ハミルトン・フィッシュ

この項目では、アメリカ合衆国の政治家について記述しています。その他の同名の人物については「ハミルトン・フィッシュ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ハミルトン・フィッシュ Hamilton Fish
生年月日	(1808-08-03) 1808年8月3日
出生地	アメリカ合衆国、ニューヨーク州ニューヨーク市
没年月日	(1893-09-07) 1893年9月7日（85歳没）
死没地	アメリカ合衆国、ニューヨーク州ギャリソン
出身校	コロンビア大学コロンビア・カレッジ
現職	政治家、弁護士
所属政党	ホイッグ党、共和党
配偶者	ジュリア・キーン・フィッシュ
宗教	聖公会
サイン
第26代アメリカ合衆国国務長官
在任期間	1869年3月17日 - 1877年3月12日
元首	ユリシーズ・グラント ラザフォード・ヘイズ
アメリカ合衆国上院議員
選挙区	ニューヨーク
在任期間	1851年12月1日 - 1857年3月3日
第16代ニューヨーク州知事
在任期間	1849年1月1日 - 1850年12月31日
副知事	ジョージ・W・パターソン（英語版）
ニューヨーク州副知事（英語版）
在任期間	1848年1月1日 - 12月31日
知事	ジョン・ヤング（英語版）
アメリカ合衆国下院議員
選挙区	ニューヨーク6区（英語版）
在任期間	1843年12月4日 - 1845年3月3日
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ハミルトン・フィッシュ（英語: Hamilton Fish、1808年8月3日 – 1893年9月7日）は、アメリカ合衆国の政治家。ニューヨーク州知事（第16代）、アメリカ合衆国上院議員およびアメリカ合衆国国務長官（第26代）を歴任した。思慮深さに加えて、改革と外交的な節度に対する努力で知られ、グラント政権では政権の「柱」として高く評価され、学者らの間では最も優れた国務長官の一人であると考えられている^[1][2]。論争の的となっていたアラバマ号事件（英語版）に関して、自身の国際仲裁（英語版）の概念を発展させて、イギリスと決着をつけた^[1]。アメリカがキューバの独立を巡るスペインとの戦争に巻き込まれないよう、爆発寸前のバージニアス号事件（英語版）に冷静に対処した^[1]。1875年には、ハワイの砂糖の生産のため、交渉の末にアメリカとハワイとの間で結ばれた通商互恵条約（英語版）により、究極的にハワイをアメリカの州の地位に導くことになるプロセス（英語版）を主導した^[1]。また、南アメリカ諸国とスペインとの間の講和条約締結に向けて、ワシントンD.C.での講和会議の開催準備に尽力した^[3]。リベリアのグレボ族（英語版）の戦争の解決のためには、アメリカ初のアフリカ系アメリカ人領事ジェームズ・ミルトン・ターナー（英語版）と協働した^[4]。グラント大統領はフィッシュを最も信用して政治的助言を求めたという^[5]。

生涯

裕福で著名なニューヨークの一家に生まれ、コロンビア大学コロンビア・カレッジ（英語版）に通った。卒業と同時に司法試験に合格し、ニューヨークのコミッショナー・オブ・ディーズ（英語版）^{[訳語疑問点]}として働いた。1834年にニューヨーク州議会議員選挙にホイッグ党候補者として出馬したが、落選した。結婚後、1843年にニューヨークの政界に復帰し、アメリカ合衆国下院議員に選出された。1846年、ニューヨーク州副知事選挙に立候補したが、民主党反レント派の候補に敗れた。1847年に副知事のポストが空くと、フィッシュは選挙に立候補して副知事に選出された。翌1848年には、州知事選挙に出馬して当選し、ニューヨーク州知事を1期務めた。1851年、ニューヨーク州選挙区から立候補してアメリカ合衆国上院議員に選出され、上院議員を1期務めた。上院では外交委員会の委員を務め、有益な経験を得た。1850年代にホイッグ党が解党すると、共和党に所属を移した。奴隷問題に関しては穏健な立場を取り、カンザス・ネブラスカ法に賛成せず、奴隷制の拡大を認めなかった。

ヨーロッパへの旅の後、アメリカに帰国したフィッシュは、1860年に共和党の大統領候補であるエイブラハム・リンカーンを支持した。南北戦争中、フィッシュはユニオン（北軍）の戦費のための資金を集め、リンカーンの大統領委員会の委員を務めて、北軍と連合国軍（南軍）の部隊の捕虜交換のための準備を成功させた。南北戦争後、フィッシュは弁護士業に復帰し、政界を引退したものと思われた。しかし、1868年にユリシーズ・グラントが大統領に選出されると、翌年グラント大統領はフィッシュを国務長官に任命した。国務長官を引き受けたフィッシュは精力的に国務省に勤めた。国務長官在任中は、職制を改め、公務員改革を実行した。8年間の国務長官在職期間中、フィッシュはキューバの好戦的な態度やアラバマ号事件の解決、カナダとの国境紛争、およびバージニアス号事件に対処していかなければならなかった。フィッシュはまた、諸国間の紛争は軍事的紛争よりも外交的交渉によって解決されるべきであるとする、国際仲裁という新たな概念を実行に移した。フィッシュは、グラント大統領のドミニカ共和国を併合（英語版）する努力が失敗に終わったことを巡る、チャールズ・サムナー上院議員とグラント大統領との間の政争に巻き込まれた。フィッシュは1871年に海軍の遠征隊を組織して、朝鮮と開かれた貿易を行うことを試みたが、失敗した。1877年に職を辞し、政界からも引退したフィッシュは、私生活に戻った後も様々な歴史学会での仕事を続けた。1893年、フィッシュはニューヨーク州にある豪華な自宅で老衰のため死去した。フィッシュの男系子孫は後に、3世代にわたって合衆国下院議員を務めることになる。

脚注

参考文献

• Corning, A. Elwood (October 1918). Hamilton Fish. New York, New York: The Lanmere Publishing Company. https://archive.org/stream/hamiltonfish00corn#page/n0/mode/2up 
• Fuller, Joseph V. (1931). Dictionary of American Biography Fish, Hamilton. New York: Charles Scribner's Sons. pp. 397–400. https://archive.org/stream/dictionaryofamer06ilamer#page/396/mode/2up 
• Kremer, Gary R. (1991). James Milton Turner and the Promise of America: the Public Life of a Post- Civil War Black Leader. Columbia, Missouri: University of Missouri Press. ISBN 0-8262-0780-4 

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、ハミルトン・フィッシュに関連するカテゴリがあります。

ウィキソースにハミルトン・フィッシュに関するブリタニカ百科事典第11版のテキストがあります。

• U-S-History.com: Article（英語）
• Biography from Spartacus Educational（英語）
• Desmond-Fish Library（英語）
• LiSA (Livingston–Svirsky Archive)（英語）

表 話 編 歴 ニューヨーク州知事と副知事（英語版）
知事	G・クリントン ジェイ G・クリントン ルイス（英語版） トンプキンズ テイラー D・クリントン イェーツ（英語版） D・クリントン ピッチャー（英語版） ヴァン・ビューレン トループ（英語版） マーシー スワード ボウック（英語版） ライト（英語版） ヤング（英語版） フィッシュ ハント（英語版） シーモア クラーク（英語版） キング（英語版） モーガン（英語版） シーモア フェントン（英語版） ホフマン（英語版） J・アダムズ・ディクス ティルデン ロビンソン（英語版） コーネル（英語版） クリーブランド ヒル（英語版） フラワー（英語版） モートン ブラック（英語版） T・ルーズベルト オデル ヒギンズ（英語版） ヒューズ（英語版） ホワイト（英語版） J・オールデン・ディクス サルジャー（英語版） グライン（英語版） ホイットマン（英語版） スミス ミラー（英語版） スミス F・ルーズベルト レーマン（英語版） ポレッティ（英語版） デューイ ハリマン ロックフェラー ウィルソン（英語版） ケアリー M・クオモ パタキ スピッツァー パターソン A・クオモ ホウクル
副知事	ヴァン・コートランド S・ヴァン・レンセラー（英語版） J・ヴァン・レンセラー（英語版） ブルーム（英語版） テイラー クリントン テイラー スウィフト（英語版） テイラー ルート（英語版） トールマッジ（英語版） ピッチャー（英語版） P・リビングストン（英語版） ダヤン（英語版） トループ（英語版） ステッビンス（英語版） M・オリバー（英語版） E・リビングストン トレイシー（英語版） ブラディッシュ（英語版） ディキンソン（英語版） ガーディナー（英語版） レスター（英語版） フィッシュ パターソン（英語版） チャーチ（英語版） レイモンド（英語版） セルデン（英語版） キャンベル（英語版） フロイド＝ジョーンズ（英語版） アルボード（英語版） ウッドフォード（英語版） ビーチ（英語版） ロビンソン（英語版） ドースハイマー（英語版） ホスキンス（英語版） ヒル（英語版） マッカーシー（英語版） ジョーンズ（英語版） シーハン（英語版） サクストン（英語版） ウッドラフ（英語版） ヒギンズ（英語版） ブルース（英語版） レインズ（英語版） チャンラー（英語版） ホワイト（英語版） コブ（英語版） コンウェイ（英語版） グリン（英語版） ワーグナー ショーネック（英語版） ウォーカー（英語版） ウッド（英語版） ラスク（英語版） ラン（英語版） ロウマン（英語版） コーニング（英語版） リーマン（英語版） ブレイ（英語版） ポレッティ（英語版） ハンリー（英語版） ウォレス（英語版） ハンリー（英語版） ムーア（英語版） ウィックス（英語版） マホーニー（英語版） デルーカ（英語版） ウィルソン（英語版） アンダーソン（英語版） クルプサック（英語版） M・クオモ デルベロ（英語版） アンダーソン（英語版） ランディーン（英語版） マッコーイ（英語版） ドナヒュー（英語版） パターソン ブルーノ（英語版） スケロス（英語版） スミス（英語版） エスパーダ（英語版） ラヴィッチ（英語版） ダフィ（英語版） ホウクル スチュワート＝カズンズ（英語版） ベンジャミン（英語版） スチュワート＝カズンズ（英語版） デルガド
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