イギリスの司法

この記事は
イギリスの政治と政府
に関する記事群の一部である。
  • 憲法
    • 内閣執務提要(英語版)
    • アースキン・メイ
  • 課税(英語版)
国王

議会
(第57議会期)

  • 国王チャールズ3世
貴族院
  • 議長
    • アルクリィースのマクフォール男爵
庶民院

司法府

  • 長官(英語版)
    • ニューバーガー卿(英語版)
  • 副長官(英語版)
    • ヘイル嬢(英語版)
  • 最高裁判所判事(英語版)

  • イギリスの裁判所(英語版)
  • イングランド及びウェールズの裁判所(英語版)
  • スコットランドの裁判所(英語版)
  • 北アイルランドの裁判所(英語版)
  • 合同閣僚委員会(英語版)
  • スコットランド
  • ウェールズ
  • 北アイルランド
    • 執行府(英語版)
    • 議会
  • 保留事項(英語版)
  • 議会選挙区(英語版)
  • 政党
  • 最新選挙
  • 次回選挙(英語版)
  • 国民投票(英語版)
ポータルアイコン イギリスポータル
  • 他国の政治
  • 地図
  • ポータルアイコン 政治学ポータル

イギリスの司法(イギリスのしほう)は単一の司法府によるものではなく、イングランドウェールズ北アイルランドスコットランドそれぞれに議会があるのと同様に、それぞれに司法制度があるが、共通の部分もある。法律の体系もイングランド法体系(英語版)ウェールズ法体系(英語版)北アイルランド法体系(英語版)スコットランド法体系が存在するが併せて英国法と呼ばれている。イギリス全地域を管轄する裁判所もある。

全地域管轄の裁判所

連合王国最高裁判所、特別移民上訴委員会(SIAC)、雇用審判所(ET)、雇用上訴審判所(EAT)およびイギリスの各種審判所(英語版)は、イギリス全土において司法権を有する。

最高裁判所

詳細は「連合王国最高裁判所」を参照
沿革

連合王国最高裁判所(略称: UKSC)は、2005年憲法改革法に基づき2009年10月に、ロンドンシティ・オブ・ウェストミンスターのホースガード通りに在するミドルセックス・ギルドホール内に設立された。それまでのイギリスの最上級の裁判所は、ウェストミンスター宮殿にある貴族院の議員のなかでも法貴族(Law Lords)として知られる常任上訴貴族(Lords of Appeal in Ordinary)が実施していた貴族司法機能(英語版)であり、これに他の貴族の裁判官が加わって連合王国最高裁判所となった。法貴族は終身官であったが、最高裁判所判事の定年は75才となった。

同じ建物に入っている枢密院司法委員会(英語版)が担当していた権限移譲に関する裁判権も最高裁判所に引き継がれた[2][3][4]

連合王国最高裁判所の判事は最高裁判所裁判官(Justices of the Supreme Court)と呼ばれ、枢密院議員を兼務する。また、高等法院の判事と同じく、ロード(Lord) あるいはレディー(Lady)の儀礼称号を与えられる[5]。連合王国最高裁の判事は法廷内で法服やかつらを使用しないが、儀礼的な行事に際しては、かつらは被らないものの、金色のレース付きの黒色のダマスク織の法服を着用する。

管轄

連合王国最高裁判所は、イングランドとウェールズ北アイルランドでは終審となるが、スコットランドについては民事事件のみを取り扱うこととなっており[6] 、スコットランドの刑事事件の終審はスコットランド高等裁判所(英語版)である[7][注釈 1]

一方、英国裁判所の管轄外で英国最高裁の判事が、中国からの独立運動が生じた香港の最高裁のメンバーとして裁判を行ったことがある[注釈 2]

構成

最高裁判所は連合王国最高裁判所長官(英語版)副長官(英語版)および判事10名の12名で構成される。判事に欠員が生じた場合には、貴族院議長が独立の判事選出委員会を招集する。委員は、最高裁判所長官、最高裁判事以外の判事1名、各地域の判事選出委の委員、法律家でない者少なくとも1名が選任されることとなっており、委員らは最高裁判事の候補者を選出する。貴族院議長が候補者を承認すれば総理大臣が任命を行う。

審判所

イギリスの審判所は主席審判所所長(Senior President of Tribunals)が率いる[9]

選挙裁判所

選挙裁判所(英語版)は、1983年国民代表法に基づいて設置される裁判所である。議員選挙に関する請願を扱うが、地方総選挙とイギリス総選挙のどちらの選挙に関するものかにより裁判手続が異なる。ただし、いずれも訴えが提起されたときに各地域に裁判所が設けられ、裁判が終われば裁判所も解散する。イギリス総選挙に関しては2000年以降、4件の裁判が行われた[10]

イングランドとウェールズの司法

裁判所

貴族院(House of Lords)、控訴院(Court of Appeal)、高等法院(High Court of Justice)、刑事法院(Crown Court)、県裁判所(County Court)、治安判事裁判所(Magistrates' Court)の6種類の裁判所がある。他、検屍官裁判所、軍事裁判所、公正取引裁判所、教会裁判所等、特別裁判所がある[11]

刑事司法

警察

公訴提起は、原則として警察が私人訴追(英語版)の形式で刑事法院(英語版)で行っている[11]

検察庁(Crown Prosecution Service)

1985年に犯罪訴追法(Prosecution of Offenses Act 1985)に基づいて検察庁が設置され、警察等が訴追した事件を引き継いで治安判事裁判所において公判を遂行する権限を有することとされた。ロンドンの検察庁本部のほか、地方検察庁が42 箇所設けられている[11]

重大犯罪捜査庁(Serious Fraud Office)

複雑な経済犯罪に対処するため、1987 年刑事司法法(Criminal Justice Act 1987)により創設された重大経済犯罪捜査庁がある[11]

弁護士会・弁護士

弁護士は、バリスタ(法廷弁護士)とソリスタ(事務弁護士)に分かれている。法廷弁護士全体を統括するバー・カウンシル(英語版)は法定弁護士の資格要件、弁護士養成制度等を定めている。法定弁護士は4つのインズ・オブ・コート(英語版)のいずれかに所属する[11]

脚注

[脚注の使い方]
注釈
  1. ^ スコットランドにおける最上級の民事裁判所は、1532年に王のジェームズ5世がローマ教皇教皇勅書を得て設立したセッション裁判所(英語版)で、エジンバラ議会(英語版)内に設けられている。
  2. ^ 2022年2月、香港の労働党の議員が法廷侮辱罪で実刑となった[8]
出典
  1. ^ “英国・公的機関改革の最近の動向”. 内閣官房. 2020年7月2日閲覧。
  2. ^ “Constitutional reform: A Supreme Court for the United Kingdom” (PDF). Department for Constitutional Affairs. 2009年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月2日閲覧。
  3. ^ “Part 3, Constitutional Reform Act 2005”. Acts of the Parliament of the United Kingdom 4: p. 3. (2005年3月24日). http://www.statutelaw.gov.uk/documents/2005/4/ukpga/c4/part3 2009年9月2日閲覧。 
  4. ^ Devolved, reserved and excepted matters (UK).
  5. ^ “Press release: Courtesy titles for Justices of the Supreme Court”. Supreme Court of the United Kingdom (2010年12月13日). 2011年2月18日閲覧。
  6. ^ “Role of the Supreme Court”. Supreme Court of the United Kingdom. 2009年9月2日閲覧。
  7. ^ “Section 40, Part 3, Constitutional Reform Act 2005”. Acts of the Parliament of the United Kingdom 4: p. 3(40)(3). (2005年3月24日). http://www.statutelaw.gov.uk/documents/2005/4/ukpga/c4/part3/40 2009年9月2日閲覧. "An appeal lies to the Court from any order or judgment of a court in Scotland if an appeal lay from that court to the House of Lords at or immediately before the commencement of this section." 
  8. ^ 『英国最高裁判事リード卿の判決、香港議会議員が実刑』(英語版)、2022年2月18日。アイルランド法律新聞。
  9. ^ “Part 1, Tribunals, Courts and Enforcement Act 2007”. Acts of the Parliament of the United Kingdom 2007 c.15. (2007年7月19日). http://www.legislation.gov.uk/ukpga/2007/15/part/1 2011年2月14日閲覧。 
  10. ^ イギリスの議会選挙裁判の一覧(英語版)
  11. ^ a b c d e 官邸(日本)資料

参考文献

  • “Britannica Student Encyclopedia - The Judiciary”. 2007年8月9日閲覧。
  • 司法制度改革審議会事務局
    • 『諸外国の司法制度の概要』- イギリスフランスドイツアメリカの制度
    • 『「諸外国の司法制度概要」の説明』(第5回司法制度改革審議会文書)。 1999年10月26日。

関連項目

外部リンク

  • 裁判所及び審判所の司法制度(英語版) - イギリス政府


イギリスの旗 イギリス関連の主要項目
地理
地方行政区画
自然地理
歴史
政治
経済
軍事
社会
文化
構成国
イングランドの旗 イングランド
北アイルランド
  • 地理
  • 歴史
  • 行政
  • 政府
  • 議会
  • 首相
  • 政治
  • 経済
  • 教育
  • 医療
  • 宗教
  • 観光
  • 文化(料理
  • 象徴
スコットランドの旗 スコットランド
ウェールズの旗 ウェールズ
  • 地理
  • 歴史
  • 政府
  • 議会
  • 首相
  • 政治
  • 経済
  • 教育
  • 医療
  • 宗教
  • 観光
  • 文化(料理 - 服飾
  • 象徴
  • ポータル ポータル
  • カテゴリ カテゴリ(関連する一覧)
スタブアイコン

この項目は、法分野に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:法学/PJ:法学)。

  • 表示
  • 編集