小関 也朱篤(こせき やすひろ、1992年3月14日[2] - )は、日本の競泳選手。山形県鶴岡市出身。平泳ぎを専門としている。自衛隊体育学校所属[1]。2016年リオデジャネイロオリンピック競泳日本代表メンバー。2017年世界水泳選手権200m平泳ぎ銀メダリスト。100m平泳ぎの現日本記録保持者。
人物
鶴岡市立朝暘第四小学校、鶴岡市立第四中学校を経て羽黒学園羽黒高等学校を卒業、高校時代の小関は全くの無名だったが第77回日本高等学校選手権水泳競技大会(2009年)の男子100m平泳ぎで3位に入賞した記録が残っている[3]。
2010年に日本体育大学体育学部体育学科に進学、大学3年までは自由形をメインに猛練習しながらひたすら泳ぎ込み、パワーをつけることだけを心掛けた[4]。大学3年で本格的に平泳ぎに転向、小関の大学の先輩でもある北島康介の泳法を研究し効率良く泳ぐ技術を追求した[4]。
2013年、ジャパンオープン男子100m平泳ぎで北島と接戦を演じて2位に入った[5]。同年の2013年夏季ユニバーシアード(ロシア・カザニ)に日本代表として出場、男子100m平泳ぎ決勝で金メダルを獲得した[6][7]。また男子4×100mメドレーリレーでは日本チームのメンバーとして銀メダルを獲得している[8]。同年10月には東アジア競技大会(中華人民共和国・天津市)に日本代表として出場し、男子100m平泳ぎにて金メダルを獲得し[9]、男子4×100mメドレーリレーでも日本チームのメンバーとして金メダルを獲得した[10]。また、200m平泳ぎでは銅メダルを獲得した。
2014年、2月の短水路競泳日本選手権では男子平泳ぎの50m、100m、200mの三種目で全て短水路日本記録を更新して優勝を果たした[11]。
日本体育大学を卒業後、ミキハウスの所属となった。その直後の4月の第90回日本選手権では男子100mで2012年ロンドンオリンピックメダリストの立石諒、北島らを破って初の日本選手権制覇を飾った[12]。さらに6月のジャパンオープン男子200m平泳ぎ決勝では山口観弘が持つ世界記録を上回るラップタイムで100mをターン、後半やや疲れたが好記録で優勝した[13]。
第12回パンパシフィック水泳選手権(オーストラリア・ゴールドコースト)日本代表に選出され、8月22日に行われた男子100m平泳ぎで優勝した[4]。また200m平泳ぎも制し、主要国際競技大会で初の平泳ぎ二冠を達成した。男子4×100mメドレーリレーでも日本チームのメンバーとして銀メダルを獲得している。リオオリンピック200メートルでは5位に入賞、2017年の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト大会)の同種目で銀メダルを獲得している。
2018年1月11日、昨年11月・12月にスペインで行われていた競泳日本代表の高地合宿で小関が炊事当番に遅れたとして同じ所属の天井翼に対して腹部と顎を利き手ではない左手で1発ずつ殴る暴行を加えていたことが報道された。小関はスペイン滞在中に所属先に報告し、天井にも謝罪して和解した。小関は所属先から2018年3月末までの対外試合出場自粛と日本代表活動の辞退、減俸などの処分を受けた[14][15]。この小関の問題を受け、日本水泳連盟は同年2月にグアムで予定されていた日本代表合宿を中止した[16]。同年1月22日、世界選手権での銀メダルなどが評価され日本水泳連盟による2017年優秀選手の表彰を受けた。小関は辞退を申し出たが[17]、連盟は賞は暴力問題の前の決定事項として表彰は取り消されなかった[18]。授賞式は欠席した[19]。なお、天井は報道機関の取材に対して炊事当番に遅刻したことが理由であることを否定しており、小関も騒動後に開いた記者会見で「コミュニケーション不足が原因だった」と認めた[20]。
逸話
小関は平泳ぎ選手としては188cm、リーチが2mという大柄タイプである。中学校入学当初は身長が152cmだったが、「牛乳を愛飲した」結果、中学3年次に183cmと30cmも背が高くなったことを明かしている[4]。
脚注
- ^ a b “2021.4.21 自衛隊体育学校ニュース 発行 「第60期特別体育課程学生入校式 世界の頂点を目指し自衛官アスリート始動!」”. 自衛隊体育学校 (2021年4月21日). 2022年4月25日閲覧。
- ^ 2013年東アジア競技大会選手名簿(競泳) (PDF) 日本オリンピック委員会
- ^ 高校総体(インターハイ)2009近畿まほろば総体水泳競泳男子100m平泳ぎ結果 Swimming Navi
- ^ a b c d 小関也朱篤100平V 北島後継お家芸守る 日刊スポーツ 2014年8月23日閲覧
- ^ ジャパンオープン2013 男子100m平泳ぎ競技結果 (PDF) SEIKO競泳リザルト
- ^ Swimming: Men's 100m Breaststroke Final 27th Summer Universiade in Kazan
- ^ 競泳男子で白井、小関が優勝 ユニバーシアード夏季大会 日本経済新聞 2013年7月12日閲覧
- ^ Swimming: Men's 4 x 100m Medley Relay Final 27th Summer Universiade in Kazan
- ^ Men's 100m Breaststroke Final (PDF) 第6回東アジア競技大会公式サイト
- ^ Men's 4x100m Medley Relay Final (PDF) 第6回東アジア競技大会公式サイト
- ^ 小関、北島の日本記録抜くなど平泳ぎ3冠/競泳 サンケイスポーツ 2014年2月16日閲覧
- ^ 第90回日本選手権水泳競技大会 男子100m平泳ぎ決勝 (PDF) SEIKO競泳リザルト
- ^ 【競泳】ジャパンオープン2014(50m)最終日 日本水泳連盟トピックス 2014年6月22日付
- ^ 2022年11月、自身のInstagramにて現役引退を表明。 “小関也朱篤が暴力、炊事当番遅れた後輩の腹と顎1発”. 日刊スポーツ. (2018年1月12日). https://www.nikkansports.com/sports/news/201801120000126.html
- ^ “小関選手、代表合宿中に暴力 後輩の腹部とあご殴る”. 毎日新聞. (2018年1月12日). https://mainichi.jp/articles/20180112/k00/00m/050/165000c
- ^ “2月のグアム合宿中止 暴行問題受け”. 毎日新聞. (2018年1月12日). https://mainichi.jp/articles/20180113/k00/00m/050/125000c#cxrecs_s
- ^ “競泳・小関が優秀選手表彰の辞退を申し出”. 朝日新聞. (2018年1月20日). https://www.asahi.com/articles/DA3S13321626.html
- ^ “小関選手の表彰取り消さず、水連 本人側から辞退の申し出も”. 朝日新聞. (2018年1月19日). http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018011901001133.html
- ^ “大橋悠依が水連MVP、暴力騒動の小関也朱篤は欠席”. 日刊スポーツ. (2018年1月22日). https://www.nikkansports.com/sports/news/201801230000133.html
- ^ “暴行騒動の小関「コミュニケーション不足だった」 後輩は炊事当番遅刻を否定”. デイリースポーツ. (2018年1月24日). https://www.daily.co.jp/general/2018/01/24/0010924814.shtml
外部リンク
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