ホセ・モリーナ

この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の姓)はモリーナ第二姓(母方の姓)はマッタです。
ホセ・モリーナ
José Molina
タンパベイ・レイズでの現役時代
(2012年9月13日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 プエルトリコの旗 プエルトリコ自治連邦区バヤモン
生年月日 (1975-06-03) 1975年6月3日(48歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
250 lb =約113.4 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1993年 MLBドラフト14巡目
初出場 1999年9月6日
最終出場 2014年9月28日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
  • ロサンゼルス・エンゼルス (2019 - 2021)
国際大会
代表チーム プエルトリコの旗 プエルトリコ
WBC 2013年
この表について
この表はテンプレートを用いて表示しています。編集方法はTemplate:Infobox baseball playerを参照してください。

プロジェクト:野球選手  ■テンプレート

獲得メダル
プエルトリコの旗 プエルトリコ
ワールド・ベースボール・クラシック
2013 野球

ホセ・ベンジャミン・モリーナ・マッタスペイン語: José Benjamin Molina Matta, 1975年6月3日 - )は、プエルトリコ出身の元プロ野球選手捕手)、野球指導者。右投右打。

兄のベンジー・モリーナ、弟のヤディアー・モリーナもメジャーリーグの捕手であり、3兄弟全員がチャンピオンリングを手にしている。ヤディアー・モリーナ#兄弟選手としての記録も参照。

経歴

プロ入りとカブス時代

1993年MLBドラフト14巡目(全体390位)でシカゴ・カブスから指名され、プロ入り。1999年9月6日にメジャーデビューし、その年は10試合出場した。2000年はメジャー出場はなく、シーズン後の11月27日に自由契約となった。

エンゼルス時代

ロサンゼルス・エンゼルスでの現役時代
(2005年2月13日)

2001年1月15日にアナハイム・エンゼルスと契約したが、兄のベンジー・モリーナがいたためバックアップとしての立場であった。2002年ワールドシリーズでは守備固めで3試合に出場し、チャンピオンリングを手にした。

2005年には対左投手打率.306を記録し、6本塁打、25打点と最高の成績を残した。

2006年はベンジーが移籍したため正捕手の座を得るチャンスであったが、新人のマイク・ナポリに奪われ78試合の出場にとどまった。

ヤンキース時代

ニューヨーク・ヤンキースでの現役時代
(2007年7月29日)

2007年7月21日にジェフ・ケナードとのトレードにより、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した。ウィル・ニエベスの後のホルヘ・ポサダのバックアップ捕手としての役割を果たしている。オフの10月30日にFAとなったが、12月3日にヤンキースと総額400万ドルの2年契約で再契約した[1][2]

2008年は前年に引き続き、ポサダの控え捕手として開幕を迎えた。しかし、開幕当初からポサダは右肩に故障を抱え、シーズンが深まるにつれて、一塁手もしくは指名打者としての出場機会が増えていた。その結果、モリーナの先発機会は増えていった。そして、7月28日にポサダが手術を受け、今季中の復帰は絶望となったため、モリーナの先発起用は決定的なものとなった。だが、同年7月30日、チームは正捕手離脱の穴埋めとして、リリーフ投手のカイル・ファーンズワースとのトレードでメジャー屈指の捕手イバン・ロドリゲスが加入した。そのため、モリーナの出場機会が減るかと思われた。しかし、マイク・ムッシーナアンディ・ペティットら、一部の投手はモリーナの守備力を高く評価していたため[3][4]、ロドリゲスとバッテリーを組むのを避けた。その結果、前半戦同様、定期的に出場を続けることとなり、自己最多の100試合に出場し、盗塁阻止率.440をマーク。捕手以外にも、2年ぶりに一塁手としても出場するなど、見事にポサダの穴を埋めてみせた。

また、同年9月21日のボルチモア・オリオールズ戦の4回裏には、同年で役目を終えるヤンキースタジアム最後の本塁打を放った。この試合で使用したスパイクは、野球殿堂へ寄贈されている。

2009年11月9日にFAとなった。

ブルージェイズ時代

トロント・ブルージェイズでの現役時代
(2011年6月5日)

2010年2月19日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ。開幕ロースター入りを果たした。開幕してから暫くはこの年のチームの正捕手であるジョン・バックが打撃好調ということもあり出番は少なかったが、4月、5月と不振であったブランドン・モローとバッテリーを組むとモローの成績が向上したためモローの先発時にスタメン起用されるようになった。夏場にはバックが故障者リスト入りしたこともあって出番が増加し、最終的に57試合に出場した。オフの10月27日にブルージェイズが150万ドルの球団オプションを行使した。

2011年、打撃において自己最高の成績を残した。フィールド外でも、新人捕手のJ・P・アレンシビアのコーチ役として首脳陣からの信頼は厚かった。オフの10月30日にFAとなった。

レイズ時代

2011年11月28日にタンパベイ・レイズと150万ドルの1年契約(2013年・150万ドルの球団オプション付き)を結んだ[5]

2012年は37歳にして自己最多の試合に出場した。オフの10月31日にレイズが150万ドルの球団オプションを行使した[6]

2013年10月31日にFAとなったが、12月2日にレイズと総額450万ドルの2年契約[7]で再契約した[8][9]

2014年11月24日にFAとなった。

引退後

2015年11月にロサンゼルス・エンゼルスのキャッチング・コーディネーター(catching coordinator)に就任すると報道された[10]

2019年シーズンからはエンゼルスの捕手コーチに就任し[11]、3年間務めた。

選手としての特徴

弟ヤディアーに匹敵するメジャーリーグ屈指の強肩・好守の捕手として知られる。2004年には盗塁阻止率.489を記録してリーグ1位。また、同年は57試合の先発出場でありながら牽制刺5は両リーグ1位であった。2005年は盗塁阻止率.513で、リーグ2位・両リーグ3位(両リーグ1位は弟のヤディアー、2位はイバン・ロドリゲス)。2006年も、盗塁阻止率.426と高率を記録。2008年は、少ない出場数ながら守備防御点11を記録してリーグ1位・両リーグ2位、さらに盗塁阻止率.440は両リーグ1位。2010年は盗塁阻止率.441でリーグ1位・両リーグ2位(両リーグ1位は弟のヤディアー)[12]

2009年のワールドシリーズ第2戦で見せた牽制刺はシリーズの流れを変えたとも言われている[13]

もっとも、打撃に弱点があったのと所属球団に正捕手がいたことが多かったため、300打席以上を記録した年は一度のみで、完全にレギュラーに定着したといえる年がない。そのため、上記のような特筆すべき守備力を持っていながら、ゴールドグラブ賞とは無縁である。その点が兄ベンジーや弟ヤディアーと異なる。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1999 CHC 10 21 19 3 5 1 0 0 6 1 0 0 0 0 2 1 0 4 0 .263 .333 .316 .649
2001 ANA
LAA
15 42 37 8 10 3 0 2 19 4 0 0 2 0 3 0 0 8 2 .270 .325 .514 .839
2002 29 81 70 5 19 3 0 0 22 5 0 2 4 2 5 0 0 15 2 .271 .312 .314 .626
2003 53 123 114 12 21 4 0 0 25 6 0 0 4 1 1 0 3 26 1 .184 .210 .219 .429
2004 73 218 203 26 53 10 2 3 76 25 4 1 5 0 10 0 0 52 6 .261 .296 .374 .670
2005 75 203 184 14 42 4 0 6 64 25 2 0 4 0 13 0 2 41 5 .228 .286 .348 .634
2006 78 245 225 18 54 17 0 4 83 22 1 0 7 2 9 0 2 49 6 .240 .273 .369 .642
2007 40 131 125 9 28 8 0 0 36 10 2 1 3 0 3 0 0 30 3 .224 .242 .288 .530
NYY 29 71 66 9 21 5 0 1 29 9 0 0 2 1 2 0 0 13 1 .318 .333 .439 .773
'07計 69 202 191 18 49 13 0 1 65 19 2 1 5 1 5 0 0 43 4 .257 .274 .340 .614
2008 100 297 268 32 58 17 0 3 84 18 0 0 8 3 12 0 6 52 9 .216 .263 .313 .576
2009 52 155 138 15 30 4 0 1 37 11 0 0 1 1 14 0 1 28 6 .217 .292 .268 .560
2010 TOR 57 183 167 13 41 4 0 6 63 12 1 0 2 0 9 1 5 36 7 .246 .304 .377 .681
2011 55 191 171 19 48 12 1 3 71 15 2 1 1 4 15 0 1 44 2 .281 .342 .415 .757
2012 TB 102 274 251 27 56 9 0 8 89 32 3 1 1 0 20 0 2 60 9 .223 .286 .355 .640
2013 99 313 283 26 66 14 0 2 86 18 2 1 3 3 22 1 2 63 11 .233 .290 .304 .594
2014 80 247 225 4 40 2 0 0 42 10 3 0 4 2 14 0 2 55 8 .178 .230 .187 .417
MLB:15年 947 2795 2546 240 592 117 3 39 832 223 20 7 54 15 154 3 26 576 78 .233 .282 .327 .608
  • ANA(アナハイム・エンゼルス)は、2005年にLAA(ロサンゼルス・エンゼルス)に球団名を変更

年度別守備成績



捕手(C) 一塁(1B) 三塁(3B)














































1999 CHC 10 44 5 0 1 1.000 1 8 5 3 .375 - -
2001 ANA
LAA
15 78 6 0 1 1.000 2 19 11 8 .421 - -
2002 29 154 16 3 3 .983 1 24 15 9 .375 - -
2003 53 221 17 1 0 .996 3 25 18 7 .280 - -
2004 70 441 37 3 4 .994 3 45 23 22 .489 2 5 1 0 2 1.000 -
2005 65 408 41 3 6 .993 3 39 19 20 .513 4 10 0 0 2 1.000 -
2006 76 502 50 8 4 .986 5 47 27 20 .426 3 4 0 0 2 1.000 -
2007 40 283 17 4 2 .987 2 25 18 7 .280 - -
NYY 29 153 13 0 1 1.000 2 19 13 6 .316 - -
'07計 69 436 30 4 3 .991 4 44 31 13 .295 - -
2008 97 634 52 3 6 .996 7 75 42 33 .440 1 0 0 0 0 ---- -
2009 49 366 21 1 1 .997 3 32 23 9 .281 3 4 2 0 1 1.000 1 0 0 0 0 ----
2010 TOR 56 417 37 2 3 .996 5 34 19 15 .441 - -
2011 48 342 24 1 3 .997 8 36 24 12 .333 - -
2012 TB 102 657 41 4 8 .994 6 58 39 19 .328 - -
2013 96 674 34 4 5 .994 8 79 56 23 .291 - -
2014 80 659 30 2 2 .997 4 52 38 14 .269 - -
MLB 915 6033 441 39 50 .994 63 617 390 227 .368 13 23 3 0 7 1.000 1 0 0 0 0 ----
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • ANA(アナハイム・エンゼルス)は、2005年にLAA(ロサンゼルス・エンゼルス)に球団名を変更

背番号

  • 19(1999年)
  • 28(2001年 - 2007年途中、2012年 - 2014年)
  • 26(2007年途中 - 2009年)
  • 8(2010年 - 2011年)
  • 82(2019年 - 2021年)

代表歴

脚注

  1. ^ “Yankees sign catcher Jose Molina to a two-year contract”. MLB.com (2007年12月3日). 2014年12月21日閲覧。
  2. ^ “Yankees re-sign Jose Molina”. YES Network (2007年12月3日). 2014年12月21日閲覧。
  3. ^ 「途中移籍選手たちの通信簿」『月刊スラッガー』2008年12月号、日本スポーツ企画出版社、11頁
  4. ^ 「失意の2008年 -帝国の誤算- 」『月刊スラッガー』2008年12月号、日本スポーツ企画出版社、42~43頁
  5. ^ Bill Chastain (2011年11月28日). “Rays sign veteran Molina to one-year contract”. MLB.com. 2014年12月22日閲覧。
  6. ^ “Rays exercise 2013 options for Shields, Rodney and Molina”. MLB.com Rays Press Release (2012年10月31日). 2014年12月21日閲覧。
  7. ^ 2014年は175万ドル、2015年は275万ドル。
  8. ^ “Rays re-sign Jose Molina”. MLB.com (2013年12月2日). 2014年12月21日閲覧。
  9. ^ Edward Creech (2013年12月2日). “Rays To Sign Jose Molina”. MLB Trade Rumors. 2014年12月21日閲覧。
  10. ^ http://mlb.nbcsports.com/2015/11/07/angels-hire-jose-molina-as-catching-coordinator/
  11. ^ Maria Guardado (2018年12月3日). “Angels finalize Ausmus' coaching staff” (英語). MLB.com. 2019年3月22日閲覧。
  12. ^ なお、以上の盗塁阻止率の順位は「盗塁企図数÷チーム試合数≧0.2」の選手が対象 http://www.baseball-reference.com/leaders/caught_stealing_perc_top_ten.shtml 参照
  13. ^ https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/playoff/2009/news/p-bb-tp2-20091031-561364.html

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、ホセ・モリーナに関連するカテゴリがあります。
  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
 
ワールドシリーズ ロースター
アナハイム・エンゼルス 2002年のワールドシリーズ ロースター
   

監督
14 マイク・ソーシア

コーチ
04 アルフレド・グリフィン(一塁)
07 ミッキー・ハッチャー(打撃)
12 ロン・レニキー(三塁)
13 ボビー・ラモス(ブルペン)
24 バド・ブラック(投手)
70 ジョー・マドン(ベンチ)

ニューヨーク・ヤンキース 2009年のワールドシリーズ ロースター
   

監督
27 ジョー・ジラルディ

コーチ
50 ミック・ケラー(一塁)
54 ケビン・ロング(打撃)
56 トニー・ペーニャ(ベンチ)
57 マイク・ハーキー(ブルペン)
58 デーブ・アイランド(投手)
59 ロブ・トムソン(三塁)

プエルトリコの旗 野球プエルトリコ代表 - 2013 ワールド・ベースボール・クラシック 2 2位準優勝
監督

エドウィン・ロドリゲス

コーチ
投手
捕手
内野手
外野手
  • 表示
  • 編集
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • VIAF
国立図書館
  • ドイツ
  • アメリカ