カルロス・マルティネス

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カルロス・マルティネス
Carlos Martínez
セントルイス・カージナルス時代
(2018年9月18日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 プエルト・プラタ州プエルト・プラタ
生年月日 (1991-09-21) 1991年9月21日(32歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
185 lb =約83.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 アマチュア・フリーエージェント
初出場 2013年5月3日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
WBC 2017年
この表について
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プロジェクト:野球選手  ■テンプレート

カルロス・エルネスト・マルティネスCarlos Ernesto Martinez , 1991年9月21日 - )は、 ドミニカ共和国プエルト・プラタ州出身のプロ野球選手投手)。右投右打。フリーエージェント(FA)。愛称は"ツナミ"("Tsunami")[1]

経歴

プロ入り以前

2009年2月6日にボストン・レッドソックスと15万ドルで契約に合意したが、MLBに提出した書類に虚偽の姓名(「カルロス・マティアス」)と生年月日を記載したため、3月1日に契約は無効となり、MLB球団との契約が1年間凍結された[2]

プロ入りとカージナルス時代

2010年4月20日にセントルイス・カージナルスと15万ドルで契約。ルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・カージナルスで12試合に登板し、3勝2敗、防御率0.76だった。

2011年はA級クァットシティズ・リバーバンディッツ(英語版)で8試合に登板し、3勝2敗・防御率2.33だった。6月にA+級パームビーチ・カージナルス(英語版)へ昇格。オールスター・フューチャーズゲームに選出された[3]。A+級パームビーチでは10試合に登板し、3勝3敗・防御率5.28だった。

2012年はA+級パームビーチで7試合に登板し、2勝2敗・防御率3.00だった。6月にAA級スプリングフィールド・カージナルスへ昇格。15試合に登板し、4勝3敗・防御率2.90だった。

2013年はAA級スプリングフィールドで開幕を迎え、5月3日にメジャー初昇格を果たし[4]、同日のミルウォーキー・ブルワーズ戦でメジャーデビュー。5点リードの7回裏から登板し、1回を投げ1安打無失点に抑えた。5月27日にAAA級メンフィス・レッドバーズへ降格[5]。7月11日に再昇格し[6]、7月25日にAAA級へ降格[7]。8月8日に再昇格し[8]、同日のロサンゼルス・ドジャース戦に先発起用されたが、4.2回を投げ1本塁打を含む7安打4失点3四球と結果を残せず、初黒星を喫した[9]。8月10日にAAA級へ降格[10]。8月23日にジェイク・ウェストブルック故障者リスト入りしたことに伴い再昇格した[11]。8月26日のシンシナティ・レッズ戦で1点ビハインドの6回表から登板。2回を投げ2安打1失点だったが、7回裏にカージナルスが一挙5点を挙げ逆転したため、メジャー初勝利を挙げた[12]。8月28日にAA級へ降格。セプテンバー・コールアップで登録枠が拡張した9月3日に再昇格した。この年は21試合(中継ぎとして20試合)に登板し、2勝1敗1セーブ、防御率5.08だった。

2014年は主に中継ぎとしてメジャーに定着した。6月中旬にマイケル・ワカ、ハイメ・ガルシアが故障で離脱したことに伴い、そこから7試合に先発登板したが、32.1イニングで防御率4.45で、大炎上はなかったものの最長で6イニングしか投げられなかった。オフに事故死したオスカー・タベラスと同じドミニカ共和国出身で親しかったこともあり背番号を「18」に変更した。

2015年先発ローテーションの5番手として開幕を迎えた。前半だけで10勝、防御率2.52の好成績を残した。オールスターゲームの34人目の選手を決める最終投票で選出されたが、登板機会はなかった。9月25日のブルワーズ戦で先発したが、わずか7球を投げ、肩の痛みで降板した[13]。その後60日間の故障者リストに登録され、チームはプレーオフに出場しながらも、マルティネスは登板できなかった。この年、14勝(リーグ7位タイ)、防御率3.01(同10位)、チーム3位の179.2イニング、チーム1位の184奪三振を記録し、チームの地区3連覇に大きく貢献した。奪三振率9.2は球団で歴代3位の記録であった[14]

2016年は31試合に先発登板して防御率3.04・16勝9敗・174奪三振・WHIP1.22という見事な成績を記録。防御率はリーグ9位、勝ち星は同5位タイだった。また、奪三振はチームトップであり[15]、先発ローテーションに並居る実力派投手たちを差し置いて、エース格として君臨した。

2017年はシーズン開幕前の2月2日に2021年までの5年総額5100万ドル(2022年・2023年にそれぞれ球団側選択オプションあり)で契約延長した[16]。2月8日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ドミニカ共和国代表に選出された[17]。レギュラーシーズンでは初の開幕投手を務めるなど32試合に先発。自身初となる年間200イニング・200奪三振を達成したが、防御率は3.64で12勝と前年ほどは伸びなかった。開幕戦で8回途中無失点、5月20日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で9回無失点でも白星が付かないなどの不運もあった。6月10日に先発したフィラデルフィア・フィリーズ戦では9回に100.2mphを記録したが、MLBでは2008年のジャスティン・バーランダータイガース)以来9年ぶりの快挙であった[18]

2018年は5月と7月に故障者リスト入りし[19]、8月下旬に復帰後はリリーフに配置転換となった。リリーフとしては15試合に登板し、5回のセーブ機会を全て成功させた[20]

2019年回旋腱板の故障のため出遅れ[20]、シーズン初登板は5月下旬となった[21]。中継ぎとして登板していたが、6月下旬にクローザージョーダン・ヒックスが靭帯を損傷しトミー・ジョン手術を行うため戦線離脱してからは、クローザーを務めることになり[21]、シーズン通算で24セーブを挙げて役目を果たした[20]

2020年COVID-19の影響で60試合制の短縮シーズンとなる中、先発に戻り5試合に登板したが、未勝利に終わった[20]

2021年は先発として4勝を挙げていたが、7月4日の試合で右手親指の靭帯を損傷し、7月9日に60日間の故障者リストに入った[22]。修復手術を行い、以降はリハビリのためシーズン終了まで登板はなかった。2017年に結んだ5年契約はこの年で終了したが、オプションの契約延長はなく、オフの11月4日にFAとなった。冬季は母国ドミニカ共和国のウィンターリーグであるリーガ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル・デ・ラ・レプブリカ・ドミニカーナ(LIDOM)に参加し、アギラス・シバエーニャスでプレーした。カリビアンシリーズにも出場ている。

ジャイアンツ傘下時代

2022年3月19日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだ[20]。4月28日にマイナーでも登板機会がないまま自由契約となった[20]

レッドソックス傘下時代

2022年5月7日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結んだ[20]。AAA級ウースター・レッドソックス(英語版)2試合に先発登板したが、4.1イニングを10失点、防御率20.77と結果を残せず、5月17日に自由契約となった[20][23]

メキシカンリーグ時代

2023年2月14日にメキシカンリーグティフアナ・ブルズと契約を結んだ[24]。5先発で、22.1回を投げ1勝0敗防御率7.15で17奪三振だった。5月19日に放出された[25]

6月24日にモンクローバ・スティーラーズと契約を結んだ[26]。3先発で、10.1回を投げ1勝0敗で防御率6.97だった。7月10日に放出された[27]

選手としての特徴

スリークォーターから、最速球速101.3mph(約163km/h)・平均96mph(約155km/h)のフォーシーム、平均95mph(約153km/h)のシンカー、平均85mph(約137km/h)のスライダー、平均87mph(約140km/h)のチェンジアップなどを使用する。 GB%がメジャー通算55%と高く、基本的にはシンカーなどで打ち取るピッチングスタイル。通算奪三振率は8.5とやや高く、奪三振能力もある[28]。 メジャーのスターターの中でも屈指の速球の速さを誇っており、2016年における平均球速は95.6mph(約153.9km/h)と、規定投球回に到達した投手の中ではノア・シンダーガードヨーダノ・ベンチュラに次いでの数値であった。 通算対右被OPSが.594なのに対し、通算対左被OPSは.760と左打者を苦手としている。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2013 STL 21 1 0 0 0 2 1 1 3 .667 124 28.1 31 1 9 1 3 24 0 0 16 16 5.08 1.41
2014 57 7 0 0 0 2 4 1 17 .333 386 89.1 90 4 36 8 4 84 8 1 41 40 4.03 1.41
2015 31 29 0 0 0 14 7 0 1 .667 755 179.2 168 13 63 5 8 184 8 1 65 60 3.01 1.29
2016 31 31 0 0 0 16 9 0 0 .640 809 195.1 169 15 70 1 11 174 8 0 68 66 3.04 1.22
2017 32 32 2 2 0 12 11 0 0 .522 858 205.0 179 27 71 3 8 217 9 0 93 83 3.64 1.22
2018 33 18 0 0 0 8 6 5 3 .571 521 118.2 100 5 60 4 11 117 5 0 48 41 3.11 1.35
2019 48 0 0 0 0 4 2 24 3 .667 200 48.1 39 2 18 1 3 53 2 0 18 17 3.17 1.18
2020 5 5 0 0 0 0 3 0 0 .000 104 20.0 32 6 10 2 0 17 0 0 26 22 9.90 2.10
2021 16 16 0 0 0 4 9 0 0 .308 363 82.1 77 8 36 2 11 57 3 0 58 57 6.23 1.37
MLB:9年 274 139 2 2 0 62 52 31 27 .544 4120 967.0 885 81 373 27 59 927 43 2 433 402 3.74 1.30
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



投手(P)












2013 STL 21 4 3 0 1 1.000
2014 57 11 23 1 2 .971
2015 31 18 26 2 3 .957
2016 31 25 17 3 3 .933
2017 32 12 12 4 4 .857
2018 33 8 19 3 3 .900
2019 48 6 7 1 0 .929
2020 5 3 3 1 1 .857
2021 16 10 9 1 0 .950
MLB 274 97 119 16 17 .931
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録

背番号

  • 62 (2013年)
  • 44 (2014年)
  • 18 (2015年 - )

記録

脚注

  1. ^ Cards' Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月20日閲覧
  2. ^ Jesse Sanchez (2013年10月22日). “Once a Red Sox prospect, Martinez happy with Cards”. MLB.com. 2014年3月11日閲覧。
  3. ^ “2011 All-Star Futures Game World Team Roster”. MLB.com. 2014年3月11日閲覧。
  4. ^ “Cardinals purchase RHP Carlos Martinez from Springfield”. MLB.com Cardinals Press Release (2013年5月3日). 2014年3月11日閲覧。
  5. ^ “Cardinals recall reliever Victor Marte”. MLB.com Cardinals Press Release (2013年5月27日). 2014年3月11日閲覧。
  6. ^ “Cards Recall Rhp Carlos Martinez From Memphis; Pitcher Michael Blazek Optioned To Triple-A Club”. MLB.com Cardinals Press Release (2013年7月11日). 2014年3月11日閲覧。
  7. ^ “Cardinals recall Marc Rzepczynski from Memphis”. MLB.com Cardinals Press Release (2013年7月27日). 2014年3月11日閲覧。
  8. ^ “Cards recall Martinez & Freeman from Memphis”. MLB.com Cardinals Press Release (2013年8月8日). 2014年3月11日閲覧。
  9. ^ “Scores for Aug 8, 2013”. ESPN MLB (2013年8月8日). 2014年3月11日閲覧。
  10. ^ “Cards recall RHP Michael Wacha from Memphis”. MLB.com Cardinals Press Release (2013年8月11日). 2014年3月11日閲覧。
  11. ^ “Cardinals place Jake Westbrook on 15-day D.L.”. MLB.com Cardinals Press Release (2013年8月23日). 2014年3月11日閲覧。
  12. ^ “Scores for Aug 26, 2013”. ESPN MLB (2013年8月26日). 2014年3月11日閲覧。
  13. ^ “Tight shoulder ends Martinez's night in first inning”. MLB.com (2015年9月25日). 2015年12月26日閲覧。
  14. ^ “St. Louis Cardinals Top 10 Pitching Leaders”. Baseball Reference.com. 2015年12月26日閲覧。
  15. ^ 2016 St. Louis Cardinals Pitching Statistics - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年12月9日閲覧。
  16. ^ “MLB=カージナルス、マルティネスと5年契約”. ロイター (2017年2月3日). 2017年12月3日閲覧。
  17. ^ DR aims to defend title as WBC '17 roster set MLB.com (英語) (2017年2月15日) 2017年3月16日閲覧
  18. ^ Jenifer Langosch (2017年6月10日). “Cardinals' Carlos Martinez fires complete game” (英語). MLB.com. 2018年2月17日閲覧。
  19. ^ Jenifer Langosch (2018年7月22日). “C-Mart placed on DL with oblique strain”. MLB.com. 2022年5月21日閲覧。
  20. ^ a b c d e f g h MLB公式プロフィール参照。2022年5月21日閲覧。
  21. ^ a b “Carlos Martinez 2019 Pitching Game Logs”. Baseball-Reference.com. 2022年5月21日閲覧。
  22. ^ Zachary Silver (2021年7月9日). “Martínez to IL with torn right thumb ligament”. MLB.com. 2022年5月21日閲覧。
  23. ^ Steve Adams (2022年5月19日). “Red Sox Release Carlos Martinez”. MLB Trade Rumors. 2022年5月21日閲覧。
  24. ^ “Former MLB Carlos 'Tsunami' Martínez signs with Mexican League team” (英語). albat.com. 2023年4月3日閲覧。
  25. ^ “Carlos Martinez Stats, Fantasy & News” (英語). milb.com. 2023年5月21日閲覧。
  26. ^ “ACEREROS REFUERZA BATEO Y PITCHEO DE CARA A RECTA FINAL DE TEMPORADA: ¡BIENVENIDOS KEON BROXTON Y CARLOS 'TSUNAMI' MARTÍNEZ!” (Spanish). acereros.com.mx (2023年6月24日). 2023年6月24日閲覧。
  27. ^ “LMB: Movimientos en listas de reserva - 10 de julio de 2023” (スペイン語). MiLB.com (2023年7月10日). 2023年7月17日閲覧。
  28. ^ FanGraphs

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、カルロス・マルティネスに関連するカテゴリがあります。
  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Carlos Martinez stats MiLB.com (英語)
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セントルイス・カージナルス開幕投手
1880年代
1890年代
1900年代
  • 00 サイ・ヤング
  • 01 ジャック・パウエル
  • 02 スタン・ヤーキス
  • 03 クラランス・クリー
  • 04 ジャック・テイラー
  • 05 チャッピー・マクファーランド
  • 06 ジャック・テイラー
  • 07 アート・フローム
  • 08 ジョニー・ラッシュ
  • 09 ジョニー・ラッシュ
1910年代
  • 10 ビック・ウィリス
  • 11 スリム・サリー
  • 12 ボブ・ハーモン
  • 13 ダン・グリナー
  • 14 ダン・グリナー
  • 15 スリム・サリー
  • 16 ビル・ドーク
  • 17 リー・メドーズ
  • リー・メドーズ
  • 19 ジェイキー・メイ
1920年代
1930年代
1940年代
  • 40 カート・デイビス
  • 41 ロン・ワーネク
  • 42 モート・クーパー
  • 43 モート・クーパー
  • 44 マックス・ラニアー
  • 45 テッド・ウィルクス
  • 46 ジョニー・ビーズリー
  • 47 ハウイー・ポレット
  • 48 ムリー・ディックソン
  • 49 ハリー・ブラキーン
1950年代
  • 50 ジェリー・ステイリー
  • 51 トム・ポホルスキー
  • 52 ジェリー・ステイリー
  • 53 ジェリー・ステイリー
  • 54 ハービー・ハディックス
  • 55 ブルックス・ローレンス
  • 56 ウィルマー・ミゼル
  • 57 ハーム・ウェマイアー
  • 58 ウィルマー・ミゼル
  • 59 ラリー・ジャクソン
1960年代
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