ジム・リー

ジム・リー
Jim Lee
2012年 Midtown Comics サイン会。
2012年 Midtown Comics サイン会。
生誕 (1964-08-01) 1964年8月1日(59歳)
大韓民国の旗 韓国 ソウル特別市
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 漫画家
代表作バットマン: ハッシュ(英語版)』 、『For Tomorrow 』、『All Star Batman & Robin, the Boy Wonder』、『Uncanny X-Men』、『X-Men vol. 2
受賞 インクポット賞 (1992)
ハーヴェイ賞 (1990)
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ジム・リーイ・ヨンチョルJim Lee1964年8月11日 - )は、韓国系アメリカ人アメリカン・コミックス作家。作画家、脚本家、クリエイターであり、出版者でもある。1990年にハーヴェイ・スペシャル・アウォード・フォー・ニュー・タレントを受賞。

経歴

初期の時代と仕事歴

リーは韓国ソウルに生まれ[1]アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスで育った。アメコミ業界で有名な3人のリー(スタン・リー、ジェー・リー、パット・リー)とは親戚関係ではない。

リーのセントルイスでの高校時代の卒業アルバムの中で、友人の一人は「彼は自分のコミックカンパニーを設立するだろう」と予言している。しかし当初リーは医療に従事していた父を継ぐため、コミックの道を諦めていた。リーは医師になるため、プリンストン大学心理学を専攻した。選択科目の現代アートのクラスが彼に描く事への情熱を思い出させた。

小さな出版者で出した“サムライ・サンタ#1”の表紙のみのインキングをした後、北米最大のコミック出版社、マーベル・コミックスにてペンシラーとして成功を収めた。彼のマーベルでの初期の作品には『アルファフライト』、『ザ・パニッシャー・ウォー・ジャーナル』がある。

X-Menで得た名声

1989年、リーは『アンキャニィX-MEN』#248でレギュラーのペンシラー、マーク・シルヴェストリの代理を務め、#256から#258までゲスト参加、シルヴェストリが去った#267くらいから段々とシリーズの常任アーティストとなっていった。『アンキャニィX-MEN』では、リーは後に長年の共同制作者となったインカー、スコット・ウィリアムズと当初から仕事をしている。

1991年、リーは、単に『X-メン』と呼ばれる事になった、X-メンの第2シリーズを長年X-メンを手がけてきたクリス・クレアモントと共に、共同作家として手がけた。彼らはガンビットことレミー・ルボーを作り出した。リーはまた、X-メンのすべての世代の読者がキャラクターのイメージとして認知している、サイクロップス、ジーン・グレイ、ローグ、サイロックそしてストームなどの新しいユニフォームをデザインした。また、彼はジョン・バーンと共に、オメガ・レッドのキャラクターを共同作成した。X-メンの#1は、リーが複数種類(俗に言うA〜Eカバー)の表紙のイラストを描く事で、ファンが重複して購入しているとはいえ800万部の部数を売り上げた。

しかしながらリーは難しいハードルへと進む事になった。クレアモントは、キャラクターやストーリーラインに対する2人のビジョンの違いから共に仕事をするのは難しいと思い始める。X-メンにおいて、意見の食い違いがこの先長引く事が予想されたため、結局マーベルの編集者ボブ・ハラスは、空前の人気を誇ったリーを支持し、クレアモントは第3弾の新X-メンシリーズを去る事になった。にもかかわらず、リーとクレアモントは、その後も別のプロジェクトで一緒に仕事をしている。クレアモントとリーは1995年のウィザード・マガジンで共同インタビューも受けている。

イメージ・コミックスとワイルドストーム

1992年、リーはイメージ・コミックスを立ち上げるためにマーヴルを離れた7人のアーティストの一人となった。リーのグループはワイルドストーム・プロダクション(Wildstorm)と名付けられ、リーがペンシラーと共同脚本を手がけた『ワイルドキャッツ』(WildC.A.T.s)を発行し、ジム・リーとプロダクションのアーティストが作り上げたキャラクターが登場するその他のワイルドストームの初期作品には、リーが最初の8号まで共同プロッター、3号まで表紙を作画した『ストームウォッチ』(Stormwatch)、連載シリーズの最初の12号までプロットで参加して最初の30〜40ページではペンシラーを務めた『デスブロウ』(Deathblow)、3年間共同プロッターと2号までペンシラーを担当した『ジェン13』(Gen¹³)がある。その後の、ジム・リーが作り上げたワイルドストーム・ユニヴァース(Wildstorm Universe)を共有しているウィルス・ポータシオの『ウェットワークス』、ジェン13の副産物である『DV8』、ストームウォッチのソロキャラクター・シリーズ『バックラッシュ』(Backlash)、ワイルドキャッツの主人公のソロキャラクター・シリーズ『グリフター』(Grifter)、そしてワイルドキャッツ、ストームウォッチ、ジェン13、デスブロウ、ウェットワークスのキャラクターが登場する『チーム7』(Team 7)を代表するいくつかの短編物といった、同じユニヴァースを共有するその他の連載シリーズは、ジム・リーはあまり参加することなく始まっている。

ほとんどの劇画の特性であるように、これらのシリーズは過激な暴力シーンと、過度の性的描写、そして物語より、うわべの絵柄の方を強調していたために批判を受けた。リーのタイトルの販売は好調で、時にはひと月で百万部を超え、個人の出版社としての販売記録を塗りかえた。

またリーは、出版者として、ワイルドストームの別ブランドとして、ホーメージ・コミックス(Homage Comics)とクリフハンガー(Cliffhanger)という2つのブランド(後に合併され、Wildstorm Signatureというブランドに統一された)を立ち上げた。はじめのうちは、ホーメージは、アイズナー賞の受賞者による『ストレンジャーズ・イン・パラダイス』(Strangers in Paradise)と、カート・ビュシーク(Kurt Busiek)の『アストロシティ』をスタートさせ、より脚本家よりのブランドであった。一方クリフハンガーのほうは、作画家よりのブランドで、当時のトップセラーとなった3つシリーズ、J・スコット・キャンベル(J. Scott Campbell)による『デンジャーガール』(Danger Girl)、ジョー・マデュレイラ(Joe Madureira)の『バトルチェイサーズ』(Battle Chasers)、そしてヒューバート・ラモス(Humberto Ramos)の『クリムゾン』という、その当時の3人の若き売れっ子作家の作品を出版するために作られた。

1996年、リーはロブ・ライフェルド(Rob Liefeld)等と共にマーベルに戻り、古典的ないくつかのキャラクターを再生させるプロジェクト『ヒーローズ・リボーン』(Heroes Reborn)に1年契約で参加した。ライフェルドが『キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ』を リーは『アイアンマン』のプロットを書き、『ファンタスティック・フォー』を描いた。これだけ知られたキャラクターの改変に対してファンの反応は複雑だったにもかかわらず、『アイアンマン』と『ファンタスティック・フォー』はセールスチャートのトップになった。プロジェクト半ばにはライフェルド降板からリーが4タイトル全てを受け持つこととなった。ヒーローズ・リボーン終了後、リーはワイルドストームに専念し、『ジ・オーソリティー』(The Authority)と『プラネタリー』(Planetary)を出版した。

DCコミックスに移籍

1998年後半にリーは、イメージ・コミックスを辞め、DCコミックスにワイルドストームを売却し彼は再びアートに焦点を当てた。 2000年に、バットマン:ゴッサム・ナイツ(英語版)(2000年3月)の第1号の「バットマン ブラックアンドホワイト(英語版)」のバックアップ・ストーリーを描いた。 2003年にライターのジェフ・ローブと共同作業をし全12号からなるシリーズバットマン:ハッシュの作画を担当し、セールス的に成功を収めた。 2004年にスーパーマン:フォー・トゥモローの作画を担当した。 2005年にはベテランライターのフランク・ミラーとタッグを組みオールスター:バットマン&ロビン ザ・ボーイ・ワンダー(英語版)の作画を担当した。 リーはそのあとワイルドストームの編集長に任命され、DCとワイルドストームの両方のプロパティを同時に処理することもあった。 2006年9月リーはライターとしてワイルドキャッツに戻った。 2007年2月にリーがDCユニバース・オンライン)のコンセプト・アートに関与することが発表された。 2008年リーは2009年発売予定のゲームのエグゼクティブクリエイティブディレクターに任命された。 2009年、リーはドートリーのアルバムリーブ・ディス・タウン(英語版)のブックレットのアートワークを手掛けた。

ビブリオグラフィ

DCコミックス

  • 9-11: The World's Finest Comic Book Writers & Artists Tell Stories to Remember, Volume Two
  • Action Comics #800 (among other artists) (2003), #1000 (2018)
  • All Star Batman & Robin, the Boy Wonder #1–10 (2005–08)
  • Batman (Hush saga) #608–619 (2002–03)
  • Batman Europa #1 (2015)
  • Batman: Gotham Knights (Batman Black and White) #1 (2000)
  • Dark Days: The Casting #1 (among other artists) (2017)
  • Dark Days: The Forge #1 (among other artists) (2017)
  • Harley Quinn vol. 2 #0 (among other artists) (2014)
  • Harley Quinn and the Suicide Squad April Fool's Special #1 (pages 1–10, 21-30) (2016)
  • Justice League, vol. 2, #1–6, 9–12 (among other artists) (2011–12)
  • Justice League Day, Special Edition, #1 (2018)
  • Justice League of America, vol. 2, #0 (one page only) (2006)
  • Just Imagine Stan Lee with Jim Lee creating Wonder Woman (2001)
  • The Multiversity: Mastermen #1 (2015)
  • The New 52 (Free Comic Book Day) #1 (among other artists, 2012)
  • Orion (Tales of the New Gods) #12 (2001)
  • Suicide Squad, vol. 5, #1–8 (2016)
  • Scooby Apocalypse #1 (2016)
  • Superman (For Tomorrow) vol. 2 #204–215 (2004–05)
  • Superman/Batman #26 (two pages, among other artists) (2006)
  • Superman Unchained #1–9 (2013–14)
  • The Immortal Men #1 (2018)


ヴァーティゴ

  • Flinch #1 (1999)
  • 100 Bullets #26 (among other artists) (2001)
  • Weird War Tales one-shot (2000)

ワイルド・ストーム

  • Coup d'état: Sleeper (The Authority) (2004)
  • Robotech #0 (2002)

イメージ・コミックス

  • Darker Image (Deathblow) #1 (1993)
  • Deathblow (full pencils): #1–3; (with Trevor Scott): #0 (1993–96)
  • Deathmate Black (among other artists) (1993)
  • Divine Right #1–12 (1997–99)
  • Gen¹³ #0, 4–7 (1994)
  • Grifter/Shi, 2-part miniseries, #1 (with Travis Charest) (1996)
  • Moonlight and Ashes: Fire From Heaven, 2-part miniseries, #2 (1996)
  • Savage Dragon #13 (1994)
  • StormWatch #47 (1997)
  • WildC.A.T.s (full pencils): #1–13; (among other artists): #32, 50 (1992–98)

マーベル・コミックス

  • Alpha Flight #51, 53, 55–62, 64 (1987–88)
  • The Avengers vol. 2 #8 (cover art)
  • Captain America vol. 2 #7-8 (cover art)
  • Classic X-Men #39 (new backup story) (1989)
  • Critical Mass #4 (among other artists) (1990)
  • Daredevil Annual #5 (1989)
  • Fantastic Four vol. 2 #1–6 (1996–97) (plot & pencil art), #7-12 (plot)
  • Iron Man vol. 2 #6 (among other artists) (1997)
  • Justice #30 (1989)
  • Marvel Comics Presents (Namor) #33 (1989)
  • Punisher Annual #2 (1989)
  • The Punisher War Journal #1–12, 17–19 (1988–90)
  • Solo Avengers (Mockingbird) #1 (1987)
  • Spider-Man #10 (co-inker) (1991)
  • St. George #8 (1989)
  • Stryfe's Strike File #1 (among other artists) (1993)
  • Uncanny X-Men #248, 256–258, 267–277 (1990–91)
  • What The--?! #5 (1989)
  • X-Men, vol. 2, #1–11 (1991–92)

脚注

  1. ^ “Jim Lee” (英語). DC (2012年3月4日). 2018年5月15日閲覧。

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、ジム・リーに関連するカテゴリがあります。
  • Jim Lee - Comic Book DB
  • Jim Lee on deviantART
  • Jim Lee on Twitch.tv
  • Jim Lee. Mike's Amazing World of Comics
  • Jim Lee at the Unofficial Handbook of Marvel Comics Creators
  • ジム・リー - YouTubeチャンネル
  • Sun of Gelatometti – A blog of multiple artists, including Jim Lee
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