ダグ・チャンドラー

ダグ・チャンドラー
1993年日本GP
グランプリでの経歴
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
活動期間 1991 - 1994
チーム スズキ、カジバ
レース数 54
優勝回数 0
表彰台回数 6
通算獲得ポイント 358
ポールポジション回数 2
ファステストラップ回数 0
初グランプリ 1991 500cc 日本
最終グランプリ 1994 500cc ヨーロッパ
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ジョン・ダグラス・"ダグ"・チャンドラーJohn Douglas "Doug" Chandler, 1965年9月27日 - )はアメリカ合衆国カリフォルニア州サリナス出身のオートバイレーサーである。1980年代から1990年代にかけて活躍した多才なライダーとして知られており、AMA史上4人しかいないグランドスラム(マイル、ハーフマイル、ショートトラック、TTのダート4種目とロードレースの全てで優勝すること)を達成したライダーのひとりでもある。2006年にはAMAモーターサイクル殿堂入りを果たした[1]

略歴

モトクロスで成功を収めたチャンドラーは、その後に始めたオーバルダートトラックレースでも頭角を現し、1983年にはAMAのルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。ロードレースにおける最初の勝利は1988年のミッド・オハイオ、プロ・ツインズクラスだった。1990年にはマジー・カワサキAMAスーパーバイクのタイトルを獲得[1]。同年にはスーパーバイク世界選手権にもスポット参戦し、ブレイナードと菅生のレースで勝利している[2]

1991年、チャンドラーはヨーロッパに渡ってロードレース世界選手権への参戦を開始した。この年はヤマハサテライトチームから出場してランキング9位を得る。そして翌1992年、スズキのワークス・チームに加入したチャンドラーはいくつかのレースではチームメイトでスズキのエースであるケビン・シュワンツを上回る速さを見せ、シーズンランキング5位を獲得した[3]

1993年1994年はイタリアのメーカーであるカジバからグランプリに参戦した。1993年の開幕戦オーストラリアGPで3位表彰台を獲得するという幸先の良いスタートを切ったチャンドラーだったが、チームのサポートは同じアメリカ人のチームメイトであるジョン・コシンスキーの方に集中しており、カジバでの2年間は思うような成績を残すことはできなかった[3][4]

1994年シーズン終了後にヨーロッパを離れ、翌年からはAMAスーパーバイク選手権に復帰。ハーレーダビッドソンのスーパーバイクマシン開発を担当した1995年は結果を出せなかったが、1996年に古巣のマジー・カワサキに戻ると2度目となるAMAスーパーバイクタイトルを獲得。翌1997年もAMAスーパーバイクチャンピオンとなり、フレッド・マーケル、レグ・プリッドモアに並ぶ3度目のタイトルを獲得した。1998年はスポット出場したスーパーバイク世界選手権ラグナ・セカラウンドで大きなクラッシュを演じたにもかかわらず、ベン・ボストロムに次ぐシーズンランキング2位となった[1]

2001年までカワサキで走ったチャンドラーは2002年にはドゥカティのマシンで戦った。ランキング8位となった2002年が、チャンドラーがシーズンを通してレースに出場した最後の年となった。しかし2003年にはこの年から始まったAMAスーパーモトにチャレンジし、持ち前の多才ぶりを発揮してこの新しいシリーズでも勝利を記録している[1]

引退後は、ライディングスクールで講師をしている[5]

主な戦績

ロードレース世界選手権

  • 凡例'
  • ボールド体のレースはポールポジション、イタリック体のレースはファステストラップを記録。
クラス チーム マシン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 順位 勝利数
1991 500cc ドゥカドス・ヤマハ YZR500 JPN
11
AUS
12
USA
NC
SPA
10
ITA
6
GER
9
AUT
7
EUR
9
NED
11
FRA
6
GBR
NC
RSM
9
CZE
10
VDM
7
MAL
NC
85 9位 0
1992 500cc ラッキーストライク・スズキ RGV-Γ500 JPN
2
AUS
5
MAL
5
SPA
10
ITA
4
EUR
3
GER
8
NED
NC
HUN
2
FRA
NC
GBR
NC
BRA
3
RSA
4
94 5位 0
1993 500cc カジバ GP500 AUS
3
MAL
9
JPN
11
SPA
NC
AUT
8
GER
6
NED
4
EUR
NC
RSM
-
GBR
DNS
CZE
9
ITA
10
USA
NC
FIM
4
83 10位 0
1994 500cc カジバ GP500 AUS
9
MAL
9
JPN
10
SPA
7
AUT
NC
GER
7
NED
6
ITA
NC
FRA
NC
GBR
5
CZE
NC
USA
5
ARG
2
EUR
10
96 9位 0

鈴鹿8時間耐久ロードレース

車番 ペアライダー チーム マシン 予選順位 決勝順位 周回数
1988 53 中川勝也 TAKADA RACING PROJECT ホンダ・VFR750 34 35 174
1990 18 スコット・ラッセル Shin-Etsu カワサキ カワサキ・ZXR-7 17 Ret 25
1991 31 ケビン・マギー ネスカフェRTヤマハ ヤマハ・YZF750 7 2 189
1992 43 ケビン・シュワンツ チーム・ラッキーストライク・スズキ スズキ・GSX-R750 25 Ret 50

脚注

  1. ^ a b c d AMA Motorcycle Museum Hall of Fame - Doug Chandler(2010年12月30日閲覧)
  2. ^ Doug Chandler career - World Superbike statistics at worldsbk.com Archived 2009年6月10日, at the Wayback Machine.(2010年12月30日閲覧)
  3. ^ a b Doug Chandler - The Official MotoGP Website(2010年12月30日閲覧)
  4. ^ Doug Chandler Interview - SuperbikePlanet.com Archived 2006年11月13日, at the Wayback Machine.(2010年12月30日閲覧)
  5. ^ Doug Chandler Racing(2010年12月30日閲覧)

外部リンク

  • The Amazing Career of Doug Chandler - SuperbikePlanet.com
AMAスーパーバイク / MotoAmerica(英語版)スーパーバイククラスチャンピオン
AMAスーパーバイク
1970年代
  • 1976 レグ・プリッドモア
  • 1977 レグ・プリッドモア
  • 1978 レグ・プリッドモア
  • 1979 ウェス・クーリー
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
  • 2010 ジョシュ・ヘイズ
  • 2011 ジョシュ・ヘイズ
  • 2012 ジョシュ・ヘイズ
  • 2013 ジョシュ・ヘリン
  • 2014 ジョシュ・ヘイズ
MotoAmerica
スーパーバイク
2010年代
  • 2015 キャメロン・ボービエ
  • 2016 キャメロン・ボービエ
  • 2017 トニ・エリアス
  • 2018 キャメロン・ボービエ
  • 2019 キャメロン・ボービエ
2020年代
  • 2020 キャメロン・ボービエ
  • 2021 ジェイク・ガニェ
  • 2022 ジェイク・ガニェ
  • 2023 ジェイク・ガニェ