M21狙撃銃

M21狙撃銃
M21狙撃銃
種類 狙撃銃
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ
運用史
配備期間 1969年-現在
配備先 アメリカ陸軍フィリピン陸軍
開発史
開発者 Marines Weapons Command,
Combat Development Command,
Limited Warfare Agency
開発期間 1969年
製造業者 ロックアイランド兵器廠(英語版)スプリングフィールド造兵廠
派生型 M25狙撃銃(英語版)
諸元
重量 5.27kg(11.6lb)
全長 1,118mm(44in)
銃身 560mm(22in)

弾丸 7.62x51mm NATO弾
作動方式 ガス圧作動方式回転ボルト方式(英語版)
初速 853m/s(2,800ft/s)
装填方式 5・10・20発着脱式箱型弾倉
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M21狙撃銃(M21 Sniper Weapon SystemまたはRifle, 7.62 mm, Sniper, M21)は、M14自動小銃の派生型として設計された半自動式の狙撃銃である。

概要

ベトナム戦争中、新型狙撃銃の調達を計画していたアメリカ陸軍は、当時の主力歩兵銃M14の精度や信頼性・速射性などの面を評価し、これに狙撃銃としての改良を加える事を決定した。1969年ロックアイランド兵器廠(英語版)は1,435丁のナショナルマッチ・モデル(競技用モデル)のM14に対する改修作業を行った。

XM21の仮制式名で呼ばれたこのモデルは、レザーウッド製の3-9x倍率調整式スコープを搭載するほか、標準のM14とは異なるクルミ材の銃床を備え、これを使用する狙撃兵には競技用弾薬が支給された。1969年後半に初めて実戦に投入され、1975年グラスファイバー製の銃床を採用した改良型がM21として正式に採用された。M21は、1988年までアメリカ陸軍の主力狙撃銃として使用され、以後はM24狙撃銃に更新されていった。ただし、いくつかのM21がイラク戦争の折に再配備された事が知られている[1][2]

陸軍のXM21狙撃銃(上)と海兵隊M40狙撃銃(下)

通常、M21はM14自動小銃と同様の20発着脱式箱型弾倉を使用し、重量はスコープを除けば5.27kgである。また、アメリカ軍による正式な調達は行われていないが、5発弾倉と10発弾倉も存在する。

スミス・エンタープライズ(英語版)社が開発した改良型のM21A5は、「クレイジーホース・ライフル(英語版)」の商品名で知られている。M21A5の金属部品は極低温加工で成形されており、グラスファイバー製銃床とのかみ合わせの調整が不要である。そのほか、調整可能なトリガーグループや低温使用を想定したボルトハンドルなどのオプションも存在する[3]

M25狙撃銃

M25狙撃銃(英語版)は、1980年代グリーンベレーネイビー・シールズといった特殊部隊での運用を想定して第10特殊部隊グループ(英語版)(10th SFG)が開発したM21の改良型である。1991年砂漠の嵐作戦の折にも使用されていたことが確認されている。

軍用狙撃銃として

XM21はベトナム戦争にてアメリカ陸軍が使用し、M21は1960年代後半-1980年代までの紛争や何らかの作戦のために少数が投入された。1983年グレナダ侵攻の折には、米陸軍レンジャー部隊(英語版)がM21を使用した。陸軍州兵にも少数が配備されているほか、統合即応訓練センターの仮想敵部隊(OPFOR)でも使用されている。XM21とM21の正式な運用期間はそれぞれ1969年-1975年、1975年-1988年であり、以後はM24狙撃銃に更新されていった。ただし、陸軍レンジャーの一部では1990年までM21を使用していたという[2][4]

民生用狙撃銃として

スプリングフィールド・アーモリー社では、M14自動小銃の民生用モデルであるM1Aの派生型として、M21 タクティカルライフル(M21 Tactical Rifle)とM25 ホワイトフェザータクティカル/カルロス・ハンコックライフル(M25 White Feather Tactical/Carlos Hathcock rifle)という商品を製造している。これらは、M21狙撃銃およびM25狙撃銃(英語版)を参考にしているものの、異なる部分も多い。特に外見上の大きな違いはスコープマウント用にピカティニー・レールが取り付けられている点である[5]

脚注

  1. ^ http://world.guns.ru/sniper/sniper-rifles/usa/m21-e.html
  2. ^ a b “U.S. Army M21 & XM21 Sniper Weapon System”. Sniper Central. 2013年11月17日閲覧。
  3. ^ Pushies, Fred (2009). “Smith Enterprise’ Crazy Horse M21A5 7.62x51mm”. Special Weapons for Military & Police (Harris Publishing) 20 (4). 
  4. ^ M21 Sniper Rifle - ArmyRanger.com
  5. ^ Springfield Armory, Inc.'s official pages of the M21 Tactical Rifle and M25 White Feather Tactical/Carlos Hathcock model

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、M21狙撃銃に関連するメディアがあります。
  • M21 Tactical
  • U.S. Army Field Manual 23–10, Appendix B: M21 Sniper Weapon System
  • Lee Emerson's Word doc. on the M14 and nearly all known variants
  • SniperCentral's page about the M21
  • Brief M21 description and history from the U.S. Army.
  • M21 on Global Security.org (the same text can be found at FAS.org)
  • M25 at SniperParadise.com
  • M25 at AnySoldier.com
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