ビハール州

ビハール州
Bihar
बिहार
インド国内の位置
(インド国内の位置)
基礎情報
インド
行政区 ビハール州
州都 パトナ(Patna)
面積 94,164 km2
人口 2011年
 - 合計 104,099,452 人
 - 人口密度 1,102 人/km2
時間帯 インド標準時(IST)UTC+5:30
公用語 ヒンディー語インド英語ウルドゥー語アンギカ語ボージュプリー語マガヒー語マイティリー語
創立 1912年
州知事 ラジェンドラ・アルレカール(英語版)(Rajendra Arlekar)
州首相 ニティーシュ・クマール(英語版)(Nitish Kumar)
立法機関(議席数) 二院制(243+96)
略称ISO IN-BR
州公式
ウェブサイト
https://state.bihar.gov.in/

ビハール州(ビハールしゅう、英語: Bihārヒンディー語: बिहार)は、インドを構成する州の一つ。州都はパトナ(古都パータリプトラ)。

歴史

詳細は「ビハールの歴史(英語版)」を参照
ブッダガヤの菩提樹

マガダ国

古代に栄えたマガダ国は、このビハール州の辺りに位置していた。ガウタマ・シッダールタ悟りの境地に至ったブッダガヤがあるように、仏教が生まれた地でもある。紀元前4世紀に成立したマウリヤ朝は都をパータリプトラ(現パトナ)に定めた。4世紀に成立したグプタ朝でもパータリプトラは都とされた。

イスラーム到来

10世紀以降、アフガニスタンに成立したイスラーム王朝であるガズナ朝は、北インドへ侵入を繰り返すことになった。そして、13世紀初頭にはデリーを都としたデリー・スルターン朝が成立し、この地のイスラーム化が進んでいった。

その後、ムガル帝国による支配を受けた。

イギリス植民地

1764年ブクサールの戦いでムガル帝国に勝利したイギリス東インド会社は、1765年にアラーハーバード条約を締結し、ベンガル地方ディーワーニー(行政徴税権、Diwani Rights)を獲得。イギリスは、この地にも統治権を広げた。

1912年から1936年までオリッサ州と合併したが、再び単独の州となった。

独立後

2000年ジャールカンド州がビハール州から分離した。

2014年、ジタン・ラム・マンジー(Jitan Ram Manjhi)は9か月間、ムサハール(Musahar、不可触民)出身者初めての州首相としてビハール州首相を務めた。[1]

地理

インド北東部に位置する。東部は西ベンガル州、西部はウッタル・プラデーシュ州、南部はジャールカンド州の州境と接し、北部はネパール国境と接する。州の中部を横切るようにガンガー(ガンジス川)が流れている。

地方行政区分

詳細は「w:Divisions of Bihar」および「w:List of districts of Bihar」を参照
  • en:Bhagalpur division
    • バーンカー県(英語版) (Banka district)
    • バーガールプル県(英語版) (Bhagalpur district)
  • en:Darbhanga division
    • ベーグーサラーイ県(英語版) (Begusarai district)
    • ダルバンガー県(英語版) (Darbhanga district)
    • マドゥバニー県 (Madhubani district) - マドゥバニー(ビハール語版、ネワール語版、英語版)
    • サマスティープル県(英語版) (Samastipur district)
  • en:Kosi division
    • マデープラ県(英語版) (Madhepura district)
    • サハルサー県(英語版) (Saharsa district)
    • スパウル県(英語版) (Supaul district)
  • en:Magadh division
    • アルワル県(英語版) (Arwal district)
    • アウランガーバード県(英語版) (Aurangabad district, Bihar)
    • ガヤー県 (Gaya district)
    • ジャハーナーバード県(英語版) (Jehanabad district)
    • ナワーダー県(英語版) (Nawada district)
  • en:Munger division
    • ジャムイー県(英語版) (Jamui district)
    • カガリヤー県(英語版) (Khagaria district)
    • ムンゲール県(英語版) (Munger district)
    • ラキーサラーイ県(英語版) (Lakhisarai district)
    • シェークプラー県(英語版) (Sheikhpura district)
  • en:Patna division
    • ボージュプル県(英語版) (Bhojpur district, Bihar)
    • バクサル県(英語版) (Buxar district) - バクサル(ビシュヌプリヤ・マニプリ語版、ヒンディー語版、ベンガル語版、英語版)
    • カーイムル県(英語版) (Kaimur district)
    • パトナ県(英語版) (Patna district) - パトナ
    • ロータース県(英語版) (Rohtas district)
    • ナーランダ県 (Nalanda district) - ラジギール(Rajgir; ラージャグリハ遺跡)
  • en:Purnia division
    • アラリヤー県(英語版) (Araria district)
    • カティハール県(英語版) (Katihar district)
    • キシャンガンジ県(英語版) (Kishanganj district)
    • プールニヤー県(英語版) (Purnia district)
  • en:Saran division
    • ゴーパールガンジ県(英語版) (Gopalganj district, India)
    • サラーン県(英語版) (Saran district)
    • シーワーン県(英語版) (Siwan district)
  • en:Tirhut division
    • 東チャンパラン県(英語版) (East Champaran district)
    • ムザッファルプル県(英語版) (Muzaffarpur district)
    • シヴハル県(英語版) (Sheohar district)
    • シーターマリー県(英語版) (Sitamarhi district)
    • ヴァイシャーリー県(英語版) (Vaishali district)
    • 西チャンパラン県(英語版) (West Champaran district)

経済

詳細は「w:Economy of Bihar」を参照

ビハール州のGDP(州内総生産)は5兆9401億ルピー(740億ドル)で、第14位。一人当たり州内総生産は46,292ルピー(661ドル)で第33位であった(2019-2020年)。

産業

詳細は「w:Economy of Bihar」および「w:Agriculture of Bihar」を参照

農業

インドの州の中で、ビハール州は野菜の生産量が第4位、果物の生産量が第8位である。人口の80%が農業に従事しており、これはインドの平均を超えている。主な農産物はライチ、グアバ、マンゴー、パイナップル、ナス、オクラ、カリフラワー、キャベツ、米、小麦、サトウキビ、ヒマワリである。良好な土壌と恵まれた気候条件は農業に有利であるが、洪水や土壌浸食によって妨げられることもある。州南部は毎年干ばつに見舞われ、稲などの作物に悪影響が及んでいる。

住民

2011年の国勢調査では、ビハール州は総人口1億4,099,452人でインドで3番目に人口の多い州であった。また、インドで最も人口密度の高い州であり、1平方キロメートルあたり1,106人が住んでいた。2020年の男女比は男性1,000人当たり女性1,090人であった。年齢層については、ビハール州の人口の約58%が25歳未満であり、これはインドで最も高い比率である。2021年のビハール州の都市化率は20%であった。2020年の成人識字率は68.15%(男性78.5%、女性57.8%)であった。

民族

詳細は「w:Demographics of Bihar」および「w:Bihari people」を参照

言語

詳細は「w:Bihari languages」を参照

ヒンディー語は州の公用語であり、2011年の国勢調査によれば、総人口の25.54%が話す。ウルドゥー語は州内の15地区で第2公用語として定められており、8.42%が話す。しかし、国民の大多数はビハール語のいずれかを話している。主なものは、ボージュプリ語(24.86%)、マイティリ語(12.55%)、マガヒ語(10.87%)。マイティリ語は、インド憲法の下でインドの地域言語として認められている。ベンガル語スルジャプリ語を話す人々の小規模なコミュニティが、州の一部(特に東部と都市部)に見られる。

宗教

詳細は「w:Religion in Bihar」を参照

2011年の国勢調査によると、ビハール州の人口の82.7%がヒンドゥー教を、16.9%がイスラム教を信仰している。キリスト教(0.12%)、仏教(0.02%)、シーク教(0.02%)は、ビハール州内では少数派である。ビハール州の人口のほとんどはインド・アーリア語を話す民族グループに属している。

文化

詳細は「ビハール文化(英語版)」を参照
ビハール文学(英語版)」、「ビハール音楽(英語版)」、「ミティラー画」、および「w:Bihari cuisine」も参照

観光

その歴史から仏教関連の史跡が多い。

  • ブッダガヤ(ボードガヤー)
    ガウタマ・シッダールタが悟りを開いたとされる地。マハーボーディ寺院などがある。
  • ナーランダ僧院
    グプタ朝時代に建てられた仏教の学院。玄奘義浄が訪れたことでも知られる。その後衰退し、インドにおける仏教衰退の原因の一つを作るが、2008年に総合大学として復活することが決定された。
  • ラージギル
    マガダ国の都ラージャグリハ(漢訳仏典では王舎城)。城壁や城の跡が残されている。5つの山に囲まれている。
    • 霊鷲山
      ラージャグリハの北東にある山。釈迦が住んだという。
    • 竹林精舎
      初めて建立された仏教寺院。ラージャグリハにあった。
  • ガヤー
    ヒンドゥー教の聖地の一つ。ヴィシュヌパド寺院(英語版)がある。

交通

詳細は「en:Transport in Bihar」および「ビハール州の交通」を参照
第1運河に面したパトナの川港(Gai Ghat)

空路

詳細は「en:List of airports in Bihar」および「ビハール州の空港の一覧」を参照

ビハール州には2020年時点で運用中の空港はパトナ(英語)ガヤ、ダルバンガー(英語)の3ヵ所である。いずれもインド各地の主要空港と定期便で結ばれ、州内の国際空港はガヤ空港のみで、季節便がタイブータンミャンマー他から寄港する。

州間道路

詳細は「en:List of state highways in Bihar」および「ビハール州の州間道路の一覧」を参照

州内を走る州間道路は総延長4,006km、国道(英語)は同5,358kmである。

内水面の航路

一年を通じて航行可能なガンジス川は、かつて広大なヒンドゥスターン平野の主要な水上交通網であった。古代には舟運業者が500を数え、海外との交易に携わった。ガンジス川はいくつもの大小河川と交わり、州の南北を結ぶ交易路としての役割を果たしてきた[2]

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ “印カースト最下層にさげすまれる社会集団「ネズミを食べる人」”. AFP通信. 2020年9月29日閲覧。
  2. ^ Yang, Anand A (1998) (英語). Bazaar India: Markets, Society, and the Colonial State in Gangetic Bihar. ISBN 978-0-520-21100-1. https://books.google.com/books?id=D5lQutvzAp4C&q=Bazaar+India 2009年10月15日閲覧。 

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ビハール州に関連するカテゴリがあります。
  • en:Ranvir Sena
  • ナクサライト(英語版) - マオイスト
    • 赤い回廊(英語版)
    • en:Naxalite–Maoist insurgency

外部リンク

  • Government of Bihar ビハール州政府の公式サイト
連邦直轄領
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