カミングアウト

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曖昧さ回避 日本の映画については「カミングアウト (2014年の映画)」をご覧ください。
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カミング・アウト・オブ・ザ・クローゼット: coming out of the closet)とは、これまで公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明すること。「カミング・アウト」と省略されることも多いが、「カミング・アウト」はデビューする、世に出る、単に秘密を公言・公表することなどを意味する。ここでは「カミング・アウト・オブ・ザ・クローゼット」について記述する。[1]英語の動詞形でカムアウト: come out)またはカムとも言う。自身ではなく他人の秘密を暴露することをアウティング: outing)という。

語源

語の本来の意味はデビューする、世に出ることである。

秘密にしていた自らの出自や性的指向を公にするという意味は、同性愛者が家族や親友や職場や社会から同性愛者であることを隠すために、異性愛者として振る舞っていたことに由来する。この「真の自分を押し込め、暗く抑圧された窮屈な状態」のことをアメリカの同性愛者の間では「押入れ(クローゼット)の中にいる」と比喩されていた[要出典]。そこから、「(真の自分を押し込んでいた)クローゼットの中から出て真の姿を開放する」という意味でクローゼットから「カミングアウト」という用語がアメリカのゲイ社会で生まれた[要出典]

概要

欧米では基本的に同性愛者が使う表現であるが、日本においては薬害エイズ問題に絡んで、同性愛者ではない者がHIV感染者であることを表明するケースが最も代表的であったため、C型肝炎アトピー性皮膚炎アルコール依存症などの持病を明かすことや、さらには被差別部落出身者被爆者の子孫であることなど、その出自を明らかにすることを「カミングアウト」と表現することも多い[要出典]。このほか、出自や体質あるいは病気以外に、ベジタリアン異性装性産業従事など世間体のうえで詳らかにしにくい趣味・嗜好・習慣・過去を持つことなど、自身の価値観を告白する場合にも用いられることもある。

本来は、レズビアンやゲイが自己の性的指向を家族、友人、同僚などに明かせず心理的に悩んでいる状況を「押入れに閉じこもっている」と比喩し、そこから「coming out of the closet(カミング・アウト・オブ・ザ・クローゼット)」(押入れから出てくる)が短縮された言葉である。よって、社会に対して自分が同性愛者であることを「表明」する行為というより、自分の家族や学校、職場の友人、同僚、知り合いに自分が同性愛者であることを「打ち明ける」・「告白」するという意味が強い。よって、単に自身の性的指向等を告げるだけではなく、打ち明けた相手との新しく肯定的な関係を築くための過程を含めてカミングアウトと呼ぶこともある。欧米では、例えば家族に黙って新しい宗教イスラム教など)に改宗していたり、薬物依存であったり、あるいは大学をこっそり中退している場合にその事実を家族に告白する場合にカミングアウトの表現が使われるのもこのためである。また、友人の間ではアウトであるが家族にはまだアウトしていない、逆に家族、友人にはアウトしているが職場ではアウトしていないなどの場合も存在する。芸能人がゲイあるいはレズビアンであることをマスコミなどに表明する場合は、このカミングアウトの延長であると見なされる[要出典]

歴史

アメリカでは、初期にエイズが同性愛者の間で蔓延したため、エイズに感染した同性愛者がほとんど仕方なしに家族にエイズ感染と自分が同性愛者であることをカミングアウト・告白するということになった。これにより拒絶されたり、逆にあるがままの自分を受け入れられたりと経験はさまざまであった。また、著名な芸能人の幾人かがこれにより同性愛者であることとエイズ感染を表明することになり、カミングアウトという観念が同性愛者の間だけでなく社会一般にも認識されるようになった[要出典]

同性愛以外にも、性同一性障害の概念が知られるようになると、性別を超えて自分の好きな服装や生活、更にはジェンダーに沿った肉体を手に入れるためにカミングアウトする人も出るようになり、これらに関しても、一定の理解が寄せられるようになってきている[要出典]

しかしその一方で、社会の偏見やそれに基づく差別により、カミングアウトにより社会的地位を喪失したり、他人から迫害される、地域コミュニティから排斥されるなどの弊害が起きることも多く、人権問題や雇用問題と絡んで、係争中のケースも少なくはない[要出典]

エイズとカミングアウト

現在では、エイズは日常的な接触程度で感染する病気ではないことが判明しているが、エイズがまだ概要が不明の病気であった頃には、HIV感染者であることが分かると、一部の医療機関が「適切な医療汚染対処設備が無い」などとして、医療拒否をする事態が起こっていた[要出典]。さらに、エイズに関する無知から、感染者であることが知れると理髪店や飲食店などの利用が断られるといった不利益があったり社会から疎外されることもあった[要出典]。しかし、薬害エイズ問題を追及する上では被害者が名乗りを上げる必要性があるため、あえて不利益を承知で自らHIV感染者であることを表明するケースも出ている[要出典]

脚注

  1. ^ [1] 2022年10月12日閲覧。

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カテゴリ Category:HIV/AIDS
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