コティホローシュコ

「コティホローシュコ切手」コンスタン・ラヴラ(英語版)

コティホローシュコウクライナ語Котигорошко[1]、意訳:「豆太郎」、「エンドウ豆太郎」)は、ウクライナ民話に登場する主人公、豌豆から生まれた不思議な力を持つ男の子である。またその主人公とする昔話の題名である。日本桃太郎と類似性を持つ。

概要

コティホローシュコについての民話は様々であるが、どのバリエーションにおいてもドラゴン退治の場面が物語の中軸となっている。

典型的なコティホローシュコの民話では、コティホローシュコはドラゴンに子供を奪われた夫婦の間に誕生したとされる。婦人は川で洗濯していたとき、道を転がっている豌豆を見つけてそれを食べる。その後、婦人は男の子を産み、その男の子に「コティホローシュコ」(転がっている豌豆の子)という名をつける。男の子はまたたくまに成長し、人並みはずれた強大な力を持つようになる。ある日、コティホローシュコはドラゴンに奪われた兄姉を救うことを決意し、そして、鍛冶屋にドラゴンを倒すための鉄の棍棒を作らせ、ドラゴン退治に出発する。旅の途中でコティホローシュコは、ヴェルヌィーホラ(砕き)、ヴェルヌィドゥーブ(抜き)、クルティヴース(長)という三人のコサックの魔法使いに出会って友達となる。この三人はドラゴンとの戦いでコティホローシュコを助け、コティホローシュコはドラゴン退治に成功する。

豌豆はスラヴ人神話や民話にしばしば登場する植物である。農業社会にとっての豌豆は、生命力・肥沃・繁栄を象徴している。特に東スラヴ人の文化において、豌豆は世界の誕生を祝う大祭(現在のクリスマス)や多産を祈る結婚式などで用いられる。

脚注

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  1. ^ ポコティホローシュコ(Покотигорошко)、コティホロフ(Котигорох)とも。

参考文献

  • (ウクライナ語) Котигорошко. Київ: Веселка, 1985.
  • (ロシア語) Максимович М.А. Дни и месяцы украинского селянина // Русская Беседа. 1856 г. № 1, смесь, стр. 61—83 и № 3, стр. 73—108.

関連項目

外部リンク

  • ウィキメディア・コモンズには、コティホローシュコに関するカテゴリがあります。
  • (日本語) ヴィオレッタ・ウドヴィク編、イワン・ジューブ訳、岡部芳彦・ナディア・ゴラル翻訳校正、ゾヤ・スコロパデンコ画『コティホローシュコ/エンドウ豆太郎:ウクライナの民話』オデーサ・アストロ出版、2021年[1]
  • (ウクライナ語) コティホローシュコ。ウクライナの民話
  • コティホローシュコ(アニメ)