過誤腫

過誤腫(かごしゅ、hamartoma)とは、一般的には腫瘍奇形(形態発生異常)の中間的な性格の病変とされている。ただし、過誤腫と良性腫瘍過形成との厳密な区別は研究者により曖昧である。

病理学的に認容されている定義は、「臓器や器官に固有の細胞や組織成分が、臓器内で過剰に発育または過剰増殖することである。過誤腫の構成細胞は周囲の正常細胞と同一であり、成熟した細胞で占められる。しかも、過誤腫から正常な組織や器官が派生することはない。」というものである。

過誤腫と病理学的に診断される機会の多い肺過誤腫を例に挙げれば,胸部X線検査やCT検査で偶然発見される孤発性の銭形陰影(coin lesion)を示す「腫瘍様」病変である。切除された病変を病理組織学的に検査すると、分葉状に気管支軟骨が限局性に増生し,それに接して嚢胞状ないし分岐した気管支上皮が附属している像が観察される。これら軟骨や気管支上皮は正常な気管支構成成分と同一であり、成熟した細胞で占められている。ただし構造的には「奇形」と形容できる。この病変を放置しても病変が急激に増大したり、周囲の構造を浸潤性に破壊したりすることはない。この点は良性腫瘍様病変(benign tumor-like lesion)と呼ぶことも適当である。

 
疾患
閉塞性肺疾患
慢性閉塞性肺疾患
拘束性肺疾患
特発性

IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP

続発性

塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎

形態異常

気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症

腫瘍
良性腫瘍

肺過誤腫 | 硬化性肺胞上皮腫

悪性腫瘍

低悪性度肺腫瘍 | 原発性肺癌 | 転移性肺癌 | 中皮腫

アレルギー
気管支喘息
好酸球性肺炎
肺循環障害
肺代謝異常

肺胞蛋白症 | 肺胞微石症

機能的障害
感染性疾患
上気道
風邪
鼻炎
喉頭炎
下気道

急性細気管支炎

肺炎
原因
定型肺炎
グラム陽性
グラム陰性
非定型肺炎
ウイルス性
肺真菌症
抗酸菌症
機序
病態
肺胞性肺炎
胸壁
 
症候・徴候
異常呼吸

過呼吸 | 頻呼吸 | 徐呼吸 | 低呼吸 | 多呼吸 | 少呼吸 | 起坐呼吸 | 奇異性呼吸 | クスマウル呼吸 | チェーンストークス呼吸 | ビオー呼吸

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