2023年2月8日に2030年冬季五輪・パラリンピック招致の検討を始めると発表した[12]ストックホルム/オーレは2026年大会の招致にも立候補していたが、イタリアのミラノ/コルティナダンペッツォに敗れている。
  • スイスの旗 スイス
    • 2021年10月、スイス・オリンピック委員会は2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を目指す意向を明らかにした。同時に2034年開催も視野に入れるとしている[13]。開催は全国規模の分散型とし実施可能施設がないスピードスケートは近隣諸国での開催の可能性があるとしている[14]。2023年11月29日のIOC理事会において、2038年大会の「優先的な対話を進める候補地」に選ばれた(都市・地域は明示されず)[6]

過去に立候補への関心を表明した都市

バルセロナは過去に1992年夏季オリンピックを開催しており、実現すれば38年ぶり2回目の五輪開催だった。屋外競技はピレネー山脈で行い、室内氷上競技をカタルーニャで、雪上競技をアラゴンで行う予定とし[15]、一部競技をアンドラフランス側でも行うことを予定しており、実現すれば冬季五輪初の複数国開催となっていたが、2022年6月に共催を検討していたカタルーニャ州とアラゴン州の政府間で合意が得られず撤退を表明した[16]
過去1972年冬季オリンピックを開催した経験がある。過去に1984年冬季オリンピックにて2回目の冬季オリンピックを開催しようと立候補したが、サラエボに敗れ、その後2026年冬季オリンピックの招致を目指したが、平昌・北京に続く3回連続冬季五輪東アジア開催による懸念、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響を受けたことや、2030年度末に予定されている北海道新幹線札幌延伸を見据え、2030年の五輪招致を地元経済界が要望していたことから、2018年9月17日に札幌市は国際オリンピック委員会(IOC)に2026年五輪招致断念を伝達をしていた[17]。その後2030年開催を目指すも2022年7月に発覚した2020年東京オリンピックの汚職問題等により、同年12月に「積極的な機運醸成活動」を一時停止。また汚職問題以外にも、開催に要する莫大な経費を理由に、オリンピック開催に道民の半数以上が反対するとの世論調査もあり[18]、2023年10月札幌市は2030年開催を断念し2034年招致に方向転換することとなった[19]。しかしその後、IOCが2030年大会と2034年大会の候補地を内定し、2038年大会についても候補地を絞り込んだため、2038年大会までの招致が事実上不可能となったことから、2023年12月19日、札幌市は「現在の招致活動を停止する」と発表した[20]

脚注

  1. ^ “Future Olympic Games elections to be more flexible”. International Olympic Committee (2019年5月2日). 2021年8月26日閲覧。
  2. ^ “Evolution of the revolution: IOC transforms future Olympic Games elections”. International Olympic Committee (2019年6月26日). 2021年8月26日閲覧。
  3. ^ “German officials bemoan 'non-transparency' of 2032 Olympics bid selection”. The Guardian (2021年2月26日). 2021年2月26日閲覧。
  4. ^ “2030年冬季五輪の開催都市決定を延期 IOC、五輪汚職は言及せず”. 毎日新聞. 2022年12月8日閲覧。
  5. ^ “冬季五輪招致に6候補地 30・34年大会の同時決定も検討”. 日本経済新聞 (2023年6月21日). 2023年6月21日閲覧。
  6. ^ a b c 「札幌市、34年五輪招致から脱落 38年も絶望的 市長「衝撃的」」『毎日新聞』、2023年11月30日。2023年12月24日閲覧。
  7. ^ “IOC Members Kristin Kloster Aasen and Octavian Morariu lead Future Host Commissions”. International Olympic Committee (2019年10月3日). 2021年8月26日閲覧。
  8. ^ 「札幌イケイケでいいの?」『中日新聞』、2022年11月4日、朝刊。
  9. ^ “冬季五輪「ソルトレークは34年開催がいい」 米オリ・パラ委会長”. 毎日新聞 (2022年6月24日). 2022年6月24日閲覧。
  10. ^ “米ソルトレークシティーが2034年の冬季五輪候補地に名乗り、30年大会でも開催可能”. 読売新聞 (2023年9月15日). 2023年10月3日閲覧。
  11. ^ “2030年冬季五輪招致にフランスも名乗り、札幌市やスウェーデンなどに加わる”. 読売新聞 (2023年7月19日). 2023年7月19日閲覧。
  12. ^ “スウェーデン、30年冬季五輪の招致検討”. AFP (2023年2月9日). 2023年2月9日閲覧。
  13. ^ “スイス、30年招致の意向=34年も選択肢―冬季五輪”. 時事通信 (2023年10月21日). 2023年10月21日閲覧。
  14. ^ “スイスは30年冬季五輪を招致へ 全国で分散開催、支持67%”. 東京新聞 (2023年10月20日). 2023年10月20日閲覧。
  15. ^ 「五輪=札幌が招致目指す30年冬季大会、カタルーニャなど立候補」『ロイター』、2022年3月29日。2022年3月30日閲覧。
  16. ^ “スペインが招致見送り 30年冬季五輪・パラ”. 時事通信. 2022年6月24日閲覧。
  17. ^ “札幌市、2026年冬季五輪の招致断念をIOCに伝達:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2018年9月17日). 2022年9月4日閲覧。
  18. ^ 2030年札幌五輪招致 札幌市民67%「反対」、全道61% 北海道新聞世論調査 – 北海道新聞2023年1月8日付社説 2023年2月11日閲覧
  19. ^ “札幌市、五輪30年招致を断念 34年以降に方針転換”. 北海道新聞 (2023年10月5日). 2023年10月5日閲覧。
  20. ^ 「札幌市、9年間の冬季五輪招致に終止符 開催支持伸び悩み「撤退」」『毎日新聞』、2023年12月19日。2023年12月23日閲覧。
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注1:非公認の特別大会、注2:戦争のため中止、注3:2021年に延期

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