ルノー・R.S.17

ルノー・R.S.17
カテゴリー F1
コンストラクター ルノー
デザイナー ボブ・ベル
CTO
ニック・チェスター
(シャシーテクニカルディレクター)
先代 ルノー・R.S.16
後継 ルノー・R.S.18
主要諸元
エンジン ルノー R.E.17
1.6L V6ターボ
タイヤ ピレリ
主要成績
チーム ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
ドライバー ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ
イギリスの旗 ジョリオン・パーマー
スペインの旗 カルロス・サインツJr.
出走時期 2017年
通算獲得ポイント 57
初戦 2017年オーストラリアGP
最終戦 2017年アブダビGP
出走優勝表彰台ポールFラップ
20(39台)0000
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ルノー・R.S.17 (Renault R.S.17) は、ルノー2017年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。

概要

2017年2月21日に正式発表。

2015年末のチーム買収後、ボブ・ベルのリーダーシップの下でゼロから製造された初めてのマシンであり、新しいレギュレーションに基いて全てのパーツを新しくしている[1]。エンジン・テクニカルディレクターのレミ・タファンは「シャシーとパワーユニットをひとつのチーム内で作った最初のマシンであり、パワーユニットにおける目標はシャシーにうまく融合させることであった」と述べ、パッケージ全体の重量を抑えつつ、全体のパフォーマンス向上を目指したという[2]。一方、「パワーユニットのコンセプトを一新し、パフォーマンス向上を図ったため、パーツへの負担が増え、信頼性の問題が課題である」ともタファンは述べている[2]。だが、タファンの不安は現実となり、後述の通りトラブルの原因となり、結果だけ見ればマクラーレン・ホンダよりは良い成績を収めたが、信頼性の面では一時はそれを下回っているPUとなってしまった[3]

2017年シーズン

ドライバーはジョリオン・パーマーが残留、ニコ・ヒュルケンベルグフォース・インディアから移籍。

マシン性能は前年より向上し、新加入のヒュルケンベルグは度々ポイントを獲得する一方、パーマーは入賞にあと一歩及ばないレースが続き、シンガポールGPで6位に入賞してようやくポイントを獲得したが、日本GPを最後にチームを離脱。代わってトロ・ロッソからカルロス・サインツJr.が移籍した。 シーズン終盤は相次ぐパワーユニット(以下、PUと略す)のトラブルにより、同じルノーPUを使用するレッドブルトロ・ロッソとともに毎戦のようにグリッド降格ペナルティを科せられる事態となった。

トロ・ロッソやハースとの間でコンストラクターズランキング6位を争ったが、最終戦アブダビGPでヒュルケンベルグが6位に入賞し、ランキング6位を確定させた。

ルノーF1としてはコンストラクターズランキング6位となり前年の9位から浮上するなど、一定の結果を残した。だが、ルノー製PUとして見た場合、タファンの不安が現実となった。シーズン前半は特定のマシンのみに集中したこともあり、何とか対応していたが、シーズン後半はルノー製エンジン搭載車の大半にトラブルが発生。一時は予備パーツの在庫がなくなる事態となり、供給先のチームと険悪な状況になるなど[4]、信頼性で苦しんだシーズンでもあった。

スペック

[5]

シャシー

パワーユニット

  • 名称 ルノー R.E.17
  • 気筒数・角度 V型6気筒・90度
  • 排気量 1,600 cc
  • 最高回転数 15,000 rpm(レギュレーションで規定)
  • ターボチャージャー シングルターボ
  • 最大燃料流量 100 kg/h
  • 最大燃料容量 105 kg
  • ボア 80 mm
  • ストローク 53 mm
  • クランクの高さ 90 mm
  • バルブ数 24
  • 重量 145 kg
  • パワー 900 hp
  • 燃料噴射 直接噴射
  • MGU-K最高回転数 50,000 rpm
  • MGU-K出力 120 kW
  • MGU-Kエネルギー回収 2 Mj(1周あたり)
  • MGU-Kエネルギー放出 4 Mj(1周あたり)
  • MGU-H回転数 100,000 rpm

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 ポイント ランキング
AUS
オーストラリアの旗
CHN
中華人民共和国の旗
BHR
バーレーンの旗
RUS
ロシアの旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
CAN
カナダの旗
AZE
アゼルバイジャンの旗
AUT
オーストリアの旗
GBR
イギリスの旗
HUN
ハンガリーの旗
BEL
ベルギーの旗
ITA
イタリアの旗
SIN
シンガポールの旗
MAL
マレーシアの旗
JPN
日本の旗
USA
アメリカ合衆国の旗
MEX
メキシコの旗
BRA
ブラジルの旗
ABU
アラブ首長国連邦の旗
2017 27 ドイツの旗 ヒュルケンベルグ 11 12 9 8 6 Ret 8 Ret 13 6 17 6 13 Ret 16 Ret Ret Ret 10 6 57 6位
30 イギリスの旗 パーマー Ret 13 13 Ret 15 11 11 Ret 11 DNS 12 13 Ret 6 15 12
55 スペインの旗 サインツ 7 Ret 11 Ret

脚注

ウィキメディア・コモンズには、ルノー・R.S.17に関連するカテゴリがあります。
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  1. ^ “ルノーR.S.17:パーツをすべて変更、ゼロから作り直した「初のルノーF1マシン」で選手権5位を目指す” (2017年2月22日). 2017年2月22日閲覧。
  2. ^ a b “ルノーF1新パワーユニットのテーマは「軽量化と融合」。新コンセプトで0.3秒削るための課題とは” (2017年2月22日). 2017年2月22日閲覧。
  3. ^ “レッドブル、レース周回数でマクラーレン・ホンダ以下の最下位”. F1-gate.com (2017年6月29日). 2017年12月17日閲覧。
  4. ^ “レッドブル、トロ・ロッソとルノーの論争に介入”. F1-gate.com (2017年11月12日). 2017年12月17日閲覧。
  5. ^ “R.S.17”. 2017年2月22日閲覧。
フランスの旗 ルノー F1
2016年 - 2020年
ワークスチーム
チーム首脳
主なスタッフ
主なドライバー
車両
主なスポンサー
関連組織
2002年 - 2011年
ワークスチーム
チーム首脳
主なスタッフ
主なドライバー
車両
タイトルスポンサー
主なスポンサー
関連組織
太字はルノーにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。
2001年 - 現在
エンジン供給
現在の関係者
過去の関係者
現在の供給先
過去の供給先
関連組織
※役職等は2023年2月時点。
1989年 - 1997年
エンジン供給
主な関係者
供給先
関連組織
1977年- 1985年
ワークスチーム
チーム首脳
主なスタッフ
主なドライバー
車両
主なスポンサー
エンジン供給先
関連組織
関連項目
※他チームへのエンジン供給は1983年から1986年にかけて行った。