GRB 221009A

GRB 221009A
GRB 221009の10時間タイムラプス、 フェルミガンマ線宇宙望遠鏡により観測
GRB 221009の10時間タイムラプス、
フェルミガンマ線宇宙望遠鏡により観測
仮符号・別名 Swift J1913.1+1946
星座 や座
持続期間 10時間
位置
赤経 (RA, α)  19h 13m 03.48s
赤緯 (Dec, δ) +19° 46′ 24.6″
赤方偏移 0.151
距離 24億光年
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GRB 221009ASwift J1913.1+1946としても知られる)は、2022年10月9日ニール・ゲーレルス・スウィフト天文台によって検出された、異常に明るく長時間持続するガンマ線バースト (GRB) である。このガンマ線バーストは、検出から10時間以上続いた[1][2]。GRB 221009A はこれまで知られている中で最も地球からの距離が近いガンマ線バーストの1つであり、かつ最も高エネルギーで明るいガンマ線バーストの1つである。これにより、詳細な研究が行えると期待されている[3]。GRB 221009A はや座の方向で発生し、19億年前に発生したと推定されているが[3]、宇宙の膨張により光が地球に到達するまでにも両者間は離れているため、GRB 221009A は地球から24億光年離れたところで発生したと考えられている.[4]

GRB 221009Aは、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡を過飽和状態にした。また、中国の大型高高度エア・シャワー天文台は、GRB 221009A の発生中に5,000個の高エネルギー光子(18 TeVの光子を含む)の発生を記録した。この異常なまでの高エネルギーを持つ光子が GRB 221009A に由来しているものとするなら、アクシオンなどの未知の物理学の特性を示唆するものである。GRB 221009A によって地球の電離層の大きさは数時間に渡って検出可能なほど大きく変化した[5]。一部の天文学者は、このガンマ線バーストを「Brightest Of All Time(史上最も明るい)」、または頭文字をとって「ボート(BOAT)」と呼んでいる[5][6]。X線エネルギーでの残光は、以前に観測されたガンマ線バーストよりも数百倍明るい[7]

画像

  • アマチュア天文学者がリモート望遠鏡を使用して撮影した GRB 221009A の光学的残光
    アマチュア天文学者がリモート望遠鏡を使用して撮影した GRB 221009A の光学的残光
  • 2022年10月14日にチリにあるジェミニ南望遠鏡で撮影されたGRB 221009A(中央)の画像[8]。
    2022年10月14日にチリにあるジェミニ南望遠鏡で撮影されたGRB 221009A(中央)の画像[8]
  • ニール・ゲーレルス・スウィフトによって観測されたGRB 221009AのX線画像。周辺に見えるリング状の構造は中心部から放出されているものではなく、天の川銀河内に存在している塵が入射してくるガンマ線を散乱させていることで発生している[9]。
    ニール・ゲーレルス・スウィフトによって観測されたGRB 221009AのX線画像。周辺に見えるリング状の構造は中心部から放出されているものではなく、天の川銀河内に存在している塵が入射してくるガンマ線を散乱させていることで発生している[9]

関連項目

参考文献

  1. ^ Dichiara, S.; Gropp, J. D.; Kennea, J. A.; Kuin, N. P. M.; Lien, A. Y.; Marshall, F. E.; Tohuvavohu, A.; Williams, M. A. et al. (2022). “Swift J1913.1+1946 a new bright hard X-ray and optical transient”. The Astronomer's Telegram 15650: 1. https://www.astronomerstelegram.org/?read=15650. 
  2. ^ Starr (2022年10月12日). “Scientists Just Detected a Colossal Gamma-Ray Burst, And It's a Record-Breaker”. ScienceAlert. 2022年10月14日閲覧。
  3. ^ a b Reddy (2022年10月13日). “NASA’s Swift, Fermi Missions Detect Exceptional Cosmic Blast”. NASA’s Goddard Space Flight Center. 2022年11月7日閲覧。
  4. ^ Dickinson, David (2023年4月6日). “Brightest Gamma-ray Burst Shines Light on Milky Way Structure”. https://www.universetoday.com/160754/brightest-gamma-ray-burst-shines-light-on-milky-way-structure/ 2023年11月19日閲覧。 
  5. ^ a b “Brightest-Ever Space Explosion Could Help Explain Dark Matter” (英語). Quanta Magazine. (2022年10月26日). https://www.quantamagazine.org/brightest-ever-space-explosion-could-help-explain-dark-matter-20221026/ 2022年10月27日閲覧。 
  6. ^ Miller, Katrina (2022年10月). “The ‘Brightest of All Time’ Gamma-Ray Burst Sparks a Supernova Hunt”. Wired. https://www.wired.com/story/brightest-of-all-time-gamma-ray-burst-supernova-hunt/ 2022年10月27日閲覧。 
  7. ^ “Brightest Gamma-Ray Burst Yet Lit Up the Sky”. Sky & Telescope. (2022年10月17日). https://skyandtelescope.org/astronomy-news/brightest-gamma-ray-burst-yet-lit-up-the-sky/ 2022年10月27日閲覧。 
  8. ^ “Telescopes Standing Sentry”. NOIRLab (2022年10月14日). 2023年11月19日閲覧。
  9. ^ Tiengo, Andrea; Pintore, Fabio; Vaia, Beatrice et al. (2023). “The power of the rings: the GRB 221009A soft X-ray emission from its dust-scattering halo”. The Astrophysical Journal Letters 946 (1): L30. arXiv:2302.11518. Bibcode: 2023ApJ...946L..30T. doi:10.3847/2041-8213/acc1dc. ISSN 2041-8205. 
2022年に発見された天体
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主な太陽系外惑星
  • 2022年に発見された太陽系外惑星の一覧
  • GJ 514(b)
  • GJ 1002(b・c)
  • K2-2016-BLG-0005L(b
  • K2-384(b・c・d・e・f)
  • LP 890-9(b・c
  • TOI-174(d・e・f)
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  • TOI-1246(b・c・d・e)
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