クロロベンジリデンマロノニトリル

クロロベンジリデンマロノニトリル
クロロベンジリデンマロノニトリルの構造式クロロベンジリデンマロノニトリルの分子モデル
IUPAC名1-クロロ-2-(2,2-ジシアノエテニル)ベンゼン
別名クロロベンザルマロノニトリル
CSガス
分子式C10H5ClN2
分子量188.61
CAS登録番号2698-41-1
形状無色固体
密度と相1.04 g/cm3, 固体
融点93 °C
沸点310 °C

クロロベンジリデンマロノニトリル(2-chlorobenzylidenemalononitrile)とは催涙ガスの一種[1][2]暴動鎮圧等に使用されている[3]。化合物名はクロロベンザルマロノニトリル(2-chlorobenzalmalononitrile)とも呼ばれる。1928年アメリカ合衆国のベン・コーソン(Ben Corson) とロジャー・ストートン(Roger Staughton)によって開発された。開発者2人の姓の最初の文字を取って CSガスと命名された。

散布時は、水溶液にしたものを噴霧する[3]。即効性があり、皮膚粘膜等から進入する[1]。灼熱感や結膜の充血、鼻汁、涙の流出等の症状が出るが、持久性は低い[1][3]。通常、暴露後、数分から数十分で回復するが、遅延性の紅斑が出現する場合があり、重篤になると数週間皮膚障害が残る可能性がある[3]

加水分解しやすく、アルカリ存在下で分解が加速される為、石鹸等で洗うと無毒化できる。

ニトリルを含む為、一般向けには販売されていない。

合成方法

2-クロロベンズアルデヒドとマロノニトリルを原料としてピペリジンを触媒に加え、クネーフェナーゲル縮合によって製造される。

クロロベンジリデンマロノニトリルの合成

脚注

  1. ^ a b c 催涙剤 (Lacrimators、Tear gas, Mace) 国立医薬品食品衛生研究所
  2. ^ 公益財団法人 日本中毒情報センター 化学テロ・化学災害対応体制(概要) P6
  3. ^ a b c d 生物・化学兵器への公衆衛生対策 WHOガイダンス,世界保健機関,2004年

関連項目

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外部リンク

  • 催涙ガスの歴史と科学 - ナショナルジオグラフィック日本版
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