シドニー市長

シドニー市長 (The Right Honourable Lord Mayor of Sydney) は、オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州シドニーの中心市街地に位置するシティ・オブ・シドニーの首長である。2004年より優先順位付投票制による選出で、任期は4年である[1]

大都市圏としてのシドニーは統計上定義された区域であって自治体ではなく、その中の一自治体であるシティ・オブ・シドニーは、大都市圏の中で特段の権限などがあるわけではない[2]。しかし、シドニー市長は大都市圏を代表して対外的に活動する場合もあり、姉妹都市交流などに際してはシティ・オブ・シドニー外の大都市圏内の施設が関わることもあるし[3]シドニー・オリンピックの際には、競技会場がシティ・オブ・シドニー外であったにもかかわらず、シドニー市長が組織段階から大きく関わっていた[4]

祭品

伝統的地位にふさわしく、チェーンとローブを着用する権利を有する。1902年、シドニー商工会議所が市長のチェーンを発注した。1903年、ニューサウスウェールズ州総督ハリー·ローソンはトーマス·ヒューズ市長にチェーンを与えた。これには、シドニー証券取引所、商工会議所の紋章、シドニーの市章が描かれたペンダントが付属している。連続して市長を務めると、メダリオンを追加したが、重過ぎ、大きすぎる為、この制度は1945年までに廃止された。近年、チェーンとローブは稀にある記念式典でのみ、小さいカラーは、公民義務として着用されている。

1842年より、アーミンでトリミングされた紫のローブと裁判官のようなドレスハットが正装であったが、現在は、市長、副市長のローブは黒のアーミンでトリミングされ、二角帽、レースのジャボと白い手袋を着用する[5]。近年は着用しないのが慣例となっている。

一覧

氏名 任期 役職名 政党
1 チャールズ・ウィンデイアー 1842年 Mayor なし
2 ジョン・ホスキング 1842年 - 1843年
3 ジェームズ・ロバート・ウィルシャー 1843年 - 1844年
4 ジョージ・アレン 1845年
5 ヘンリー・マクダーモット 1846年
6 トーマス・ブロートン 1847年
7 ジョシュア・フレイ・ジョゼフソン 1848年
8 エドワード・フロッド 1849年
9 ジョージ・ヒル 1850年
10 ウィリアム・エドワード・サーロウ 1851年 - 1852年
11 ダニエル・イーガン 1853年
ギルバート・エリオット 1854年 – 1856年 Commissioners
フレデリック・オーム・ダーヴァル
ジョン・レイ
12 ジョージ・ソーントン 1857年 Mayor
13 ジョン・ウィリアムズ 1858年
14 ジョージ・スミス 1859年
15 ジェームズ・マーフィー 1860年
16 ジョン・サザーランド 1861年
17 ジェームズ・オウトリー 1862年
18 トーマス・スペンス 1863年
19 ウィリアム・スピアー 1864年
20 ジョン・ウッズ 1865年
21 ジョン・サットン 1866年
22 チャールズ・ムーア 1867年 - 1869年
23 ウォルター・レニー 1869年 - 1870年
24 マイケル・チャップマン 1871年 - 1872年
25 ジェームズ・メリマン 1873年
26 スティーヴン・スタイルズ・グールド 1874年
27 ベンジャミン・パーマー 1875年 - 1876年
ジェームズ・メリマン 1877年 - 1878年
28 チャールズ・ジェームズ・ロバーツ 1879年
29 ロバート・フォウラー 1880年
30 ジョン・ハリス 1881年 - 1883年
31 ジョン・ハーディー 1884年
32 トマス・プレイフェア 1885年
33 ジョン・ヤング 1886
34 アルバン・ジョーゼフ・ライリー 1887年
35 ジョン・ハリス 1888年 - 1889年
36 シドニー・バーデキン 1890年 - 1891年
37 ウィリアム・パトリック・マニング 1891年 - 1894年
38 サミュエル・エドワード・リーズ 1895年
39 アイザック・エリス・アイヴズ 1896年 - 1897年
40 マシュー・ハリス 1898年 - 1900年
41 ジェームズ・グレアム 1901年 無所属
42 トーマス・ヒューズ 1902年
1902年 – 1903年 Lord Mayor
サミュエル・エドワード・リーズ 1904年
43 アレン・テイラー 1905年 - 1906年 市民改革
トーマス・ヒューズ 1907年 - 1908年 無所属
アレン・テイラー 1909年 - 1912年 市民改革
44 ジョージ・トーマス・クラーク 1912年 無所属
45 アーサー・コックス 1913年 市民改革
46 リチャード・ワトキンス・リチャーズ 1914年 - 1915年 無所属
47 リチャード・ミーガー 1916年 - 1917年 労働党
48 ジェームズ・ジョイントン・スミス 1918年 無所属
49 ジョン・イングリッシュ 1919年 労働党
50 リチャード・ワトキンス・リチャーズ 1919年 - 1920年 無所属
51 ウィリアム・パトリック・フィッツジェラルド 1920年 労働党
52 ウィリアム・ランバート 1921年
53 ウィリアム・マケルホン 1922年 無所属
54 デイヴィッド・ギルピン 1923年 - 1924年 市民改革
55 パトリック・ヴィンセント・ストークス 1925年 – 1926年 労働党
56 ジョン・ハロルド・モスティン 1927年
E・P・フレミング 1928年 – 1930年 Commissioners
J・ガーリック
H・E・モートン
ゴードン・ベネット
57 アーネスト・マークス 1930年 Lord Mayor 市民改革
58 ジョーゼフ・ジャクソン 1931年
59 サミュエル・ウォルダー 1932年
60 リチャード・ハゴン 1933年 無所属
61 アルフレッド・パーカー 1934年 - 1935年 市民改革
62 アーサー・マコルホン 1935年 無所属
63 アーチボルド・ウィー 1936年 - 1937年 市民改革
64 ノーマン・ノック 1938年 - 1939年 無所属
65 スタンリー・クリック 1940年 - 1942年 市民改革
66 レッグ・バートリー 1943年 - 1944年
67 ウィリアム・ハーディング 1945年 無所属
レジ・バートリー 1946年 - 1948年 市民改革
68 アーネスト・チャールズ・オデア 1949年 - 1952年 労働党
69 パット・ヒルズ 1953年 - 1956年
70 ハリー・ジェンセン 1956年 - 1965年
71 ジョン・アームストロング 1966年 - 1967年
ヴァーノン・トリット 1967年11月14日 - 1969年9月26日 Chief Commissioner
ジョン・ショー Deputy Chief Commissioner
ウィリアム・ウォルター・ペティンゲル Commissioner
72 ローレンス・エメット・マクダーモット 1969年 — 1972年 Lord Mayor 市民改革
73 デイヴィッド・グリフィン 1972年 - 1973年
74 ニコラス・シェアディ 1973年 - 1975年
75 レオ・ポート 1975年 - 1978年
76 ネルソン・ミアーズ 1978年 - 1980年
77 ダグ・サザーランド 1980年 - 1987年
エリック・ニール 1987年4月6日 Administrator
1987年4月6日 - 1988年12月31日 Chief Commissioner
ニコラス・シェアディ Deputy Chief Commissioner
ノーマン・オークス Commissioner
78 ジェレミー・ビンガム 1989年 — 1991年 Lord Mayor 市民改革
79 フランク・サーター 1991年 — 2003年 無所属
80 ルーシー・ターンブル 2003年 — 2004年
トニー・プーリー 2004年2月6日 - 2004年3月27日 Commissioners
ギャリー・ペイン
ルーシー・ターンブル
81 クローヴァー・ムーア 2004年 - 現在 Lord Mayor 無所属

参考文献

  1. ^ “Sydney City Council”. Local Government Elections 2012. Electoral Commission of New South Wales (2012年9月14日). 2012年9月15日閲覧。
  2. ^ “シドニー大都市圏における広域行政(シドニー市と近隣市との関係等)について” (PDF). 自治体国際化協会シドニー事務所. 2020年5月23日閲覧。 - 特にA1、Q2、Q6
  3. ^ 浅原正和「<論説>オーストラリアの"カモノハシ外交"を概観する:第二次世界大戦から現在まで」『三重大学教養教育機構研究紀要』第2号、三重大学教養教育機構、2017年3月31日、8頁“...シドニーで行われた姉妹都市提携10周年記念のパーティの席上で、ニュー・サウス・ウェールズ州...ティム・ムーア環境大臣(Timothy Moore)は、NSW 州立タロンガ動物園と東山動物園の姉妹動物園提携を提案した。その席で、サザーランド前シドニー市長(Doug Sutherland) が、「姉妹動物園になるなら、これまで門外不出だったカモノハシの寄贈に尽力したい」という発言をした...”  hdl:10076/00016816 - タロンガ動物園シティ・オブ・シドニー外のミュニシパリティ・オブ・モスマンに位置している。
  4. ^ 長峰登記夫「オーストラリアの労働組合による環境保護運動 : green banを例として」『大原社会問題研究所雑誌』第713号、法政大学大原社会問題研究所、2018年3月31日、44頁“...シドニーオリンピックは2000年に開催された。しかし、...シドニーは1970 年にはすでに準備を開始していた。当時のシドニー市長はその準備のために建設大手の役員を委員長に据えて、オリンピック市民会議を組織した。”  NAID 120006478548 - 2000年シドニーオリンピックは主会場のシドニー・オリンピック公園シティ・オブ・パラマッタにあるのをはじめ、ほとんどの関連施設がシティ・オブ・シドニー外に位置していた。
  5. ^ City of Sydney: Mace, chain and robes at City of Sydney official website
  • Mayors of Sydney at City of Sydney official website

外部リンク

  • List of Mayors at RULERS
  • Official website for the City of Sydney