美樹本晴彦

美樹本 晴彦
本名 佐藤 晴彦
生誕 (1959-08-28) 1959年8月28日(64歳)
日本の旗 東京都
国籍 日本の旗 日本
職業 イラストレーターキャラクターデザイナー漫画家アニメーター
活動期間 1983年[1] - (漫画家として)
代表作 キャラクターデザイン
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
マクロスシリーズ
メガゾーン23
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公式サイト www.mikimotoharuhiko.com
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美樹本 晴彦(みきもと はるひこ、1959年8月28日 - )は、日本イラストレーターキャラクターデザイナー漫画家アニメーター。男性。本名は佐藤 晴彦(さとう はるひこ)。東京都出身。

ペンネームの由来はあだち充の漫画『陽あたり良好!』の登場人物「美樹本伸」より。ニックネームの「HAL」、「美樹本良晴」を名乗った時期もある。

来歴

慶應義塾高等学校在学時よりアマチュア活動を始める。仲間にはアニメーション作家河森正治、漫画家細野不二彦、脚本家大野木寛らがいた。慶應義塾大学工学部へ進学し細野のアシスタントを務めた後、河森が在籍するスタジオぬえの企画『超時空要塞マクロス』に参加。ぬえの紹介でアートランドに入社し、代表石黒昇が監督を務める『鉄腕アトム』(第2作)で動画・原画、『科学救助隊テクノボイジャー』でゲストキャラクターのデザインを担当する。

同じく石黒がチーフディレクターを務める『超時空要塞マクロス』ではキャラクターデザインとキャラクター作画監督に抜擢され、アニメファンの注目を集める。とりわけ美少女の魅力を繊細に捉えた「美樹本キャラ」は人気を博した。以後、『超時空世紀オーガス』『メガゾーン23』と順調にキャリアを重ね、人気キャラクターデザイナーとしての地位を確立した。

その後アートランドから独立し、ライトノベル・雑誌等のイラストレーターとして活躍。1988年の『マリオネット・ジェネレーション』より漫画連載を始める。アニメ・ゲーム作品にはキャラクターデザイン(またはデザイン原案)として係わっている。

マクロス放送から27年目の2009年より漫画版『超時空要塞マクロス THE FIRST』の連載を開始。この企画を引き受けるか相当悩んだというが、『マクロスF』の新しいファンに原点を改めて見てもらう機会として描くことになった[2]。この作品では鉛筆で描いた原稿をデジタル加工する手法に挑戦しており、システムを組んだドスパラが美樹本スペックのパソコンを販売した[3]

エピソード

石ノ森章太郎が好きで漫画を描き始め、その後忠津陽子に影響され少女漫画的な画風を好むようになった。プロデビュー時は安彦良和のファンとして柔らかい描線に影響がみられ、その点をスタジオぬえのメンバーに注意されて悩んだという。わざとマーカーで荒れたタッチで描くなど苦労を重ね、次第に独自のビジュアルを確立することになる。

アマチュア時代には河森らとガンダムの同人誌『Gun Sight』を作り、そこから展開したムック『ガンダムセンチュリー』の短編小説「WHITE-BASE LIVE」では安彦キャラをコピーした挿絵を描いている(安彦はこの本で美樹本のことを知ったという)。代表作のマクロスシリーズ以外にガンダムシリーズ関連の仕事も多く、ロボットアニメの2つの人気シリーズに関わっている。

『マクロス』放送前から美樹本に注目したのが「アニメージュ」副編集長(当時)の鈴木敏夫で、誌面を変更してリン・ミンメイのイラストに1ページを割いた(番組紹介は半ページ)。1983年9月号では新人としては異例の大特集を組んでいる。一方で経験の浅い美樹本の起用については所属するアートランド内でも多少の摩擦があったという[4]。そのデザインは線が多すぎるためにアニメーターに不評だった。これはアニメーターのギャラが一枚いくらの出来高制であり、書くのに手間がかかる絵だと枚数がこなせずギャラが安くなってしまうからである。美樹本自身は絵を動かすより丹念に描きこむ方に興味があり、自然と活動もアニメからイラストや漫画の分野へ移ることになった。

美樹本は美少女ばかり書くのが好きだった。しかしそれでいてその絵は女性に人気があった。このため周囲からは「美樹本に男が描ければ…」と惜しまれていたそうである[5]。『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』では渋い中年男性キャラのデザインに苦戦し、高山文彦監督の助言でハリウッドの映画俳優をモデルにした。メカを描いたことはほとんど無かったが、必要に迫られ描き方を教わると、瞬く間にマスターしてしまったという。

リン・ミンメイ(『超時空要塞マクロス』)や時祭イブ(『メガゾーン23』)のキャラクター造りにはアイドル松田聖子中森明菜原田知世らのファンとしての観察眼を活かしている。松田聖子についてはファンクラブに入会し、アートランドの作画監督部屋の壁一面にポスターを貼っていたという逸話もある。大西結花のプロモーションビデオではイメージイラストを描いたほか、本人と対談しミニドラマにも出演している。

アニメの動画で美樹本のイラストタッチを再現することは難しいとされていたが、『甲鉄城のカバネリ』では動きに後追いでブラシを入れられるデジタルツールを使用し、女性キャラクターの表情などの決めカットを担当する「メイクアップアニメーター」という役職を設けている[6]

キャラクターデザイン

アニメ

ラジオドラマ

実写

ゲーム

小説表紙、登場人物、挿絵

漫画

カードゲーム

画集

  • 『美樹本晴彦ILLUSTRATIONS-季節のしおり』 徳間書店 1984年
  • 『みちのく画集』 徳間書店 1985年 ISBN 4196695388
  • 『星のキスメット』 秋田書店 1986年 ISBN 4253010660
  • 『Movement』 富士見書房 1988年 ISBN 4829191023
  • 『美樹本晴彦セルワークス』 徳間書店 1989年 ISBN 4196696074
  • 『ELVERZ』 富士見書房 1990年 ISBN 4829191074
  • 『HARUHIKO MIKIMOTO ILLUSTRATIONS』 Books Nippon 1992年
  • 『舞・颱夢』 富士見書房 1993年 ISBN 4829191120
  • 『INNOCENCE』 角川書店 2003年 ISBN 9784048536639
  • 『美樹本晴彦 ガンダム画集 INTO THE SKY』 角川書店 2009年 ISBN 9784048543576
  • 『そこにいる少女たちの情憬 Girl's Scenery』 廣済堂出版 2012年 ISBN 9784331900772

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ ザ・モーションコミック』(徳間書店)の創刊時より読み切り作品を発表している。
  2. ^ 「ガンダムエース3月号増刊 マクロスエース vol.001」 2009年 角川書店 p74
  3. ^ Raytrek debut! spec. 美樹本晴彦
  4. ^ 「CONTINUE vol.40」 2008年 太田出版 p31
  5. ^ 『日本のアニメ史学研究序説』より。
  6. ^ “ノイタミナ「甲鉄城のカバネリ」荒木哲郎監督インタビュー前編 「目指すのは王道を行く“普遍的”な作品」 (2)”. Anime Bank (2016年4月7日). 2016年4月22日閲覧。
  7. ^ “「閃光のハサウェイ」トレーラー公開!監督は村瀬修功、脚本はむとうやすゆき”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年1月11日). https://natalie.mu/comic/news/315776 2019年1月11日閲覧。 
  8. ^ “スタッフ&キャスト”. タイタニア. NHKアニメワールド. 2016年5月6日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 美樹本晴彦オフィシャルサイトinterlude
マクロスシリーズ
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