クラグリン

Kraglin
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場『テイルズ・トゥ・アストニッシュ』#46(1963年8月)
クリエイタースタン・リー
ドン・ヘック
アーニー・ハート
作中の情報
種族A-チリタリアン
所属チームラヴェジャーズ
能力一度に複数の方向を視認できる多面的な目

クラグリンKraglin)は、マーベル・コミックが出版するコミック作品に登場するキャラクターである。スタン・リーとドン・ヘック、アーニー・ハートによって創造され、1963年8月の『テイルズ・トゥ・アストニッシュ』第46号でデビューした[1]。彼は“ラヴェジャーズ”のメンバーである。

発行履歴

クラグリンは惑星“A-チリターIII”のエイリアン種族“A-チリタリアン”であり、多面的な目と毛皮のような紫色の姿をしている。ハンク・ピム/アントマンとジャネット・ヴァン・ダイン/ワスプに敗れた一回限りのヴィランとして登場した[2][3]

その出演の後、クラグリンはチャド・バウワーズ、クリス・シムズ、ダニロ・ベイルースによる2017年8月の『オール・ニュー・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・アニュアル』第1号で復帰した[4][5]

キャラクター経歴

クラグリンは、ギリシャで仲間のA-チリタリアンと共に地球を乗っ取る計画のため、モンスターの“サイクロプス”を利用して人々を捕獲させていたところ、アントマンとワスプに遭遇し、敗北した[6]

『シークレット・エンパイア』のストーリーでクラグリンは、ヨンドゥ・ウドンタの“ラヴェジャーズ”のメンバーとして再登場した[7]

能力

多面的な目により、一度に複数の方向を視認することができる[6]

MCU版

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では、ショーン・ガンクラグリン・オブフォンテリKraglin Obfonteri)を演じる。日本語吹替は土田大が担当。

本項は、“アース616”(正史の宇宙)におけるクラグリンを主軸として表記する。

キャラクター像

ラヴェジャーズ”の一部隊の一等航海士兼船長補佐を務める長身痩躯の男性で、生まれた頃からラヴェジャーズとして生きてきたザンダー星人。船長であるヨンドゥ・ウドンタに忠実に付き従い、助力する。その一方で、ピーター・クイル/スター・ロードに思い入れを持つヨンドゥに若干不満を抱いていたが、少年時代のクイルをメンターとして鍛えていた時期もあった[8]。みすぼらしいラヴェジャーズのジャケット[8]に身を包み、ドラックスやネビュラに馴れ馴れしく接して睨まれたり、宇宙船内での待機中に1人で音楽を聴きながら寛ぐなど、どこか三枚目的な様子も見せる。

ザ・ブリップ”後には、クイルたち“ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー”に加わり、彼らと行動を共にするようになる。

『ホワット・イフ...?』版

現在のところ、“アース21818”のクラグリンの存在が描写されている。ラヴェジャーズの一員として働くものの、後述の失態を犯すなど、正史のクラグリンと異なり、愚昧な部下として描写される。

ツール

ディスラプター銃[8]
右腰に下げたホルスターハーネスに挿して携行するハンドガン。
ヤカの矢[9][8]
“ヤカメタル”製[9]の一本の矢。口笛を吹くことでコントロールし、敵を射抜く。
以前はヨンドゥが愛用していた武器だったが、彼の死後には、クイルにクラグリンへ受け継がれた。
フィン[8]
ヤカの矢のコントローラー。ヨンドゥと同様に、ヤカの矢を入手したクラグリンの頭頂部に埋め込まれるようになる。

各作品における活躍

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
本作でMCU初登場。ヨンドゥと同様にクイルの父親を知っている様子も見せた。
惑星“モラグでのクイル捜索からヨンドゥをサポートし、惑星“ザンダー”での戦闘でも自らMシップを操縦して“ダーク・アスター”を攻撃した。戦闘後のガーディアンズの下から去る際には「立派に育った彼を父親に引き渡さなくて良かったですね」と、クイルへの評価を混ぜてヨンドゥに話す。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
本作においてもヨンドゥやガーディアンズをサポートする役割で登場する。
惑星“コントラクシア”でヨンドゥがアイーシャからガーディアンズ捕縛の依頼を引き受けると、自身もラヴェジャーズの一員として惑星“ベアハート”に出向き、そこにいたロケットをヨンドゥらと共に包囲したが、前述の不満から、テイザーフェイスらの謀反に乗じてヨンドゥを裏切ってしまう。
だがヨンドゥを支持する者全員を生身のまま宇宙空間に放逐して処刑させたテイザーフェイスに反感を抱き、ヨンドゥに頼まれて試作品のフィンを取りに行ったベビー・グルートを助けてヨンドゥに寝返ることになる。それからは宇宙船“クオドラント3”の操縦担当となり、“エゴの星”でエゴに挑むヨンドゥやガーディアンズたちに加わると、危機に瀕したガーディアンズたちをクオドラント3に乗せ、救出した。
事後はクイルへ、ヨンドゥがプレゼント用に買っていたZuneを渡し、代わりにヨンドゥの形見となったヤカの矢を引き継ぐ。そしてヨンドゥの葬儀を執り行ってくれたラヴェジャーズ全隊に感激し、ミッド・クレジットではヤカの矢を飛ばす練習をするも、使いこなせずに誤ってドラックスの肩を射抜いてしまった。

アベンジャーズ/エンドゲーム』のクライマックスにおける最終決戦に参戦している設定で、撮影も行われたが、クラグリンが登場した場面はカットされた[10]

ホワット・イフ...?』シーズン1第2話
アース21818におけるクラグリンが登場。ラヴェジャーズの一員として働くものの、1988年にヨンドゥからクイルの拉致を命じられた際には、ヴィブラニウムのエネルギー反応を捉えてワカンダに赴き、見た目だけでなく人種まで間違えてティ・チャラを回収する失態を犯した。現代においては、ティ・チャラたちとエンバーズ・オブ・ジェネシスをティヴァンから入手する作戦にも参加する。
『ソー:ラブ&サンダー』
本作から、ガーディアンズの一員として活動するようになる。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』

その他のメディア

テレビアニメ

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のシーズン2第15話『Back in Black』に、MCU版と同様の外観で登場。ジェームズ・アーノルド・テイラーが声をあてた[11]

ゲーム

LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ 2 ザ・ゲーム』では、MCU版と同様の外観で登場した[12]

脚注

注釈

出典

  1. ^ “82: Tales to Astonish (1958) #46 " ...When Cyclops Walks the Earth "”. cmro.travis-starnes.com. 2020年9月12日閲覧。
  2. ^ Carlisle, William (2017年4月30日). “All 5 Guardians of the Galaxy: Vol 2 Post-Credits Scenes Explained”. Geekfeed. 2017年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月3日閲覧。
  3. ^ Bleznak, Becca (2017年8月17日). “What the 'Guardians of the Galaxy Vol. 2' Characters Are Supposed to Look Like”. Cheatsheet. 2017年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月3日閲覧。
  4. ^ Berkowitz, Aaron (2017年6月28日). “ALL-NEW GUARDIANS OF THE GALAXY ANNUAL #1 Review: Return of the Ravagers”. ComicsVerse. 2019年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月3日閲覧。
  5. ^ Brooke, David (2017年6月28日). “All-New Guardians of the Galaxy Annual #1 Review”. Adventures in Poor Taste. 2018年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月3日閲覧。
  6. ^ a b Tales to Astonish #46. Marvel Comics.
  7. ^ All-New Guardians of the Galaxy Annual #1. Marvel Comics.
  8. ^ a b c d e キャラクター事典 2020, p. 115
  9. ^ a b ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 176
  10. ^ “『アベンジャーズ/エンドゲーム』クラグリンの削除シーンが判明 ─ ショーン・ガンが明かす”. 2019年9月5日閲覧。
  11. ^ “Voice Of Kraglin - Guardians of the Galaxy”. Behind The Voice Actors. 2019年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月3日閲覧。
  12. ^ Perry, Spencer (2017年12月19日). “LEGO Marvel Super Heroes 2 DLC adds Guardians Vol. 2 characters”. ComingSoon.net. 2018年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月19日閲覧。

参考文献

  • 『マーベル・スタジオ・ビジュアル・ディクショナリー』デアゴスティーニ・ジャパン、2019年。ISBN 978-4-8135-2270-6。 
  • 『マーベル・スタジオ キャラクター事典』株式会社うさぎ出版、2020年。ISBN 978-4-418-19429-2。