JUST ONE MORE KISS

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JUST ONE MORE KISS
BUCK-TICKシングル
初出アルバム『TABOO』
B面 「TO SEARCH」
リリース
規格
録音 1988年7月7日 - 7月14日
ジャンル
時間
レーベル ビクター/Invitation
作詞・作曲
プロデュース BUCK-TICK
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 6位(オリコン[1]
  • 登場回数20回(オリコン)
  • BUCK-TICK シングル 年表
    JUST ONE MORE KISS
    (1988年)
    「悪の華」
    1990年
    TABOO 収録曲
    A面
    • 1.「ICONOCLASM」
    • 2.「TOKYO」
    • 3.「SEX FOR YOU」
    • 4.「EMBRYO」
    • 5.「"J"」
    B面
    • 6.「FEAST OF DEMORALIZATION」
    • 7.「ANGELIC CONVERSATION」
    • 8.「SILENT NIGHT」
    • 9.「TABOO」
    • 10.「JUST ONE MORE KISS
    ミュージックビデオ
    「JUST ONE MORE KISS」 - YouTube
    EANコード
    EAN一覧
    • EAN 4988002163540 (7")
      EAN 4988002163533 (CD)
      EAN 4988002163557 (CT)
    テンプレートを表示

    JUST ONE MORE KISS」(ジャスト・ワン・モア・キス)は、日本のロックバンドであるBUCK-TICKの楽曲。

    1988年10月26日ビクター音楽産業のInvitationレーベルから1枚目のシングルとしてリリースされた[注釈 1]。作詞は桜井敦司、作曲は今井寿が担当し、BUCK-TICKによるセルフ・プロデュースとなっている。

    メジャーデビュー2年目となり、すでに3枚のアルバムをリリースしていたBUCK-TICKによる初のシングル曲であり、4枚目のアルバム『TABOO』(1989年)からの先行シングルとなった。メンバーが出演した日本ビクターのCDラジオカセットレコーダーCDian」のコマーシャルソングとして使用され、当初よりタイアップが決定していたが今井は意識せずに制作したと述べ、櫻井は「甘く切ない世界」をイメージして作詞したと述べている。

    本作はオリコンチャートにて最高位6位となり、バンドとして初のヒット曲となったほかに本作にて第30回日本レコード大賞にて新人賞を獲得した。

    録音、制作

    メジャー・デビュー後にアルバムを3枚リリースしていたBUCK-TICKであったが、シングル制作は本作が初となった[2]。作曲を手掛けた今井寿はシングル曲であることを特に意識せず制作したと述べたほか、「BUCK-TICKっぽい曲にしたい」という考えで制作を行ったとも述べている[2]。また、メロディーに関しても売れることやキャッチーさなどは全く考えずに制作したと述べており、ヤガミトールはBUCK-TICKの特徴的な要素を排除してまで売れる楽曲を作る必要性がないと当時述べていた[2]。その他、今井は「バンドっぽさを出したい」というテーマを念頭に本作を3日間で制作したとも述べている[2]

    本作の前にリリースされた3枚目のアルバム『SEVENTH HEAVEN』(1988年)がLPチャートにて1位を獲得したことに関して、作詞を手掛けた櫻井敦司は「ちゃんとしたものを作らなければっていう意識は前よりも強くなったかもしれない」と述べている[2]。また歌詞に関して櫻井は、当初イメージしたのは「甘く切ない世界」であったが一度制作した歌詞が気に入らず、没にして新しく書き直しをしている[2]。1日ないしは2日掛けて歌詞を書き直し、改めてレコーディングの仮歌として歌唱した時に、ノートに書いた状態とは異なりメロディーに乗せたことで「甘く切ない世界」が広がったと感じ、大変気に入ったとともに思わず涙が出たとも述べている[2]。櫻井はそれまで歌入れの際に涙が込み上げたことはあったものの、実際に涙が出たのは本作が初めてであったという[2]。櫻井は自身で手掛けた歌詞であるにも拘わらず「自分で書いた詞じゃないみたいなんです、不思議と」とも述べている[2]

    音楽性と歌詞

    パッと聴いて「ああ、BUCK-TICKだなあ」って思っちゃうような曲ですね。シングルだから特別なことをやろうと思ってなかったっていうか……このメロディーだったら売れるかなとか、こうやったらウケるかなっていうのはなかった。
    今井寿,
    B-PASS 1988年11月号[2]

    ヤガミは自著『ヤガミ・トール自伝「1977」』において本作が当初からCMソングとしてタイアップおよびシングルとしてのリリースが決定していたと述べており、レコード会社側からシングル用の曲を制作するように依頼されていたことを明かしている[3]。ヤガミは同著にてシングルとして依頼されたもののそう簡単には制作できるものではないと主張した上で、今井が本作を制作したことに関して「この時かな、俺が初めて今井の才能を感じたのは。すげぇな、こいつって」と述べている[3]。他のメンバーは「シングル曲としては地味なのでは」と思っていたそうであるが、桜井の歌詞と歌が乗った時点で「大化けした」との感想を持ったという。櫻井は本作の歌詞について「退廃的なラブソング」であると述べており、今井とは逆にシングルであることを意識して、キャッチーで耳に残る単語やフレーズを多く取り入れるようにしたという[4]

    櫻井は「トキメキは帰らない」という歌詞に関して、2人の男女が当初知り合った時の感情を長く交際している内に忘れてしまうことが切ないと感じたことから書いたと述べ、「イメージと現実の世界のかけらをひとつのシーンにまとめたのがこの詞なんです」とも述べている[2]。また、「JUST ONE MORE KISS」というタイトルは今井が制作したフレーズを聴いてすぐに思いついた言葉であると櫻井は述べている[2]

    4枚目のアルバム『TABOO』(1989年)において、本来は最終曲は「TABOO」となる予定であったが、櫻井が「あの曲が最後だと死んじゃうよ。苦しいよ」と反対したために本作が最終曲として収録されることとなった[5]。また、櫻井は本作を「とてもいい曲」とした上で最後にプレゼントとして収録したとも述べたほか、1988年のBUCK-TICKの軌跡を標した1曲であるとも述べている[6]

    リリース、プロモーション

    1988年10月26日ビクター音楽産業のInvitationレーベルから7インチレコードおよび8センチCDカセットテープの3形態でリリースされた。カップリング曲「TO SEARCH」はインディーズレーベルにてリリースされた1枚目のシングル曲を再レコーディングしており、アレンジは当時のライブバージョンが元になっている。

    また、1988年11月4日放送のテレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』(1986年 - )に初出演したBUCK-TICKは本作を演奏した。

    ミュージック・ビデオ、メディアでの使用

    本作は日本ビクターのCDラジオカセットレコーダーCDianコマーシャルソングとして使用され、BUCK-TICKメンバーもCMに出演し、「重低音がバクチクする」というキャッチコピーが使用された[1]。また本作はミュージック・ビデオも制作されており、当時レコーディングおよびライブ、取材などで多忙となっていたメンバーは3か月間1日も休日を与えてられておらず、今井はミュージック・ビデオの撮影時にもビデオ撮影ではなく雑誌の取材であると思い込んでおり、「何でこんなに動かなきゃいけないんだ? ああ、これPVか?」と時間が経ってからようやく気付いたと述べている[7]

    テレビ番組においては、フジテレビ系バラエティ番組『花王名人劇場』(1979年 - 1990年)の1989年12月放送分において前川清を除いた時期の内山田洋とクール・ファイブが本作のミュージック・ビデオのものまねを行った。その他、日本テレビ系バラエティ番組『絶対に笑ってはいけない熱血教師24時』(2012年)において、バナナマン日村勇紀およびEvery Little Thing伊藤一朗が扮するヴィジュアル系バンド登場シーンにおいて本作が使用された。

    チャート成績、受賞

    本作はオリコンチャートにおいて最高位6位で売り上げ枚数は14.7万枚となった。また、本作のヒットによってBUCK-TICKは第30回日本レコード大賞において新人賞を獲得した[1]

    カバー、別バージョン

    本作はBUCK-TICK自身によるセルフカバー・アルバム『殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits』(1992年)において、リアレンジ・バージョンが収録された。

    他アーティストによるカバーは以下に列挙する。

    シングル収録曲

    #タイトル作詞作曲編曲時間
    1.JUST ONE MORE KISS桜井敦司今井寿BUCK-TICK、中山努
    2.TO SEARCH今井寿今井寿BUCK-TICK
    合計時間:

    スタッフ・クレジット

    BUCK-TICK

    参加ミュージシャン

    • 中山努 - キーボード

    スタッフ

    • BUCK-TICK - プロデュース

    リリース履歴

    No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
    1 1988年10月26日 ビクター/Invitation 7インチレコード
    8センチCD
    CT
    VIHX-1755 (7")
    VDRS-1089 (CD)
    VST-10436 (CT)
    6位

    収録アルバム

    「JUST ONE MORE KISS」
    「TO SEARCH」
    • 『BT』(1999年)
    • 『TABOO』(2002年) - リマスター初回盤のみ収録

    脚注

    [脚注の使い方]

    注釈

    1. ^ インディーズレーベルにてリリースされたシングル「TO SEARCH」を含めると通算2枚目となる。

    出典

    1. ^ a b c BUCK-TICK ~since 1985-2011~ 2011, p. 25- 「BUCK-TICKの26年間の足跡ストーリー1985-2011」より
    2. ^ a b c d e f g h i j k l WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 73.
    3. ^ a b ヤガミトール 2018, p. 135- 「三.BUCK-TICK」より
    4. ^ HYP NO.3 1990.
    5. ^ WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 76.
    6. ^ WORDS BY BUCK-TICK 2002, p. 78.
    7. ^ 別冊カドカワ 2018, p. 57- 帆苅智之「PERSONAL INTERVIEW 変化と進化の座標 今井寿」より
    8. ^ “BUCK-TICK、トリビュート・アルバムの詳細が明らかに”. CDジャーナル. 音楽出版 (2005年11月30日). 2022年3月21日閲覧。
    9. ^ “BUCK-TICKトリビュートにcali≠gari、ポリ、氣志團ら13組”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2012年4月27日). 2022年2月6日閲覧。
    10. ^ “BUCK-TICKトリビュート・アルバム、7/4発売&13組の参加アーティスト発表”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2012年4月27日). 2022年2月6日閲覧。
    11. ^ “BUCK-TICKトリビュートアルバム第3弾『PARADE III ~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』2020年1月29日発売”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2019年10月21日). 2022年3月21日閲覧。
    12. ^ “BUCK-TICKトリビュート詳細解禁!椎名林檎、BRAHMAN、DIRらがカバーするのは”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2019年11月22日). 2022年3月21日閲覧。
    13. ^ “BUCK-TICK、トリビュートアルバムの収録曲発表&ジャケ写は宇野亞喜良が担当”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2019年11月22日). 2022年3月21日閲覧。

    参考文献

    • 「HYP [ハイプ] NO.3」『FOOL'S MATE増刊』平成2年6月号増刊、フールズメイト、1990年6月15日。 
    • 『WORDS BY BUCK-TICK 1987-2002』シンコーミュージック、2002年3月26日、73 - 78頁。ISBN 9784401617265。 
    • 『BUCK-TICK ~since 1985-2011~ 史上最強のROCK BAND』アイビーコーポレーション、2011年3月26日、25頁。ISBN 9784864251273。 
    • ヤガミトール『ヤガミ・トール自伝「1977」』音楽と人、2018年9月8日、135頁。ISBN 9784903979281。 
    • 『別冊カドカワ 総力特集 BUCK-TICK』第747号、KADOKAWA、2018年9月21日、57頁、ISBN 9784048962728。 

    外部リンク

    • "Buck-Tick – Just One More Kiss" - Discogs (発売一覧)
    櫻井敦司(ボーカル) - 今井寿(ギター) - 星野英彦(ギター) - 樋口豊(ベース) - ヤガミトール(ドラム)
    シングル

    Indies.TO-SEARCH - 1.JUST ONE MORE KISS - 2.悪の華 - 3.スピード - 4.M・A・D - 5.JUPITER - 6.ドレス - 7.die - 8.唄 - 9.鼓動 - 10.見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ - 11.キャンディ - 12.ヒロイン - 13.囁き - 14.月世界 - 15.BRAN-NEW LOVER - 16.ミウ - 17.GLAMOROUS - 18.21st Cherry Boy - 19.極東より愛を込めて - 20.残骸 - 21.幻想の花 - 22.ROMANCE - Remix.ドレス (bloody trinity mix) - 23.蜉蝣 -かげろう- - 24.RENDEZVOUS 〜ランデヴー〜 - 25.Alice in Wonder Underground - 26.HEAVEN - 27.GALAXY - 28.独壇場Beauty - 29.くちづけ - 30.エリーゼのために - 31.MISS TAKE 〜僕はミス・テイク〜 - 32.LOVE PARADE/STEPPERS -PARADE- - 33.形而上 流星 - 34.New World - 35.BABEL - 36.Moon さよならを教えて - 37.獣たちの夜/RONDO - 38.堕天使 - 39.MOONLIGHT ESCAPE - 40.Go-Go B-T TRAIN - 41.太陽とイカロス - 42.無限 LOOP

    アルバム
    オリジナル
    ミニ

    1.ROMANESQUE

    ベスト
    ライヴ

    1.SWEET STRANGE LIVE DISC - 2.ONE LIFE, ONE DEATH CUT UP - 3.at the night side - 4.CLIMAX TOGETHER -1992 compact disc-

    トリビュート
    その他
    映像作品

    1.バクチク現象 at THE LIVE INN - 2.MORE SEXUAL!!!!! - 3.Sabbat I - 4.Sabbat II - 5.悪の華 - 6.M・A・D - 7.BUCK-TICK - 8.Climax Together - 9.CATALOGUE 1987-1995 - 10.SWEET STRANGE LIVE FILM - 11.DREAM BOX - 12.ONE LIFE, ONE DEATH CUT UP - 13.BUCK-TICK PICTURE PRODUCT - 14.BUCK-TICK TOUR2002 WARP DAYS 20020616 BAY NK HALL - 15.PICTURE PRODUCT II - 16.Climax Together Collector's Box - 17.Mona Lisa OVERDRIVE -XANADU- - 18.at the night side - 19.悪魔とフロイト -Devil and Freud- Climax Together - 20.13th FLOOR WITH DIANA - 21.BUCK-TICK SINGLES on Digital Video Disc - 22.BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE - 23.TOUR2007天使のリボルバー - 24.memento mori 090702 - 25.TOUR 2010 go on the“RAZZLE DAZZLE” - 26.THE DAY IN QUESTION 2011 - 27.B-T LIVE PRODUCT -1987/1989/1992 VICTOR YEARS- - 28.BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE - 29.TOUR 夢見る宇宙 - 30.劇場版BUCK-TICK 〜バクチク現象〜 - 31.TOUR2014 或いはアナーキー -FINAL- - 32.TOUR アトム 未来派 No.9 -FINAL- - 33.CLIMAX TOGETHER ON SCREEN 1992-2016 / CLIMAX TOGETHER 3rd - 34.THE PARADE 〜30th anniversary〜 - 35.THE DAY IN QUESTION 2017 - 36.TOUR no.0 - 37.ロクス・ソルスの獣たち - 38.B-T LIVE PRODUCT -Ariola YEARS- - 39.TOUR2020 ABRACADABRA ON SCREEN / ABRACADABRA LIVE ON THE NET

    書籍
    写真集

    1.BUCK-TICK - 2.HYPER - 3.HYPER NUMBER 3 - 4.BT8992 - 5.SHAPELESS - 6.TOUR GUIDE BOOK/13th FLOOR WITH MOONSHINE - 7.BUCK-TICK TOUR 2009 memento mori PIX

    関連書籍

    1.LOVE ME - 2.天使のざわめき - 3.WORDS BY BUCK-TICK - 4.IKONOKRUSM - 5.ORAL HISTORY-20th ANNIVERSARY SPECIAL BOOK

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