二ヨウ化ゲルマニウム

二ヨウ化ゲルマニウム

germanium diiodide

別称
ヨウ化ゲルマニウム(II)
ヨウ化第一ゲルマニウム
特性
化学式 GeI2
モル質量 326.42 g/mol
外観 黄色の板状結晶
融点

240 °C(昇華)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二ヨウ化ゲルマニウム(にヨウかゲルマニウム、: germanium diiodide)はゲルマニウムヨウ化物で、化学式 GeI2 で表される無機化合物有機ゲルマニウム化合物の合成原料として使われる。

製法

一硫化ゲルマニウムを原料とすると簡単な方法で製造でき、二酸化ゲルマニウムから製造する方法では、原料の入手が容易である。

  • 一硫化ゲルマニウムからの合成 - 一硫化ゲルマニウムを粉砕し、濃ヨウ化水素酸を加え100 °Cまで熱する。硫化水素の発生が止まったら徐々に冷却すると二ヨウ化ゲルマニウムの結晶ができる。硫化水素の発生により反応中酸化されにくく、比較的簡単な方法であるが、急冷するとトリヨードゲルマン (GeHI3) が混じる。
  • 二酸化ゲルマニウムからの合成 - 二酸化ゲルマニウムを水酸化ナトリウムと混ぜながら加熱・溶解させたのち冷却し、塩酸を加えてかき混ぜる。二酸化ゲルマニウムの沈殿がすべて溶けるまで塩酸を加えたのち、50 %ホスフィン酸溶液または25 %ホスフィン酸ナトリウム溶液を加えて加熱。この溶液に、ホスフィン酸溶液またはホスフィン酸ナトリウム溶液で脱色した濃厚ヨウ化水素酸を加えて30〜40分加熱したのちに冷却すると、二ヨウ化ゲルマニウムの結晶ができる。この方法は、原料である二酸化ゲルマニウムの入手が一硫化ゲルマニウムに比べ容易である。

性質

二価のゲルマニウムのハロゲン化物としては最も安定しており、密封状態で長期間保存できる。湿気による加水分解や酸化により二酸化ゲルマニウムができる。空気中での加熱により二酸化ゲルマニウムと四ヨウ化ゲルマニウムに分解する。封管中では240 °Cで昇華、さらに過熱すると単体のゲルマニウムと四ヨウ化ゲルマニウムに分解する。

参考文献

松岡敬一郎『ヨウ素綜説(第二版)』霞ヶ関出版、1992年。ISBN 9784760301355。 

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1 HI 2 13 14 15 16 17 He
2 LiI BeI2 BI3 CI4 NI3 IxOy IFx Ne
3 NaI MgI2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 AlI3 SiI4 PI3 SI2 IxCly Ar
4 KI CaI2 ScI3 TiI4 VI3 CrIx MnI2 FeI2 CoI2 NiI2 CuI ZnI2 Ga2I6 GeIx AsI3 SeI2 IBr Kr
5 RbI SrI2 YI3 ZrI4 NbI5 Mo Tc Ru Rh Pd AgI CdI2 InI3 SnIx SbI3 TeI4 I Xe
6 CsI BaI2 La Ce Pr Nd Pm SmI2 Eu Gd TbI3 Dy Ho Er Tm Yb Lu HfI4 TaI5 W Re Os Ir Pt AuI HgxIy TlI PbI2 Bi Po AtI Rn
7 Fr Ra Ac ThI4 Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Nh Fl Mc Lv Ts Og
二元化合物
  • GeBr2
  • GeBr4
  • GeCl2
  • GeCl4
  • GeF4
  • GeH2
  • GeH4
  • Ge2H6
  • GeI2
  • GeI4
  • GeO
  • GeO2
  • GeS
  • GeS2
  • GeSe
  • GeSe2
  • GeTe
  • GeTe2
  • Ge3N4
三元化合物
  • Ge(CH3)4
  • Ge(C2H5)4
  • Ge(OH)2
  • Ge(SO4)2
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