チアリーダー

テキサス州フォートベンド郡の夏祭りで踊る、ラマー統合高校のチア達。2007年
米国NFLプロボウルで。左からチーム不明、フォーティナイナーズ、ジャガーズ、バイキングズ、バッカニアーズ。(2006年)

チアリーダー: cheerleader[1])は、スポーツ(アメリカンフットボールなど)における応援を先導するチームである。

日本では一般的にチアガール、男性はチアマン和製英語で称するが、cheer girlcheer boy の語は英語圏で、スポーツ競技の応援に携わるものを意味しない。チアリーダーは応援を先導する者を示し、応援団はチアリーダーではない。

概要

応援団アメリカ合衆国で凱旋将軍の帰還時に歓迎する意味で応援団風にまとめた、とする説[要出典]、大学のスポーツチームの応援に際して先導する人物らが応援を盛り上げる説など、起源は様々な憶測が挙げられる。女性の応援チームを表すことが多い。

チアリーダーはアメリカの大学でアメリカンフットボール(アメフト)の応援をする男性のチームが発祥とされている。米国大統領のドワイト・D・アイゼンハワーフランクリン・ルーズベルトロナルド・レーガンジョージ・H・W・ブッシュジョージ・W・ブッシュらも学生時代チアリーダーであった。

「チアリーダー」は応援を先導 (lead) するチームのことでチームのリーダーという一人のことではない(ちなみに綴りは共にleader)。

道具と衣装

ポンポンスズランテープを束状にしたもの)を両手にかざし、軽やかな音楽に合わせたダンスやパフォーマンスを繰り広げる。ポンポンの取っ手には大きく、バトン、スティックといった棒タイプのものや、手首や指にはめて外れないようにしているタイプのものもある。

衣装はトレーナータイプのユニフォームにプリーツタイプのミニスカートを着用するのが、一般的とされている。近年、日本の大学の応援団に所属するチアリーダーの間では、スカートスタイルがタイトスカートになることが多い。

上半身は、ノースリーブのシェルトップ、その下に長袖インナーシャツを着る場合が多い。

野球応援では、野球部のユニフォームのような半袖上半身にショートパンツを合わせた衣装「野球ユニフォーム」を着用することがある。台湾のプロ野球日本高校野球連盟(2020年代以降[2][3])で着る典型的なチアリーダーの衣装です。

それ以外にも、スポーツ競技化に合わせ、様々なタイプのチアユニフォームを採用するところもある。

派生した関連競技・種目

チアリーディング

詳細は「チアリーディング」を参照

チアリーダーが行うスポーツ競技であり、チアダンス(踊り)の要素に加え、スタンツ(組体操のようなもの)やタンブリング(バック転などアクロバティックな要素)を交えたものである。

2分15秒 - 2分30秒程度の演技を16人 - 24人(大会によって差異あり)で行う採点競技である。

パフォーマンスチア

チアリーディングから派生したスポーツ競技である。アメリカでは「Pom Dance(ポンダンス ポンポンとダンスを組み合わせた造語)」とも呼ばれる。これはチアリーディングのうち、踊りの部分に特化したもので、競技会の場合は2分30秒の競技時間が設定されており、ポンポンダンス、ラインダンス、ジャズダンス、ヒップホップの4種類を取り入れ、その表現力や完成度を審査する。ダンスチアとも称す。

21世紀以降、競技人口の増加とともに、年齢の幅も広がり、シニアを対象とした指導などを行う日本シニアチア協会がある。

スポーツ(アメフット以外)での応援はこのチアダンスの要素を取り入れる傾向が多いが、読売ジャイアンツアルビレックス新潟など、フィールドパフォーマンスでチアリーディングの要素である組体操などを組み合わせる場合もある。日本ではバトン部のバトントワラーがチアダンスのチアリーダーを兼任することもある。

ソングリーダー

ソングリーダーはチアリーディングのスタンツが無い物である。ソングリーディングとも称す。チアリーディングにはない、ソングリーディング特有の動きも存在する。 

バトンチア

バトンチアは、チアダンスとバトントワリングとを融合させたものである。このため、チアダンスがポンポンを持って演技するのに対して、ポンポンの代わりにバトンを持って演技する。パレードの行進でバトンチアが活躍していることも多い。

ユニフォームはチアリーディングやチアダンスと同じ場合もあり、ダンスタイツも着用することもある。学校の部活動では、チアリーディング部やチアダンス部がバトンチアを行う場合もあるが、ダンス部やバトントワリング部(学校によってはバトン部と称する)がバトンチアとして演技することもある。チアバトンとも称す。

アメリカ合衆国のチアリーダー

位置付け

一般にアメリカ合衆国の学校においては、チアリーダーの女子生徒らはちょうどジョックの女子版(クイーン・ビー)に相当し、生徒らの中の典型的な「人気者集団」を形成することがしばしばである。

大衆文化においても、「人気者(ポピュラー)な女子学生」の典型として描かれやすい。いわば「花形」であるために競争も非常に激しく、チアリーダーになるための英才教育を子供の頃から施されるという女児も多い。

プロは米国ではアメフトNFLの女子チアリーディングチームが有名。

事件

チアリーダー候補の女児の母親が、娘をチアリーダーにしたい一心から、競争相手の女児を殺害しようとしたという事件も起こっている[4]

――ルックスがいい女子は勉強なんてしちゃダメなの。難しいことは考えないで、うちらみたいにミニスカートはいてお尻ふって愛嬌振りまいてりゃいいの。 ――勉強なんて、ルックスが悪い人がすること。うちらは可愛いんだから、バカなほうが男子に好かれるんだよ。 — ビクトリア・マーティン『数学チームの女王』より、あるチアリーダー
町山智浩による引用

日本のチアリーダー

初期

当初は、アメリカのカレッジスポーツやアメリカンフットボールの応援シーンからの見よう見まねの模倣から入ってきたものである。

女性がミニスカートを履いて応援に参加するものは、バトントワリングチームも含めて総称としてチアガールと呼んでいた時期があったが、上記にあるバトンチアを例外とすると、バトントワリングチームとチアリーダーチームは性質が異なる。

競技専門部

チアダンス(踊り)だけでなく、組体操やアクロバティックな要素も加わり、スポーツ競技として発展し、学校等ではクラブ活動、サークルとして設けられるようになった。

応援指導部

高校、大学では応援団ブラスバンドとともに活動することが多く、体育系クラブの対外試合の応援や、定期演奏会、大学入試の合格発表の際に合格した受験生を祝福するなどの活動する。

プロではプロ野球の球団やJリーグチームの専属チームが多数存在する。

チアリーダーチーム出身の著名人

全日本女子チア部の“クミッチェル”こと朝妻久実

その他

テレビ出演

  • 1980年11月 - 1981年10月にTBS系列でドラマ「GOGO! チアガール」が放送された。これが日本で最初のチアリーダードラマである。高校のチアリーディング部を舞台にした青春ドラマで、三原じゅん子(当時は三原順子)や島田歌穂日高のり子ら当時の女性トップアイドルが出演して、プロCheerleaderチームPISCESが指導した。
  • 2004年4月放送の日本テレビの特番ドラマ「天国への応援歌 チアーズ〜チアリーディングにかけた青春〜(番組サイト)」(主演:石原さとみ)は、大阪府箕面自由学園高等学校のチアリーディング部をモデルにした物語だった。読売テレビが製作したドキュメンタリー『天国への応援歌 〜めざせ!日本一のチアリーダー』 が原案で、同校の先輩部員が交通事故で夭折したことをきっかけに、一致団結した後輩チアリーディング部員の活躍を描いたものである。その時演技指導したのは桜美林大学のチアリーディング部であった。
  • 2004年10月 - 2005年3月放送のNHK連続テレビ小説「わかば」で、ヒロイン・高原若葉(原田夏希)は学生編で大学のチアリーディング部に入って活動している。NHKの番組宣伝用ポスターでもチアガールになった若葉の写真がデザインされたヴァージョンがある。防火週間啓発ポスターにも同様のものが使用された。大学のチアリーディング部の部員は日本文理大学チアリーディング部の部員(当時)が演じている。
  • フジテレビで放送されていた水10!の第1部「ワンナイR&R」において、ゴリが演じるキャラクターの一人「松浦ゴリエ」が、CDのプロモーションビデオでチアダンスを披露している。2005年秋から2006年にかけて、一般視聴者を対象とした ゴリエ杯チアダンス選手権 を開催し、入賞チームはゴリエとプロモーション活動ができる特典があった。2005年末のNHK紅白歌合戦にも紅組のメンバーとして出演した。
  • 2005年12月放送のフジテレビ系「カスペ!・部活」と題した芸能人のスポーツや文化活動のチームのドキュメンタリー番組で、ソニン、西村知美保田圭神取忍らによって結成された芸能人のチアガールチーム「お台場レインボーチアーズ」が取り上げられた。

プロスポーツとの関係

チアリーダーを題材にした作品

映画

ドラマ

漫画・アニメ

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ アメリカ英語発音:[ˈtʃɪrli(ː)dər]
  2. ^ “チアリーダーの衣装、スカートから野球ユニホーム風ハーフパンツに…盗撮対策で”. 読売新聞社 (2023年8月22日). 2023年8月22日閲覧。
  3. ^ “センバツ出場 健大高崎 チアリーダー盗撮対策で半ズボン着用へ”. NHK (2024年2月29日). 2024年4月20日閲覧。
  4. ^ 『USAスポーツ狂騒曲 アメリカは今日もステロイドを打つ』 P.24 町山智浩 ISBN 9784087805161
  5. ^ 出崎敦史 (2013年11月15日). “【出崎敦史のスポーツ言いたい放題】同情するなら金をくれ、訴訟でわかった米チアリーダー貧乏物語”. 産経新聞. https://web.archive.org/web/20140202235627/http://sankei.jp.msn.com/west/west_sports/news/140202/wsp14020207010000-n3.htm 2013年11月15日閲覧。 [1][リンク切れ]
  6. ^ “アメフト、チアリーダーの扱いめぐり非難殺到 トップレス撮影も強要か”. AFP (2018年5月4日). 2018年5月22日閲覧。
  7. ^ “スパーズがチアチーム解散、NBA初の決定でダンサーに衝撃”. AFP (2018年5月22日). 2018年5月22日閲覧。

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、チアリーダーに関連するメディアおよびカテゴリがあります。
Portal:スポーツ
ポータル スポーツ

外部リンク

  • 日本スポーツチア&ダンス連盟
  • 日本チアリーディング協会
  • 日本チアダンス協会
  • 日本シニアチア協会(JSCA)
  • Cheerleading Squads
  • 表示
  • 編集