Advanced Intelligent Tape

Advanced Intelligent Tape(アドバンスドインテリジェントテープ、AIT)はソニーが開発した、磁気テープを使用した大容量補助記憶装置の規格。

概要

AITテープ

基本は2リール式、テープ幅8mm、ヘリカルスキャン方式テープドライブ。「Memory in Casette」(MIC)と呼ばれる64Kbit(2KB)のEEPROMをカートリッジに内蔵し、使用履歴やデータ位置を保存することでサーチの高速化とサーチによるテープの摩耗軽減を図っている。ただし、コスト面でデメリットとなるためMICを内蔵しないものも存在する。

ハードウェアレベルの圧縮技術Adaptive Lossless Data Compression(ALDC)の採用によって最大1/2.6まで圧縮し、200GBのAIT-4テープに520GBまで記録できる。

2011年の段階で、AIT/SAIT両方のドライブの販売は終了している。

規格

AITの規格は多数ある。以下に全規格とその性能を示す。

規格 非圧縮時容量 非圧縮転送レート
AIT-1 25, 35GB 3, 4MB/s
AIT-1 Turbo 40GB 6MB/s
AIT-2 50GB 6MB/s
AIT-2 Turbo 80GB 12MB/s
AIT-3 100GB 12MB/s
AIT-3Ex 150GB 18MB/s
AIT-4 200GB 24MB/s
AIT-5 400GB 24MB/s
SAIT-1 500GB 30MB/s
SAIT-2 800GB 45MB/s

SAIT

SAITとはSuper AITのことで、1リール式に切り替えられている。メーカー表記は「S-AIT」。AITは新旧の互換性が高い規格だが、SAITはAITとの互換性はない。この規格を採用した製品はSAN向けであることが多い。500GBのSAIT-1は圧縮時に最大1.3TBまで保存できる。

磁気テープ補助記憶装置のフォーマット
リニア方式
3/4インチ
(19.05 mm)
  • TX-2 Tape System (1958年)
  • LINCtape (1962年)
  • DECtape (1963年)
1/2インチ
(12.65 mm)
8ミリ
(8 mm)
  • Travan (1995年)
  • IBM 3570 MP (1997年)
  • ADR (1999年)
1/4インチ
(6.35 mm)
  • QIC (1972年)
  • SLR (1986年)
  • Ditto (1992年)
1/8 (0.15)
インチ
(3.81 mm)
細幅
(1.58–
1.9 mm)
  • Exatron Stringy Floppy (1979年)
  • ZX Microdrive (1983年)
  • Rotronics Wafadrive (1984年)
ヘリカル方式
3/4インチ
(19.05 mm)
  • Sony DIR (19xx年)
  • Ampex DST (1992年)
1/2インチ
(12.65 mm)
8ミリ
(8 mm)
  • Data8 (1987年)
  • Mammoth (1994年)
  • AIT (1996年)
  • VXA (1999年)
4ミリ
(3.81 mm)
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