ライアン・ベイリー (陸上選手)

ライアン・ベイリー Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Ryan Bailey
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競技 陸上競技短距離走
種目 100m
大学 アメリカ合衆国の旗 レンド・レイク大学(英語版)
生年月日 (1989-04-13) 1989年4月13日(35歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 オレゴン州ポートランド
身長 193cm
体重 102kg
成績
オリンピック 100m:4位(2012年
国内大会決勝 全米選手権
100m:2位(2014年)
最高世界ランク 100m:5位 / 9秒88(2010年)
自己ベスト
60m 6秒50(2015年)
100m 9秒88(2010年, 2012年)
200m 20秒10(2010年)
獲得メダル
陸上競技
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オリンピック
剥奪 2012 ロンドン 4x100mR
世界リレー
2015 ナッソー 4x100mR
世界ジュニア選手権
2008 ブィドゴシュチュ 4x400mR
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ライアン・ベイリーRyan Bailey1989年4月13日 ‐ )は、アメリカ合衆国・ポートランド出身の陸上競技選手。専門は短距離走100m2012年ロンドンオリンピック男子100mファイナリスト(4位)である。

経歴

2008年

7月の世界ジュニア選手権(現・世界U20選手権)男子4×400mリレー予選でアメリカチーム(Marcus Boyd、Bryan Miller、ベイリー、クリスチャン・テイラー)の3走を務め、3分05秒25をマークしての決勝進出に貢献した[1]。決勝でアメリカは3分03秒86をマークして優勝し、予選だけを走ったベイリーも金メダルを手にした。

2009年

5月に全米短期学生選手権(NJCAA選手権)に出場すると、男子100mは決勝で10秒07(+1.3)をマークし、アロンソ・エドワード(10秒09)を破り優勝した。男子200mは決勝でアロンソ・エドワード(20秒34)に敗れ、20秒47(-0.6)の2位に終わった[2]

2010年

2010年ダイヤモンドリーグ男子200mポイント対象最終レースとなった8月19日のヴェルトクラッセチューリッヒでは、20秒10の自己ベストをマークして3位に入った[3]。この結果、2010年ダイヤモンドリーグの男子200mでポイントランキング3位に輝いた[4]。同月29日のワールドチャレンジミーティングス・リエティ2010男子100m予選で9秒95(+1.1)をマークし、初めて10秒の壁を突破した。決勝では9秒88(+0.9)と記録を縮めたが、ネスタ・カーター(9秒78)に次ぐ2位に終わった[5]

2011年

ハムストリングスの負傷で6月の全米選手権を欠場した[6]

2012年

6月の全米選手権(兼オリンピックトライアル)男子100m決勝で9秒93(+1.8)をマーク。ジャスティン・ガトリン(9秒80)、タイソン・ゲイ(9秒86)に次ぐ3位に入り、マイク・ロジャース(9秒94)やダービス・パットン(9秒96)らに競り勝ちオリンピック代表に内定した[7][8]。8月のロンドンオリンピックでシニア世界大会デビューを果たすと、男子100m予選を自己ベストタイおよびオリンピック予選最速記録となる9秒88(+1.5)で突破[9]。準決勝もウサイン・ボルト(9秒87)に次ぐ9秒96(+1.0)の組2着で突破し、オリンピック初出場でいきなりファイナリストとなった。迎えた決勝では再び自己ベストタイの9秒88(+1.5)をマークするも、3位とは0秒09差の5位(当時)でメダルは逃した[10]。男子4×100mリレーは決勝のみの出場になり、アメリカは1走トレル・キモンズ、2走ジャスティン・ガトリン、3走タイソン・ゲイ、4走ベイリーで決勝に臨んだ[注 1]。決勝でアメリカは37秒04のアメリカ記録(当時)を樹立したものの、36秒84の世界記録を樹立したジャマイカに敗れ銀メダルに終わった[11]。しかし、翌年にタイソン・ゲイのドーピングが発覚し、2015年5月にリレーメンバー全員のメダルが剥奪された[12]。リレーの記録も抹消されたが[13]、100mの順位は5位から4位に繰り上がった[14]。8月17日のダイヤモンドリーグDNガラン男子100mを9秒93(+0.7)で制し、ダイヤモンドリーグ初勝利をあげた[15][16]

2013年

ハムストリングスの負傷で6月の全米選手権を欠場した[17]

2014年

6月の全米選手権男子100m決勝で10秒23(-1.7)をマークし、マイク・ロジャース(10秒09)に次ぐ2位に入った[18]

2015年

5月の世界リレー男子4×100mでアメリカチーム(マイク・ロジャース、ジャスティン・ガトリン、タイソン・ゲイ、ベイリー)のアンカーを務め、決勝では37秒38の大会記録を樹立しての優勝に貢献した[19]。世界大会の4×100mリレーにおけるアメリカ男子チームの金メダル獲得は、2007年の大阪世界選手権以来8年ぶりだった[20]北京世界選手権アメリカ代表の座をかけて6月の全米選手権男子100mに出場するも、不正スタートで予選失格に終わった[21]

2016年

リオデジャネイロオリンピックアメリカ代表の座をかけて7月の全米選手権男子100mに出場するも、予選のレース中に左ハムストリングスを痛め10秒36(+3.8)で敗退した[22]2018年平昌オリンピック出場を目指してボブスレーに挑戦すると、9月21日の全米プッシュ選手権(National Push Championships)で優勝した[23]

2017年

1月に行われたボブスレーの大会のドーピング検査で興奮剤の陽性反応が出たため、2019年6月22日までの2年間の資格停止処分が下った[24][25]

自己ベスト

種目 記録 風速 年月日 場所 備考
屋外
100m 9秒88 +0.9m/s 2010年8月29日 イタリアの旗 リエーティ
+1.5m/s 2012年8月4日 イギリスの旗 ロンドン オリンピック予選最速記録
+1.5m/s 2012年8月5日 イギリスの旗 ロンドン
200m 20秒10 +0.4m/s 2010年8月19日 スイスの旗 チューリッヒ
室内
60m 6秒50 2015年2月14日 アメリカ合衆国の旗 シアトル
200m 20秒86 2010年1月23日 アメリカ合衆国の旗 アルバカーキ

主要大会成績

備考欄の記録は当時のもの

国際大会

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2008 世界ジュニア選手権 ポーランドの旗 ブィドゴシュチュ 4x400mR 予選 3分05秒25(3走) 決勝進出[注 2]
2012 オリンピック イギリスの旗 ロンドン 100m 4位 9秒88(+1.5) 自己ベストタイ
大会終了後に5位から順位繰り上がり
4x100mR 2位
失格
37秒04(3走)
DQ
アメリカ記録
ドーピング処分
2015 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x100mR 優勝 37秒38(4走) 大会記録

ダイヤモンドリーグ

ダイヤモンドリーグの総合成績を記載。獲得ポイント欄の( )内は出場したポイント対象レースの数を意味する。

種目 総合順位 獲得ポイント
2010 200m 3位 4(3レース)
2012 100m 3位 6(2レース)

優勝したダイヤモンドリーグ個人種目の成績を記載。金色の背景はポイント対象レースを意味する。

大会 場所 種目 記録 備考
2012 DNガラン スウェーデンの旗 ストックホルム 100m 9秒93(+0.7)
2013 アディダスグランプリ アメリカ合衆国の旗 ニューヨーク 100m 10秒15(-0.8) 大会終了後に2位から順位繰り上がり[注 3]

脚注

注釈

  1. ^ アメリカは予選で37秒38のアメリカ記録(当時)を樹立したが、決勝では予選のメンバーを2人入れ替えた。
  2. ^ 予選のみ出場。決勝のアメリカは3分03秒86で優勝。
  3. ^ 優勝したタイソン・ゲイのドーピング処分により

出典

  1. ^ “第12回世界ジュニア選手権男子4×400mリレー予選リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月28日閲覧。
  2. ^ “2009 NJCAA Track and Field Championships Result”. 全米短期大学体育協会. 2016年2月28日閲覧。
  3. ^ “2010年ヴェルトクラッセチューリッヒ男子200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月28日閲覧。
  4. ^ “2010 Season final points”. ダイヤモンドリーグ公式サイト. 2014年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月28日閲覧。
  5. ^ “リエティ2010男子100m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月28日閲覧。
  6. ^ “Oregon track & field rundown: Portland sprinter Ryan Bailey will miss the USA Championships with hamstring issues”. OregonLive.com (2011年6月18日). 2016年2月28日閲覧。
  7. ^ “ガトリンとゲイが陸上男子100m五輪米国代表に”. AFPBB News (2012年6月25日). 2014年10月12日閲覧。
  8. ^ “2012年全米選手権男子100m決勝リザルト”. 全米陸上競技連盟. 2014年10月12日閲覧。
  9. ^ “ボルト不満の1位突破「スタート直後につまずいた」”. スポーツニッポン (2012年8月5日). 2014年10月12日閲覧。
  10. ^ “London 2012 - Event Report - Men's 100m Final”. 国際陸上競技連盟 (2012年8月5日). 2016年2月28日閲覧。
  11. ^ “Jamaica crush 4x100m Relay World record - 36.84 in London!”. 国際陸上競技連盟 (2012年8月11日). 2016年2月28日閲覧。
  12. ^ “陸上=米男子リレーの五輪メダルはく奪、ゲイの薬物違反で”. ロイター (2015年5月14日). 2015年5月15日閲覧。
  13. ^ “第30回オリンピック男子4×100mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月28日閲覧。
  14. ^ “第30回オリンピック男子100m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月28日閲覧。
  15. ^ “五輪5位ベイリー男100制す/陸上”. 日刊スポーツ (2012年8月18日). 2014年10月12日閲覧。
  16. ^ “Stockholm: Zaripova's World Lead Highlights Parade of Olympians at DN Galan”. ダイヤモンドリーグ公式サイト. 2012年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月28日閲覧。
  17. ^ “Track & Field's All-Star World Team”. アメリカオリンピック委員会 (2013年6月24日). 2016年2月28日閲覧。
  18. ^ “2014年全米選手権フルリザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年2月28日閲覧。
  19. ^ “2015年世界リレー男子4×100m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月28日閲覧。
  20. ^ “USA Men ends Jamaica’s Sprint Relay Winning Streak”. Team Jamaica (2015年5月3日). 2016年2月28日閲覧。
  21. ^ “Rupp delivers a winner but Tyson Gay has work ahead”. ロイター通信 (2015年6月26日). 2016年2月28日閲覧。
  22. ^ “Disappointment for Ryan Bailey at Olympic Trials”. KGW.com (2016年7月2日). 2016年7月9日閲覧。
  23. ^ “タイソン・ゲイがボブスレー大会を欠場、元チームメートが初出場で優勝”. フランス通信社 (2016年9月22日). 2016年9月23日閲覧。
  24. ^ “U.S. bobsledder Ryan Bailey hit with 2-year doping ban”. ESPN (2017年12月1日). 2018年2月2日閲覧。
  25. ^ Sanctions for anti-doping rule violations in athletics as of 29 January 2018 (PDF, 154 KB) 国際陸上競技連盟(IAAF Newsletter) 2018年2月2日閲覧

外部リンク

  • ライアン・ベイリー - ワールドアスレティックスのプロフィール(英語)
  • ライアン・ベイリー - Olympedia(英語) ウィキデータを編集
  • ライアン・ベイリー - 全米陸上競技連盟のプロフィール(英語)
  • ライアン・ベイリー (@RBailey_sprints) - X(旧Twitter)
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