イノセント
この項目では、映画について説明しています。ローマ教皇については「インノケンティウス (曖昧さ回避)」を、その他の用法については「イノセント (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
イノセント | |
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L'innocente | |
監督 | ルキノ・ヴィスコンティ |
脚本 | スーゾ・チェッキ・ダミーコ エンリコ・メディオーリ(イタリア語版) ルキノ・ヴィスコンティ |
原作 | ガブリエーレ・ダヌンツィオ |
製作 | ジョヴァンニ・ベルトルッチ |
出演者 | ジャンカルロ・ジャンニーニ ラウラ・アントネッリ ジェニファー・オニール |
音楽 | フランコ・マンニーノ(イタリア語版) |
撮影 | パスクァリーノ・デ・サンティス |
編集 | ルッジェーロ・マストロヤンニ(イタリア語版) |
配給 | チネリッツ 日本ヘラルド映画 |
公開 | 1976年5月18日 1979年3月31日(修正版) |
上映時間 | 129分 |
製作国 | イタリア フランス |
言語 | イタリア語 |
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『イノセント』(イタリア語: L'innocente / フランス語: L'Innocent,「罪なき者」の意味)は、1976年公開のイタリア・フランス合作映画である。監督はルキノ・ヴィスコンティ。カラー、スコープサイズ(テクノビジョン、2.35:1)、129分。
ガブリエーレ・ダヌンツィオの長編小説『罪なき者』(L'innocente )が原作で、映画の冒頭でめくられている書物は刊行当時の同書。『ルートヴィヒ』撮影中に心臓発作で倒れたヴィスコンティが、その後残った左半身マヒのまま車椅子に乗りながら演出を手掛け、ダビングの完成を待たずに死去したため、彼の遺作となった。
近年、同作のオリジナルネガは保存状態が悪く経年劣化が見られたが、『山猫』同様ジュゼッペ・ロトゥンノの監修により復元が行われ、2002年に作業が完了した。
日本ではヴィスコンティ没後の1979年に公開されたが、男性性器などに修正が加えられていた。2006年にヴィスコンティの生誕百年祭特集として上記の修復版が『イノセント【完全復元&無修正版】』として公開された。
相違
この映画は、ヴィスコンティやスーゾ・チェキ・ダミーコの意図によって施された原作との相違が見られる。
- 不倫相手
- トゥリオの不倫相手テレーザ、及びジュリアーナの不倫相手フィリッポは、映画と比べると小説ではほとんど出番がない。特にテレーザは、小説では物語の冒頭で別れたことになっている。また、映画ではトゥリオがフィリッポの裸体を見てねたむ場面があるが、小説では彼の肉体は貧弱なものとして描かれている。
- 子供
- ジュリアーナは自分が産んだ赤子に、小説では深い愛を注いでいるが、映画ではわざと邪険に扱っている。
- 結末
- 小説はトゥリオが子供を殺し、その葬式の描写で物語が終わる。しかし、映画では彼がジュリアーナとテレーザの両方から見捨てられ、ピストル自殺を遂げるという最期になっている。
スタッフ
- 監督:ルキノ・ヴィスコンティ
- 製作:ジョヴァンニ・ベルトルッチ
- 脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ、エンリコ・メディオーリ(イタリア語版)、ルキノ・ヴィスコンティ
- 音楽:フランコ・マンニーノ(イタリア語版)
- 撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス
- 編集:ルッジェーロ・マストロヤンニ(イタリア語版)
- 配給:チネリッツ
キャスト
- トゥリオ・エルミル:ジャンカルロ・ジャンニーニ(吹き替え:角野卓造)
- ジュリアーナ:ラウラ・アントネッリ(吹き替え:平淑恵)
- テレーザ・ラッフォ:ジェニファー・オニール(吹き替え:三浦真弓)
- ステファノ・エガーノ伯爵:マッシモ・ジロッティ(吹き替え:小瀬格)
- フェデリコ・エルミル:ディディエ・オードパン(フランス語版)
- 侯爵夫人:マリー・デュボワ(フランス語版)
- フィリッポ・ダルボリオ:マルク・ポレル(フランス語版)(吹き替え:原康義)
- トゥリオの母:リナ・モレリ(イタリア語版)(吹き替え:荒木道子)
- 吹き替え初回放映 - 1984/01/03(水) フジテレビ
関連書籍
- L'Innocente ガブリエーレ・ダヌンツィオ、Dedalus(英訳版)、1991年
- ガブリエーレ・ダヌンツィオ 『罪なき者』
- 脇功訳、ヘラルド出版、1979年/ヘラルド映画文庫、1982年
- 改訳版 『罪なき者 薔薇小説〈2〉』 脇功訳、松籟社、2008年。ISBN 4879842648
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