電子移動度

電子移動度(でんしいどうど、electron mobility)とは、固体の物質中での電子の移動のしやすさを示す量である。易動度ともいう[1]

単に移動度という場合は、キャリアの移動のしやすさを示す。半導体の場合、キャリアとは、電子および正孔のことである。

定義

物質に電場E をかけたとき、電場によって電子(もしくは正孔)が平均速度v で移動したとき、次式で定義される。

v = μ E {\displaystyle {\boldsymbol {\mathit {v}}}=\mu {\boldsymbol {\mathit {E}}}}

キャリアの電荷q 、電子の有効質量m*、電子の緩和時間 τ {\displaystyle \tau } とすると 移動度は、次式で算出される。

μ q τ / m {\displaystyle \mu \equiv q\tau /m^{*}}

半導体工学における移動度の意味

移動度は、抵抗率に反比例する。すなわち、抵抗率を ρ {\displaystyle \rho } 、キャリア密度をnとすれば

1 ρ = q n μ {\displaystyle {1 \over \rho }=qn\mu }

このため、移動度は物質の電気的特性を決める重要なパラメーターである。

脚注

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  1. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ). “易動度(いどうど)とは”. コトバンク. 2020年7月27日閲覧。
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