剣と惑星(けんとわくせい、英: Sword and Planet)はサイエンス・ファンタジーのサブジャンルの1つで、地球以外の「惑星」を舞台とした冒険物語を特徴とし、通常地球人を主人公としている。名称に「剣」とあるのは、しばしばテクノロジーが進んだ世界設定であっても、主人公が剣などの単純な武器で敵と戦うためである。このジャンルの先駆的作品としてパーシー・グレッグの Across The Zodiac (1880) やエドウィン・レスター・アーノルドの Lieutenant Gullivar Jones: His Vacation (1905) があり、ジャンルの原型となったエドガー・ライス・バローズの『火星のプリンセス』は1912年 All-Story 誌上で "Under the Moons of Mars" と題して連載された。
「剣と惑星」という用語は「剣と魔法」(Sword and Sorcery)や「ソード&サンダル」(Sword and Sandal)といったジャンルを表す言葉を真似たものである。エース・ブックスの編集者ドナルド・A・ウォルハイムが1960年代に初めて使った用語であり、そのころ「剣と惑星」ものが再び人気になっていた。エース・ブックスと後にウォルハイムが立ち上げたDAWブックスは、初期の「剣と惑星」ものを多数再版し、同時に新世代作家の同ジャンルの作品も出版した。