アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール

この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の姓)はロペス第二姓(母方の姓)はオブラドールです。
アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール
Andrés Manuel López Obrador


任期 2018年12月1日

出生 (1953-11-13) 1953年11月13日(70歳)
メキシコの旗 メキシコ タバスコ州テペティタン
政党 国民再生運動 (MORENA)
配偶者 ロシオ・ベルトランメ・ディナ(1979年 – 2003年)
ベアトリス・グティエレス・ミュラー(2006年 – )
署名

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールスペイン語: Andrés Manuel López Obrador, スペイン語発音: [anˌdɾes maˈnwel ˈlopes oβɾaˈðoɾ] ( 音声ファイル), 1953年11月13日 - )は、メキシコ政治家。通称はイニシャルであるAMLO(アムロ)。中道左派または左翼政党民主革命党(PRD)に所属していたが、2012年9月に離党し、2014年に新しい左派政党である国家再生運動(Morena)を立ち上げた。2015年の中間選挙で民主革命党は大敗し、かわって国家再生運動が躍進した[1]。国家再生運動は労働党及び社会結集党との政党連合フントス・アレモス・イストリア(スペイン語版)(我らは共に歴史を築く)を立ち上げ、ロペス・オブラドールを代表に2018年メキシコ大統領選挙で勝利し、2018年12月1日にロペス・オブラドールが同国大統領に就任した。

歩み

1953年タバスコ州で生まれ、首都メキシコシティメキシコ国立自治大学(UNAM)卒業、1970年代に当時の支配政党制度的革命党(PRI)に入党し、1976年詩人上院議員のカルロス・ペリセールの選挙運動に参加したことから政界入りする。

タバスコ州の先住民チョンタルパ族の支援活動や首都メキシコ市の消費者教育の促進運動を経て、1988年クアウテモク・カルデナス大統領候補の民主化運動に参加してPRIを離党し、国民民主戦線(FDN)からタバスコ州知事に立候補したが落選した。

1989年、FDNが民主革命党(PRD)に改名すると、タバスコ州委員長に就任、1996年には全国委員長に就任。2000年メキシコシティ市長に当選し、以後中央政府のフォックス大統領と激しく対立するも、メキシコ市住民の圧倒的な支持を集める。

2006年の大統領選に出馬を表明し、選挙準備のため2005年7月メキシコ市長を辞任した。個人的人気がきわめて高く、大統領当選が最有力視されていたが、選挙直前にフォックス大統領を罵倒した言葉が強い批判を浴びて支持率が急落し、2006年7月2日に行われた大統領選挙において、得票率35.3%あまり、わずか0.6ポイント足らずの僅差で対立候補フェリペ・カルデロン国民行動党<PAN>)に敗れた。2012年7月の大統領選挙にもPRDの候補として出馬したが、PRIのペニャニエト候補に8%以上の差をつけられて敗北した[2]

2018年7月1日投開票の大統領選挙ではPRDから分裂して結成された国民再生運動(Morena)の候補として出馬[3]。本格的な選挙運動が開始される直前の3月末に行われた世論調査では支持率で2位の候補の大差をつけており[4]本戦でも半数を超える票を獲得し勝利した[5]。12月1日に就任した[6]

大統領としての活動

2018年に大統領に就任すると、国営石油企業であるペメックスの規律強化に乗り出した。ペメックスでは、職員と地方の土着政治家、麻薬カルテルらが結び付き、年間663億ペソ(約3700億円)もの石油製品が横流しされており問題となっていた。対策の成果は、2019年1月にかけて横流し品に頼っていた石油供給ルートが遮断され、大規模なガソリン不足が発生したことにより、目に見える形で明らかになった[7]

2020年9月に歴代の大統領を訴追の対象に含めることの是非を問う国民投票を実施することを表明し、同年10月に連邦議会で投票実施が承認された[8]。しかしメキシコに過去の大統領経験者を訴追の対象外とする法令はなく、あくまで慣例的なものであったことから野党の弱体化を狙った政治的な宣伝色の強いものとの批判もあった。事実ロペス・オブラドールは当初、国民投票では訴追対象に含める過去の大統領を1988年から2018年までの間に務めたゴルタリセディージョケサーダカルデロンペーニャ・ニエトの5人と指定しようとしていたが、最高裁判所の判断で実際の質問内容には具体名は含まれなかった。2021年8月1日の国民投票では9割前後の賛成を得たが、先述のような批判もあり投票率は7%台にとどまった[9]

大統領選挙において任期中に大統領の信任投票を実施する公約を実現するため、2019年に国民投票制度を導入。大統領への反対票が過半数かつ投票率が有権者の40%を超えた場合は解任できることとなった。2022年4月10日に国民投票(英語版)が執行されたが、野党からはロペス・オブラドールの支持率を示すためのものとして資金の無駄遣いとの批判があり、ボイコットが呼びかけられていたこともありロペス・オブラドールの任期満了までの続投に91.86%が賛成が集まったが投票率は17.78%と低迷した[10][11]

その他

  • 大統領就任式には愛車のフォルクスワーゲン・ジェッタを使用した。

出典

  1. ^ 馬場香織「メキシコ2015年中間選挙:左派再編と政党政治」『ラテンアメリカレポート』第32巻第2号、2015年、26-37頁。 
  2. ^ “メキシコの制度的革命党が大統領選勝利を宣言、政権交代へ”. ロイター. (2012年7月2日). https://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE86101D20120702/ 2012年7月3日閲覧。 
  3. ^ “メキシコ、与党と新興左派野党が大統領候補を指名”. ロイター. (2018年2月19日). https://jp.reuters.com/article/mexico-election-idJPKCN1G300J 2018年4月5日閲覧。 
  4. ^ “メキシコ大統領選、左派ロペス・オブラドール氏支持拡大=世論調査”. ロイター. (2018年4月2日). https://jp.reuters.com/article/mexico-election-poll-idJPKCN1H90JO 2018年4月5日閲覧。 
  5. ^ “メキシコで左派大統領誕生へ 対立候補が敗北宣言”. BBC News. BBC. (2018年7月1日). http://www.bbc.com/japanese/44678849 2018年7月2日閲覧。 
  6. ^ “メキシコ新大統領就任、左派ロペスオブラドール氏 貧困・汚職対策など掲げる”. AFP通信. AFPBB. (2018年12月2日). https://www.afpbb.com/articles/-/3200127 2018年12月3日閲覧。 
  7. ^ “燃料盗難が多発するメキシコ「笑えない対策」 左派新大統領が過去の「慣行」にメス”. 東洋経済オンライン (2019年1月18日). 2019年1月19日閲覧。
  8. ^ “メキシコ、元大統領を裁く是非を問う国民投票 21年8月”. 日本経済新聞. (2020年10月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65355600T21C20A0000000/ 2022年4月13日閲覧。 
  9. ^ “メキシコ「元大統領裁くべきか」で国民投票 投票率7%”. 日本経済新聞. (2021年8月2日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN022QT0S1A800C2000000/ 2022年4月13日閲覧。 
  10. ^ “メキシコ大統領、「信任」選挙で投票率18% 9割支持も”. 日本経済新聞. (2022年4月12日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN103QI0Q2A410C2000000/ 2022年4月13日閲覧。 
  11. ^ “大統領罷免に向けた国民審査を実施、投票率は18%弱にとどまる”. 日本貿易振興機構. (2022年4月12日). https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/04/14133de30dab0efc.html 2022年4月13日閲覧。 

外部リンク

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