鑿歯

鑿歯(さくし)は、中国に伝わる伝説上の怪物。寿華(じゅか)の野(古代中国南方の湿原地帯)に棲んでいたといわれる。

概要

長さ5、6(のみ)のように長い牙を持っている。寿華の地で次々に人を襲っていたが、の命を受けた羿(げい)によって退治された。

山海経』の海外南経によると、闘いの際に鑿歯はを持っていたともいう。

鑿歯人

郭璞による『山海経』海外南経の寿華の野に付けられている注によると、鑿歯人(さくしじん)と称される伝説上の人種がいたとされている。鑿歯人のは鑿のように長いという。『淮南子』に述べられている異国人物の記事「海外三十六国」中にもその名は見えるが詳細は不明である。

参考文献

  • 袁珂著、鈴木博 訳『中国の神話伝説』上、青土社1993年、298頁。
  • 山北篤、佐藤俊之『悪魔事典』新紀元社、2000年、138-139頁。

関連項目

  • 羿
  • 百越 - 江南の地にいた民族。歯を削り装飾などをしていたことから「鑿歯」とも呼ばれる。(鑿歯(民俗)(中国語版)
  • 習鑿歯 - 東晋時代の人物。