大沢岳

大沢岳
奥聖岳から望む大沢岳(中央)と中盛丸山(左)、その背後に中央アルプス、左最奥に御嶽山、木曽駒ヶ岳の右奥に乗鞍岳、(2014年7月26日)
奥聖岳から望む大沢岳(中央)と中盛丸山(左)、その背後に木曽山脈(中央アルプス)御嶽山北アルプス 地図
標高 2,819.84[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県飯田市静岡県静岡市葵区
位置 北緯35度26分56秒 東経138度07分13秒 / 北緯35.44889度 東経138.12028度 / 35.44889; 138.12028座標: 北緯35度26分56秒 東経138度07分13秒 / 北緯35.44889度 東経138.12028度 / 35.44889; 138.12028[2]
山系 赤石山脈
大沢岳の位置(日本内)
大沢岳
大沢岳の位置
  • 北緯35度26分56秒 東経138度07分13秒 / 北緯35.44889度 東経138.12028度 / 35.44889; 138.12028 (大沢岳)
  • 大沢岳 - 地理院地図
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プロジェクト 山
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大沢岳(おおさわだけ)は、長野県飯田市静岡県静岡市葵区にまたがる赤石山脈(南アルプス)南部の標高2,820 m[2][3]。日本で55番目に高い山[4]。山域の上部は南アルプス国立公園の特別保護地区、西面などの中腹はその特別地域の指定を受けている[5]。山名は天竜川水系遠山川の北又沢の支流「大沢」の源頭部の山であることに由来する[6]。上部は高山帯ハイマツが分布し、ライチョウが生息する[7]。周辺の山域では、ニホンジカなどによる植物の食害が確認されている[7]

登山

登路は長野県側からの大沢渡からのコースと南アルプス縦走路の登山道が開設されている[6]。北又沢から大沢渡山荘に至る登山道が開設されていたが[3][8]、廃道となっている[9]

大沢渡からのコース

大沢渡からのコースはしらびそ峠が起点であり、その詳細な経路を以下に示す[9]

  • しらびそ峠 - 林道 - 大沢渡下降点 - 北又沢渡渉点 - 大沢渡山荘 - 林道跡合流点 - 唐松山(小広場) - 唐松峠 - 大沢岳

北又沢渡渉点には、荷物渡しのための篭が設置されていて、唐松峠の上部ではダケカンバなどが自生している[9]。本コースでは放散虫化石が産出されている[10]

登山口のしらびそ峠から望む南アルプスの山並み
左から大沢岳-中盛丸山-兎岳-聖岳

南アルプス縦走路

赤石岳聖岳を登頂する南アルプス縦走時に、登られることが多い。百間洞山の家から東斜面を巻く登山道もあるため、縦走の際に登頂されることなく、通過されてしまうこともある[6]。赤石岳への登路は、赤石岳の登山を参照。聖岳への登路は、聖岳の登山を参照。

周辺の山小屋

登山口や稜線上には、山小屋キャンプ指定地がある[9][11][12]。登山シーズン中の一部の期間に有人の営業を行っている。山頂直下東北東0.7 kmに静岡市の百間洞山の家があり[9]、キャンプ指定地が併設されている[注釈 1][11][13]

名称 所在地 標高
(m)
大沢岳
方角と距離 (km)
[注釈 2]
収容
人数
キャンプ
指定地
備考
大沢渡山荘 大沢渡に東400 m 1,247 西 4.2 15 飯田市、老朽化
赤石岳避難小屋 赤石岳山頂直下南 2,990 東北東 3.6 30 静岡県営
百間洞山の家 赤石岳と大沢岳との鞍部南 2,430 東北東 0.7 60 テント20張 静岡市営[13]
兎岳避難小屋 兎岳山頂直下の東 2,740 南 2.3 8 飯田市
聖平小屋 聖沢源流部・聖平 2,260 南南東 5.0 120 テント50張 静岡県営
ハイランドしらびそ しらびそ高原 1,918 西南西 8.5 88 オートキャンプ施設 公共の宿泊施設

地理

東方の聖岳から望む大沢岳周辺の山並み
手前に小兎岳、中盛丸山(左奥に奥茶臼山)、大沢岳、その背後に中央アルプス(その最奥に御嶽山)と北アルプス
西方の木曽山脈(中央アルプス)恵那山から望む大沢岳周辺の山並み(左から荒川岳、赤石岳、大沢岳、中盛丸山、兎岳、聖岳、上河内岳)と富士山(聖岳と上河内岳との間の稜線越し)

山頂には三等三角点(点名「大沢岳」)が設置されていて[1]、その北側には、標高点2,814 mと2,772 mの小ピークがある。西側には顕著な尾根が延び、北側から北西の奥茶臼山方面に尾根が延びる。西面の長野県側は崩壊が激しく、深ヶ源頭までガレが垂直に落下している[6]

周辺の山

赤石山脈の主稜線上の赤石岳と中盛丸山との間にある。

山容 山名 標高
(m)[1][2]
三角点等級
基準点名[1]
大沢岳からの
方角と距離 (km)
備考
聖岳から望む奥茶臼山、右奥に前茶臼山(2014年7月26日) 奥茶臼山 2,474.42 二等
「奥茶臼山」
北西 6.1 日本三百名山
兎岳 から望む赤石岳(1994年7月29日) 赤石岳 3,120.53 一等
「赤石岳」
東北東 3.6 日本百名山
聖岳から望む、中盛丸山(左奥に前茶臼山)、大沢山、その背後に中央アルプスと北アルプス(2014年7月26日) 大沢岳 2,819.84 三等
「大沢岳」
0
岳から望む小兎岳、中盛丸山(左奥に奥茶臼山と前茶臼山)、大沢山(2014年7月26日) 中盛丸山 2,807 南南東 0.7
小兎岳から望む兎岳(1994年7月29日) 兎岳 2,818 (三等)「兎岳」
(2799.80 m)
南 2.3 兎岳避難小屋
兎岳から望む聖岳(1994年7月30日) 聖岳 3,013 南南東 3.4 日本百名山

周辺の峠

  • 唐松峠 - 大沢岳と唐松山との鞍部、標高約2,030 m、山頂の1.9 km西に位置する。
  • しらびそ峠 - 尾高山と御池山との鞍部、標高1,833 m、山頂の8.2 km西に位置する。南アルプスの山並みを望む展望台となっている。南南西0.5 kmの高台には、ハイランドしらびそがある。
  • 大聖寺平 - 小赤石岳と荒川前岳との鞍部、標高約2,715 m、山頂の4.6 km北東に位置する。

源流の河川

天竜川水系および大井川水系の以下の河川源流となる山で、太平洋へと流れる[9]。天竜川水系の遠山川北又沢の支流の大沢の源頭部の山である。

  • 深ヶ沢、大沢 - 天竜川水系の遠山川北又沢の支流
  • キタ沢、福川 - 天竜川水系の小渋川の支流
  • 百間洞 - 大井川水系の赤石沢の南沢の支流、入山のための登山口となる大井川の畑薙第一ダムの北西15 kmに位置する。その源流部付近に、百間洞山の家がある。

交通・アクセス

唐松峠下部の西面には、シラビソ峠からの林道が敷設されていた[9]

大沢岳の風景と展望

大沢岳の風景

  • 小河内岳から望む兎岳、中盛丸山、大沢岳 (2002年6月7日)
    小河内岳から望む兎岳、中盛丸山、大沢岳
    (2002年6月7日)
  • 兎岳から望む中盛丸山と大沢岳 (1994年7月30日)
    兎岳から望む中盛丸山と大沢岳
    (1994年7月30日)
  • 赤石岳から望む兎岳、小兎岳、中盛丸山、大沢岳 (2000年10月21日)
    赤石岳から望む兎岳、小兎岳、中盛丸山、大沢岳
    (2000年10月21日)
  • 聖岳から望む中盛丸山と大沢岳 (2002年11月6日)
    聖岳から望む中盛丸山と大沢岳
    (2002年11月6日)

大沢岳からの展望

  • 大沢岳から望む中盛丸山と兎岳、左奥に聖岳 (1994年7月29日)
    大沢岳から望む中盛丸山と兎岳、左奥に聖岳
    (1994年7月29日)

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 百間洞山の家は、特種東海フォレストが運営管理を行っていて、水場は付近の流水を利用。
  2. ^ 大沢岳からの山小屋までの距離は、登山経路上の距離ではなく、2地点の直線距離。

出典

  1. ^ a b c d “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2014年8月31日閲覧。
  2. ^ a b c “日本の主な山岳標高(長野県の山・静岡県の山)”. 国土地理院. 2014年8月31日閲覧。
  3. ^ a b c コンサイス日本山名辞典 (1992)、82頁
  4. ^ 山の便利手帳 (2010)、331頁
  5. ^ “南アルプス国立公園の区域図” (PDF). 環境省自然環境局. 2014年8月31日閲覧。
  6. ^ a b c d 加藤、河西 (2005)、1062頁
  7. ^ a b “平成19年度南アルプス保護林におけるシカ被害調査報告書” (PDF). 林野庁中部森林管理局. pp. 34 (2008年2月). 2014年8月31日閲覧。
  8. ^ 日本登山図集 (1986)、78-79頁
  9. ^ a b c d e f g 塩見・赤石・聖岳 (2014)
  10. ^ 村松 (1997)、137頁
  11. ^ a b 山の便利手帳 (2010)、134頁
  12. ^ 山の便利手帳 (2010)、138-139頁
  13. ^ a b “百間洞山の家”. 特種東海フォレスト. 2014年9月3日閲覧。

参考文献

  • 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。 
  • 『塩見・赤石・聖岳』昭文社山と高原地図2014年版〉、2014年3月18日。ISBN 978-4398759702。 
  • 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1。 
  • 『日本登山図集』日地出版、1986年10月。ISBN 4527002333。 
  • 村松武「赤石山地中部、しらびそ峠-大沢岳ルートから産出した放散虫化石-微化石データベース構築に向けて3」『飯田市美術博物館 研究紀要』第7巻、飯田市美術博物館、1997年、137-144頁、doi:10.20807/icmrb.7.0_137、ISSN 1341-2086、NAID 110008434534。 
  • 『山と溪谷2011年1月号付録』山と溪谷社〈山の便利手帳2011〉、2010年12月、ASIN B004DPEH6G頁。 

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、大沢岳に関連するカテゴリがあります。

外部リンク

  • 地理院地図(電子国土Web)・地名検索「大沢岳」 国土地理院
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