丸田祥三

丸田 祥三(まるた しょうぞう、1964年9月22日[1] - )は、日本写真家。父は将棋棋士九段、日本将棋連盟元会長の丸田祐三

略歴

1964年東京都新宿区生まれ。1987年東映に入社。テレビ事業部勤務を経て、写真家として独立。1994年日本写真協会新人賞受賞。

人物

主に廃墟廃線、少女、懐かしい街並みなどを撮影する。1994年、写真集「棄景―廃墟への旅」で日本写真協会新人賞を受賞。同書は1970年代から撮影された作品を含み、「『廃墟写真』の草分け」と評され[2]、また80年代に端を発する廃墟ブームの流れに一石を投じたともいわれる[3]。“くるり”のCD『青い空』のジャケット写真や、テレビ朝日の『ニュースステーション』のイメージショットにも使われた“朽ち果てた新幹線”の写真などでも知られている。また岩波書店の月刊誌『世界』や、『朝日新聞』、『日本経済新聞』などで、現代社会を考察する社会時評的な論文や長編エッセイを執筆。NHKの『おしゃれ工房』で写真講師を務める。小学館の『月刊IKKI』にグラビア写真を2005年1月号から2007年12月号まで連載。2009年にはDAISHI DANCEのCDSpectacleの、六種類に及ぶバージョンの違うジャケット写真すべてを担当した。2012年4月より『朝日新聞』火曜夕刊にて、廃墟的な写真連載「幻風景」を連載中。

主な著書

  • 棄景-廃墟への旅(宝島社)1993年 ISBN 4796606513
  • 棄景II-HIDDEN MEMORIES(洋泉社)1995年 ISBN 4896911598
  • 棄景(洋泉社)1997年 ISBN 4896912691
  • 東京-棄景III(洋泉社)1998年 ISBN 4896913167
  • 1977鉄道少年の旅(洋泉社)1999年 ISBN 4896913841
  • 少女物語-棄景IV(春秋社)2000年 ISBN 4393953177
  • 日本風景論(春秋社)2000年 ISBN 4393331931 (切通理作との共著)
  • 鉄道廃墟―棄景1971~ ヴィークル・グラフィック(JTB)2001年 ISBN 4533038239
  • 廃車幻想―ポンコツ車からみえた「昭和」(彩流社)2003年 ISBN 4533038239
  • 鉄道廃墟(筑摩書房)2004年 ISBN 4480039724
  • 棄景/origin(自由国民社)2005年 ISBN 4426766060
  • 棄景/V(自由国民社)2005年 ISBN 4426766052
  • めくるたび~あなたに見せたい風景があります(小学館)2006年 ISBN 4093590850
  • 廃電車レクイエム~昭和の空地にあった不思議なのりもの(岩波書店)2008年 ISBN 9784000244435
  • 廃道 棄てられし道 (実業之日本社)2011年 ISBN 9784408008387 (平沼義之との共著)
  • 問いかける風景 (産業編集センター)2012年 ISBN 9784863110663 (対談、コラム執筆は重松清
  • 眠る鉄道 SLEEPING BEAUTY (小学館)2012年 ISBN 4096820679
  • 東京幻風景 (実業之日本社)2014年 ISBN 4408110434

脚注

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.491
  2. ^ 小澤京子「1980年代の日本のサブカルチャーに現れた「廃墟」や「遺棄された場所」のイメージ」『和洋女子大学紀要』第61巻、和洋女子大学、2020年3月、35-48頁、doi:10.18909/00001938、ISSN 1884-6351、CRID 1390009224541725184。 
  3. ^ 『(時代の栞)「棄景」 1993年刊・丸田祥三 「廃虚」に魅せられる人々』(2020年12月9日、朝日新聞)

関連項目

外部リンク

  • 丸田祥三写真館(公式ウェブサイト)
  • 丸田祥三 (@malta_shozo) - X(旧Twitter)
  • 丸田祥三 公式ブログ
  • 小学館による、丸田祥三写真集『めくるたび』の特設サイト
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