ピーター・シェルダール

ピーター・シェルダール
シェルダール(2009年撮影)
現地語名 Peter Schjeldahl
誕生 (1942-03-20) 1942年3月20日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ノースダコタ州ファーゴ
死没 2022年10月21日(2022-10-21)（80歳）
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク州デラウェア郡ボヴィーナ
職業 詩人、美術評論家
最終学歴 ニュースクール大学
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

ピーター・チャールズ・シェルダール（Peter Charles Schjeldahl, 1942年3月20日 - 2022年10月21日）とは、アメリカの美術評論家、詩人、教育者。ザ・ニューヨーカーの首席美術評論家として知られ、それ以前はヴィレッジ・ヴォイス、ARTnews、ニューヨーク・タイムズに寄稿。

幼少期と教育

1942年3月20日、ノースダコタ州ファーゴに生まれる[1]。ピーターの父ギルモア（英語版）は機内のエチケット袋の発明者であり[2]、NASA初の通信衛星を製造した会社の創業者だった[1]。母シャーリーン（ハンソン）はギルモアのオフィス・マネージャーだった[1]。 故郷のミネソタ州の小さな町で育つ。1962年から1964年までカールトン・カレッジとニュースクールで学ぶ[1]。1962年にジャージーシティの地方紙であるジャージー・ジャーナルや、ミネソタとアイオワ州で記者としてプロのライターとしてのキャリアをスタートした[2]。

美術批評家

1964年にパリに渡り、1年間滞在した後、1965年にニューヨークに移住。ニューヨークに移り住むと、ARTnews、ニューヨーク・タイムズ、ヴィレッジ・ヴォイス（1990年から1998年の間）[3]、7 Days（クーパー・ユニオン）での美術評論家を歴任。1998年にはザ・ニューヨーカーに入社し、首席美術評論家を務める[3]。『Artforum』、『Art in America』、『The New York Times Magazine』、『Vogue』、『Vanity Fair』にも寄稿[3]。そのキャリアの中で、美術批評だけでなく詩集も数冊執筆。2019年6月に最後の著書『Hot, Cold, Heavy, Light: 100 Art Writings, 1988-2018』を出版[1][4]。また、1990年代後半から2000年代前半にかけて4年間、ハーバード大学の視覚環境学科で教鞭をとった[5][6]。

詩人

シェルダールの詩は、ニューヨーク派の特徴的なテーマとスタイルの多くに合致する。現代のポストモダン詩人であるシェルダールは、詩はすべての読者が楽しみ、理解できるものであるべきだと考えていた。バージニア・コモンウェルス大学の『Blackbird』誌とのインタビューで、シェルダールは「不明瞭であったり、難解であったり、威圧的であったりすることに報酬はない」とコメントしている[7]。

シェルダールの詩は、しばしば一般的な経験や身近な出来事を取り上げている。彼の詩 "My Generation "はこう始まる： 「ベトナム／麻薬／公民権／ロック／ウォーターゲート／（この順か）／歴史の打撃が／私の世代に／独特のボロボロのシルエットを残した」[8]。『Blackbird』誌のインタビューで、シェルダールは "人々が読みたいと思うものを書くことが私の糧である "と語っている[7]。

受賞

1995年にグッゲンハイム・フェローシップを受賞[9]。1980年にはカレッジ・アート・アソシエーションからフランク・ジュエット・メイザー賞（美術批評部門）を受賞[10]。スターリング・アンド・フランシーン・クラーク・アート・インスティテュートは、ピーターを2008年度クラーク賞の受賞者に選出した。この賞は、「学問に裏打ちされながら、幅広い読者にアピールする」方法で視覚芸術の一般的な評価を高めた作家を表彰するために2006年に設立された。賞金25,000ドルと安藤忠雄氏がデザインした賞品が授与される[11]。

カールトン・カレッジは2015年6月13日、卒業式の一環として名誉文学博士号を授与した[12]。その7年後、彼は「画家、制度、運動を紹介または再検討し、優しい評価と冷静な反論を提供する、親しみやすく献身的な美術批評に対して」ピューリッツァー賞の批評部門にノミネートされた[4][13]。

私生活

シェルダールは、公の場で "L "と呼んでいた女性と結婚し、後に離婚した[2]。ニューヨーク在住[2]。元女優のドニー・ブルック・アルダーソンと亡くなるまで結婚。二人の間にはエイダ・カルフン・シェルダールという子供が一人おり、彼女はエイダ・カルフン（英語版）の名で執筆活動を行っている[1]。

2019年、シェルダールは肺がんと診断された。2022年10月21日、ニューヨーク州ボビナの自宅で死去。享年80歳[1][14]。

出典

  1. ^ a b c d e f g Grimes, William (2022年10月23日). “Peter Schjeldahl, New York Art Critic With a Poet's Voice, Dies at 80”. The New York Times 172 (59585): p. A26. https://www.nytimes.com/2022/10/21/nyregion/peter-schjeldahl-dead.html 2022年10月21日閲覧。 
  2. ^ a b c d Schjeldahl, Peter (December 16, 2019). “The Art of Dying”. The New Yorker. https://www.newyorker.com/magazine/2019/12/23/the-art-of-dying. 
  3. ^ a b c “Contributors: Peter Schjeldahl”. The New Yorker. http://www.newyorker.com/magazine/bios/peter_schjeldahl/search?contributorName=peter%20schjeldahl 2009年4月16日閲覧。. 
  4. ^ a b “Finalist: Peter Schjeldahl of The New Yorker”. The Pulitzer Prizes. https://www.pulitzer.org/finalists/peter-schjeldahl-new-yorker 2022年10月21日閲覧。 
  5. ^ Schjeldahl, Peter (1998年11月27日). “A Gang Theory of Art Education, or Why Artists Make the Worst Students”. The Chronicle of Higher Education. https://www.chronicle.com/article/a-gang-theory-of-art-education-or-why-artists-make-the-worst-students/ 2022年10月21日閲覧。 
  6. ^ “Leading art critics featured in new discussion series”. Yale Bulletin & Calendar 32 (16). (2004年1月30日). オリジナルの2022年10月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20221021233432/http://archives.news.yale.edu/v32.n16/story16.html 2022年10月21日閲覧。 
  7. ^ a b Schjeldahl, Peter (Spring 2004). "Interview with Peter Schjeldahl". Blackbird (Interview). 3 (1). Interviewed by Howard Risatti; Susan Glasser; Mary Flinn. 2016年4月23日閲覧。
  8. ^ “2008: Peter Schjeldahl”. Clark Art Institute. 2022年10月21日閲覧。
  9. ^ “Peter Schjeldahl”. John Simon Guggenheim Memorial Foundation. 2010年10月11日閲覧。
  10. ^ “Awards - Frank Jewett Mather Award”. The College Art Association. 2010年10月11日閲覧。
  11. ^ Peter Schjeldahl Wins Clark Prize for Arts Writing. ARTINFO. (April 25, 2008). http://www.artinfo.com/news/story/27456/peter-schjeldahl-wins-clark-prize-for-arts-writing/ 2008年5月14日閲覧。 
  12. ^ "Carleton to hold 141st Commencement ceremony; bestow honorary degree to The New Yorker's Peter Schjeldahl" (Press release). Carleton College. 3 June 2015. 2016年4月23日閲覧。
  13. ^ Helgerud, Erica (2022年6月2日). “Two Carleton alumni earn Pulitzer Prize nominations”. Carleton College. https://www.carleton.edu/news/stories/two-carleton-alumni-earn-pulitzer-prize-nominations/ 2022年10月21日閲覧。 
  14. ^ Greenberger, Alex (2022年10月21日). “Peter Schjeldahl, Art Critic Who Wrote with Unparalleled Elegance, Dies at 80”. ARTnews (New York City). https://www.artnews.com/art-news/news/peter-schjeldahl-art-critic-who-wrote-with-unparalleled-elegance-dies-at-80-1234644075/ 2022年10月21日閲覧。 

外部リンク

  • Schjeldahl "speaks about his experiences as an art critic, his views on the postmodern art world, and the idea of beauty" at Boston University's School of Visual Arts in a 2007 lecture recording on BUniverse.
  • Remnick, David (October 21, 2022). “Remembering Peter Schjeldahl, a Consummate Critic”. The New Yorker. https://www.newyorker.com/magazine/postscript/10/31/remembering-peter-schjeldahl-a-consummate-critic?utm_source=nl&utm_brand=tny&utm_mailing=TNY_Daily_102222&utm_campaign=aud-dev&utm_medium=email&utm_term=tny_daily_digest&bxid=5be9d7852ddf9c72dc24b34e&cndid=40855115&hasha=4b0031554c1a8f19a4b9d94efe9865e7&hashb=66b46c8c5f29abbf0cc006657c5f46a07e1b9038&hashc=a1b92d99cc9f32c87c0b7808008a11cca1e877b8791840db4267f85301afac42&esrc=AUTO_OTHER&mbid=CRMNYR012019 2022年10月23日閲覧。. 
  • Fenstermaker, Will (November 3, 2022). “'The Dutiful Soldier': A Tribute to Peter Schjeldahl (1942–2022)”. Frieze. https://www.frieze.com/article/peter-schjeldahl-obituary-2022 2023年5月19日閲覧。.