ポデスタEメール

2016年3月、元アメリカ合衆国大統領首席補佐官であり、2016年アメリカ合衆国大統領選挙でヒラリー・クリントンの選挙対策本部長を務めたジョン・ポデスタの私的なGmailアカウントが、フィッシング攻撃を受け、ハッキングされた。サイバーセキュリティ専門家とアメリカ合衆国連邦政府は、この攻撃がロシア連邦軍参謀本部情報総局の下部組織によって行われたものだという見方を示した[1]

その後、ポデスタEメールの一部または全てがウィキリークスによって取得された。ウィキリークスは、2016年10月から11月にかけて、ポデスタが送受信したとされる2万ページを超える電子メールを公開した[2]。ポデスタとクリントン陣営は、電子メールが本物であるか確認することを拒否した[3]ポリティファクトがインタビューしたサイバーセキュリティの専門家によると、電子メールの大部分はおそらく変更されていないが、ハッカーによって少なくとも一部が不正に加工されたり、偽造された可能性はあるという。この記事は、クリントン陣営が、公開された電子メールが偽物であった証拠を出していないことを示している[4]。アメリカの諜報機関によるその後の調査でも、選挙中にウィキリークスが入手したファイルには「明白な偽造」は含まれていないことが報告された[5]

ウィキリークスによって公開されたポデスタの電子メールには、クリントン陣営の内情が記されており、CNNコメンテーターのドナ・ブラジル(英語版)が聴衆からの質問事項を、タウンホールミーティング前にクリントン陣営と共有していたことを示唆する箇所と、ウォール街の企業に関するヒラリー・クリントンの演説原稿が含まれていた。メールの多くには「ホットドッグ」や「ピザ」への言及が含まれていたため、ポデスタや他の民主党員がワシントンD.C.のピザ屋を拠点とする、児童買春組織に関与していると主張する陰謀論であるピザゲートの基礎が形成された[6][7]

参考文献

  1. ^ Franceschi-Bicchierai, Lorenzo (2016年10月20日). “How Hackers Broke Into John Podesta and Colin Powell's Gmail Accounts”. Motherboard. 2018年8月13日閲覧。
  2. ^ Stein, Jeff. “What 20,000 pages of hacked WikiLeaks emails teach us about Hillary Clinton”. Vox. https://www.vox.com/policy-and-politics/2016/10/20/13308108/wikileaks-podesta-hillary-clinton 2016年10月21日閲覧。 
  3. ^ “Leaked emails show slogans Clinton campaign considered”. CBS News (2016年10月19日). 2018年8月13日閲覧。
  4. ^ Carroll, Lauren (2016年10月23日). “Are the Clinton WikiLeaks emails doctored, or are they authentic?”. PolitiFact. 2018年8月13日閲覧。
  5. ^ “Declassified report says Putin 'ordered' effort to undermine faith in U.S. election and help Trump”. The Washington Post (2017年1月6日). 2017年1月8日閲覧。
  6. ^ Huang, Gregor Aisch, Jon; Kang, Cecilia (2016年12月10日). “Dissecting the #PizzaGate Conspiracy Theories”. The New York Times. https://www.nytimes.com/interactive/2016/12/10/business/media/pizzagate.html 
  7. ^ Samuelson, Kate (2016年12月5日). “What to Know About Pizzagate, the Fake News Story With Real Consequences”. Time. http://time.com/4590255/pizzagate-fake-news-what-to-know/ 

関連項目

外部リンク