レーイトス
レーイトス(古希: Λήϊτος, Lēïtos)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してレイトスとも表記される。アレクトリュオーン[1]、あるいはアレクトールの子[2]、あるいはイトーノスの子エーレクトリュオーンの子[3]、あるいはラクレトスとクレオブーレーの子で、クロニオスと兄弟ともいわれる[4]。一説にレーイトスはスパルトイであるという[5]。アルゴナウタイの1人で[2]、ヘレネーの求婚者の1人[6]。
トロイア戦争では、ペーネレオース、アルケシラーオス、プロトエーノール、クロニオスとともにギリシア軍におけるボイオーティア地方の武将の1人で[7]、12隻の軍勢を率いた[4]。レーイトスはピュラコスを討ったが、ゼウスがトロイアの味方をしてアイギスを振りかざしたとき、ヘクトールに手首を傷つけられて戦場から退いた[1]。戦後、レーイトスはボイオーティアの武将として唯一生き残り[8]、帰国後、持ち帰ったアルケシラーオスの遺骨をレバデイア近郊のヘルキュナ河畔に葬った[9]。レーイトス自身の墓はテーバイにあったという[8]。
脚注
- ^ a b 『イーリアス』17巻。
- ^ a b アポロドーロス、1巻9・16。
- ^ シケリアのディオドロス、4巻67・7。
- ^ a b ヒュギーヌス、97話。
- ^ エウリーピデース『アウリスのイーピゲネイア』。
- ^ アポロドーロス、3巻10・8。
- ^ 『イーリアス』2巻・494行-495行。
- ^ a b パウサニアス、9巻4・3。
- ^ パウサニアス、9巻39・3。
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
- ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)