仮面劇場の殺人

仮面劇場の殺人
Panic in Box C
著者 ジョン・ディクスン・カー
発行日 1966年
ジャンル 推理小説
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
次作 月明かりの闇
ウィキポータル 文学
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仮面劇場の殺人』(かめんげきじょうのさつじん、Panic in Box C [1] )は、ジョン・ディクスン・カーの長編推理小説。名探偵のフェル博士が登場する22番目の長編である。

あらすじ

かつて、舞台で主演俳優が急死し、所有者や興行一座が二転三転した「仮面劇場」と呼ばれる劇場。その現オーナーであるティヴァートン卿の未亡人。彼女は、再結成された劇団が「仮面劇場」で初公演をすることになり、アメリカに戻る船上にいた。

ところが、船で彼女は狙撃され、犯人の姿も乗船者に発砲の痕跡も全く見つからなかった。そして「仮面劇場」では俳優が急死した曰くつきの演目『ロミオとジュリエット』が再び演じられようとしていた。

主な登場人物

  • フィリップ・ノックス - 全米講演の旅に出た歴史家。アメリカ生まれだが、英国生活が長い。
  • ジュデス(ジュディ)・ノックス - 別居したフィリップの妻[2]
  • アダム・ケイリー - 「仮面劇場」の前座長。物語前にすでに死亡している。
  • マージェリー・ヴェーン - 元女優。「仮面劇場」の現所有者。
  • ティヴァートン卿 - マージェリーの亡夫。 マージェリーに遺産を残す。
  • エリザベス(ベス)・ハークネス - マージェリーの女友達。
  • ローレンス(ローリー)・ポーター - マージェリーの秘書。
  • ギディオン・フェル博士 - 名探偵。

提示される謎

  • クローズド・サークル(旅客船と劇場)

特記事項

  • 物語の冒頭[3]で、いきなり探偵役のフェル博士が登場する。本作品における全登場人物のなかで、最初に台詞を言うのがフェル博士である。

日本語訳書

  • 『仮面劇場の殺人』 田口俊樹訳、原書房、1997年 ISBN 978-4-562-03052-1
  • 『仮面劇場の殺人』 田口俊樹訳、創元推理文庫、2003年 ISBN 4-488-11827-5

脚注

  1. ^ Boxは「箱」と「(劇場などの)仕切り席、ボックス」のダブルミーニング。
  2. ^ 愛称ジュディが、ディクスン名義の長編「パンチとジュディ」に絡めて語られる。
  3. ^ 「仮面劇場の殺人」(創元推理文庫)では2ページ目、原書房ヴィンテージ・ミステリー・シリーズ(第1刷)では1ページ目。
長編・中編小説
アンリ・バンコラン・シリーズ
  • グラン・ギニョール
  • 夜歩く
  • 絞首台の謎
  • 髑髏城
  • 蝋人形館の殺人
  • 四つの兇器
ギデオン・フェル・シリーズ
ヘンリー・メリヴェール・シリーズ
歴史ミステリ
  • エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件
  • ニューゲイトの花嫁
  • ビロードの悪魔
  • 喉切り隊長
  • 恐怖は同じ
  • 火よ燃えろ!
  • ハイチムニー荘の醜聞
  • 引き潮の魔女
  • ロンドン橋が落ちる
  • 深夜の密使
  • ヴードゥーの悪魔
  • 亡霊たちの真昼
  • 死の館の謎
  • 血に飢えた悪鬼
ノン・シリーズ
ジョン・ロードとの合作長編
  • エレベーター殺人事件
連作
  • 殺意の海辺
短編集
カー短編全集
  • 1.不可能犯罪捜査課(マーチ大佐シリーズを含む)
  • 2.妖魔の森の家(ギデオン・フェル、ヘンリー・メリヴェール・シリーズを含む)
  • 3.パリから来た紳士(マーチ大佐、ギデオン・フェル、ヘンリー・メリヴェール・シリーズを含む)
  • 4.幽霊射手
  • 5.黒い塔の恐怖
  • 6.ヴァンパイアの塔
  • グラン・ギニョール(アンリ・バンコラン・シリーズと重複)
エイドリアン・コナン・ドイルとの合作短編集
  • シャーロック・ホームズの功績
アンソロジー
  • 世界短編傑作集5(マーチ大佐シリーズ「見知らぬ部屋の犯罪」を収録)
  • 51番目の密室 世界短篇傑作集(ヘンリー・メリヴェール・シリーズ「魔の森の家」を収録)
その他
ラジオ・ドラマ集
  • ヴァンパイアの塔(短編集と重複)
  • 幻を追う男
評伝
  • コナン・ドイル(原題:The Life of Sir Arthur Conan Doyle)
カテゴリ
  • ジョン・ディクスン・カー