中国人民解放軍陸軍

曖昧さ回避 中国陸軍」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「中国陸軍 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
中国人民解放軍陸軍
中国人民解放军陆军
People's Liberation Army Ground Force
中国人民解放軍陸軍の紋章
中国人民解放軍陸軍の旗
創設 1927年8月1日
本部 北京市
総人員
現総人員 約98万人
テンプレートを表示
中華人民共和国の軍事
中国人民解放軍軍徽
中国人民解放軍軍徽
最高軍事指導機関
中央軍事委員会(中国語版)国家
中央軍事委員会職能部門 
  • 弁公庁
    統合参謀部 政治工作部 後勤保障部
    装備発展部 訓練管理部 国防動員部
    紀律検査委員会 政法委員会
    科学技術委員会
    戦略計画弁公室 改革編制弁公室
    国際軍事協力弁公室 財務監査署
    機関事務管理総局
国務院機関
国防部 国防科工局
国家国防動員委員会 国家辺海防委員会
中華人民共和国の武装力
中国人民解放軍の旗 中国人民解放軍
中国人民武装警察部隊の旗 中国人民武装警察部隊
中国民兵
戦区
東部戦区 南部戦区 西部戦区
北部戦区 中部戦区
軍種
中国人民解放軍陸軍の旗 陸軍 中国人民解放軍海軍の旗 海軍 中国人民解放軍空軍の旗 空軍
中国人民解放軍ロケット軍の旗 ロケット軍
中央軍事委員会直轄部隊
航空宇宙部隊
サイバー空間部隊
情報支援部隊
統合兵站支援部隊
中央軍事委員会直属院校
国防大学 軍事科学院 国防科技大学
ドメイン別戦力
陸軍 海軍陸戦隊 空軍空挺隊

海軍 陸軍艦艇部隊

空軍 海軍航空隊 陸軍航空隊

ロケット軍
海軍潜水艦基地 空軍爆撃機師団

航空宇宙部隊

サイバー空間部隊
駐特別行政区部隊
駐香港部隊 駐マカオ部隊
階級制度
人民解放軍 武装警察
軍事思想と歴史
人民戦争理論 人海戦術
解放軍の歴史
ゲリラ 運動戦 超限戦
関連法規
国防法 兵役法
国防動員法 国防教育法 人民防空法
国防交通法 国家インテリジェンス法
サイバーセキュリティ―法
データセキュリティー法 暗号法
国家安全法 香港国家安全維持法
反テロリズム法 スパイ防止法
現役士官法 予備役士官法
人民武装警察法 海警法
民兵工作条例
士官階級条例 軍政治工作条例

中国人民解放軍陸軍(ちゅうごくじんみんかいほうぐんりくぐん、英語: People's Liberation Army Ground Force) は、中華人民共和国陸軍組織であり、人民解放軍の陸軍部門である。

「人民陸軍」や、「人民解放陸軍」と表記されることがあるが、「人民解放陸軍」が正式な組織名称である[注釈 1]

概要

整列した陸軍の兵士
閲兵される陸軍の兵士

兵力98万人(2018年)[1]。解放軍出版社が2007年12月に発行した年鑑で、兵力の概要が初めて公開された際は約140万人であった[2]。近代化のため兵力削減傾向にあり、MBTなどの兵器保有数も段階的に縮小している。 兵役は法律により不足に応じて選抜徴兵制を実施することになっているが、不足した事は今までになく実質的には志願兵制となっており、除隊したいと申し出ると、厳しい処分(海外渡航、中国国内での飛行機や長距離列車またはバスを使った移動、不動産の購入、ローン契約や保険の加入、事業の開業、大学や中等教育機関への入学などが2年間禁止。政府機関や国営企業には、非正規雇用も含めて一生就職できない。4000ドル相当の罰金支払いに加え、交通費や生活費、医療費などを含む3750ドルを軍に返済)を受ける事もある[3]

長期間にわたって人民解放軍の軍令・軍政組織は陸軍が他の軍種に対して優位を持つ組織形態になっており、解放軍陸軍は人民解放軍の中核であり、主体組織であった[注釈 2]。近代化を進めつつある過程で、陸軍の軍区司令官が所属の空軍及び海軍に指揮権を有する七大軍区制となっていたが、現在では陸軍も地域別の統合組織である5個の戦区に所属するように改編されている。

軍または軍団に相当する集団軍は、数個の合成(諸兵科連合)旅団に各1個の砲兵、防空、航空、特殊作戦、工兵/化学防御、役務支援旅団とその他の部隊から構成される[4]

合成旅団は戦車及び装軌式装甲車を主力とした重型合成旅団、装輪式装甲車を主力とした中型合成旅団、軽装甲型汎用4輪駆動車を主力とした軽型合成旅団の3種類が基本で[5]、2020年の初めには陸軍全軍の機械化を基本的に完了するという目標が達成された[6]

各集団軍の特殊作戦旅団はロシアのスペツナズやアメリカのレンジャーなどを参考にしており、緊急展開作戦やテロ対策の任務についている。

指揮階梯

現在、陸軍の指揮階梯は、概ね以下の通りである。

  • 戦区方面軍相当、軍管区を持つ)- 2016年に軍区から改編された。この階梯は各軍種の統合組織とされた。
  • 集団軍 (軍団または相当、1985年に「軍」から改編された)
  • 師(師団相当、近年旅団が直接集団軍に所属しており、この階梯の部隊数は減少している)
  • 旅(旅団相当)
  • 団(連隊相当)
  • 営(大隊相当)
  • 連(中隊相当)
  • 排(小隊相当)
  • 班(分隊相当)

初期の指揮階梯

過去、国共合作により一応の指揮階梯を作るも、非正規戦を戦う為に部隊規模は一定しなかった。国共内戦期の1948年~1949年に指揮階梯が整備された。

陸軍指導機構

集団軍

2018年現在13個集団軍を有する。

5大戦区(2016年2月~現在)

7大軍区制末期(~2016年1月末)

2000年頃~2006年までに廃止された集団軍

1985年~2000年頃までに廃止された集団軍

1985年までに廃止された軍

1985年(軍から集団軍への改編時)以前に廃止された軍の一覧。

  • 第11軍 - 昆明
  • 第19軍 - 蘭州
  • 第29軍 - 福州
  • 第43軍 - 武漢
  • 第46軍 - 済南
  • 第50軍 - 成都
  • 第55軍 - 広州
  • 第60軍 - 南京
  • 第66軍 - 北京
  • 第68軍 - 瀋陽
  • 第69軍 - 北京

装備

詳細は「中国人民解放軍陸軍の装備品一覧」を参照

2021年の時点で主力戦車約5,650輌、歩兵戦闘車約6,700輌、装甲兵員輸送車約3,950輌、自走砲約3,600輌、自走多連装ロケット砲約1,600輌及びヘリコプター約1,000機等を保有する[7]

車両

99A式戦車
96式戦車

火砲

07式122mm自走榴弾砲
  • 83式自走152ミリ榴弾砲
  • 85式自走122ミリ榴弾砲
  • 05式155mm自走榴弾砲
  • 07式122mm自走榴弾砲
  • 衛士2 400mm6連装自走ロケット砲(衛士-1BはトルコなどのNATO諸国にも輸出された)
  • 89式122ミリ自走多連装ロケット・システム
  • 96式300mm10連装自走ロケット砲

航空機

小火器

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 英語では「 People's Liberation Army Ground Force」と表記され、「PLAG」と略号される。
  2. ^ 英語で特に陸軍組織だけを指す場合には「People's Liberation Army Ground Force (PLAGF:直訳では「人民解放軍陸上部隊」) 」の語が用いられるが、海軍部門が「People's Liberation Army Navy (PLAN,PLA NAVY) 」、空軍部門が「People's Liberation Army Air Force (PLAAF) 」と表記される事に対し、“Ground Force”と特記しない「People's Liberation Army(PLA) 」のみの表記でも特に説明のない場合は陸軍組織のみを指すことが通例である。
    日本の政府公式表記、もしくはメディアでの表記・呼称では「中国陸軍」と表記されることが多く、正式名称の「人民解放軍陸軍」が用いられることは少ない。また、陸軍組織のみを指して「人民解放軍」と表記されていることも多い。
  3. ^ 集団軍の名称と所属軍区は 米国防総省Military Power of the People's Republic of China2006 File:China_Report_2006.pdfによる。

出典

  1. ^ 平成30年度版 防衛白書
  2. ^ 『世界軍事年鑑2007』
  3. ^ “人民解放軍を辞めたらこうなる――過酷な処分内容を公表 中国”. CNN (2019年12月17日). 2021年2月21日閲覧。
  4. ^ Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2018米国防総省
  5. ^ 「習近平の中国人民解放軍」『月刊パンツァー』727号(2021年8月号)、アルゴノート、2021年6月、38-42頁
  6. ^ “我军两款新"打印"神器亮相高原 拉开下一代换装序幕” (2020年8月17日). 2021年7月2日閲覧。
  7. ^ The Military Balance 2021. The International Institute for Strategic Studies. (2021). pp. 250–251 

関連項目

外部リンク

  • 中華民国九十五年国防報告書(繁体字、英語)
  • Chinese Defence Today(英語)
  • GlobalSecurity.org(英語)
東アジアの軍隊(事実上の軍隊を含める)
日本の旗 日本
中華民国の旗 台湾1
モンゴルの旗 モンゴル
中華人民共和国の旗 中国
中華人民共和国武装力量
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
大韓民国の旗 韓国
関連項目
1」は国家の承認を得る国が少ない、または無い国であり、国際連合非加盟。国家承認を得た国連非加盟の国と地域の一覧独立主張のある地域一覧も参照。